アブデュルハミト2世は、シャーロック・ホームズファンだった
2018年02月19日付 Milliyet 紙


あらゆる時代の、最も有名な探偵であるシャーロック・ホームズと推理小説好きであったアブデュルハミト2世との巡り会いは自然な結果である。アブデュルハミト2世は、サー・アーサー・コナン・ドイル氏のこの有名な作品を、自身のためにトルコ語へと翻訳させ、興味深く読んでいたという。アブデュルハミト2世がドイル氏と会っていたかどうかは議論を生む問題であるが、興味を抱いていたのは明確な事実である。この関心は、その時期のある小説でも話題となった。イェルヴァント・オディアン氏が執筆した『アブデュルハミト2世とシャーロック・ホームズ』が、エヴェレスト出版により再版された。

サー・アーサー・コナン・ドイル氏が描き、現代でも人気を誇るシャーロック・ホームズは、イコンであるかのようである。何度も映画になったシャーロック・ホームズを最近ではBBCが監修した連続ドラマとして我々は目にした。ベネディクト・カンバーバッチとマーティン・フリーマンが主役を務めたそのドラマは、シャーロック・ホームズと、唯一無二の親友ワトソン博士を、現在のロンドンまで運んできた。期待通り、ドラマは大きな関心を呼び、世界各国の何百万という画面で放映された。そのような人気であるため、年始のために撮られた特別編は大きな興味を持って期待されていた。ドラマのこの成功は、ドイル氏の作品がトルコでも一層人気を誇ることとなった。

エヴェレスト出版が2013年に出版を始め、ここ数カ月に、3巻目がでたシャーロック・ホームズの冒険は、トルコ語でこのテーマで今日までに行われた最も価値のある創作となっている。第3巻も、慎重に作業が行われた作品シリーズのどの本でも、シャーロック・ホームズの冒険は、本文のすぐ側に詳細な注釈が補われている。粋なプリントと見た目で、人々に「私を買って」と思わせるこの作品は、シャーロック・ホームズのファンたちの書架におさまった。

■アーサー・コナン・ドイル氏のイスタンブル訪問

シリーズ最初の巻の序文の中で、アブデュルハミト2世のことが書かれているのをみたとき、ひどく驚いたものだ。エロル・ウイェパザルジュ氏が執筆した文章では、アブデュルハミト2世と、彼のシャーロック・ホームズ好きが説明されていた。最も興味深い問題もこのとき始まった。アブデュルハミト2世と、サー・アーサー・コナン・ドイル氏は面会を果たしたのだろうか?

この問いの答えは、議論を生むテーマである。アブデュルハミト2世の側近のひとり、英国人のウッズ・パシャの存在は、アーサー・コナン・ドイル氏のイスタンブル訪問とスルタンへの謁見の機会を得たとの理由となっている。この面会でアブデュルハミト2世が作家へメダルをかけていたと言われている。メダルに関する文書がオスマン文書館で見つかったとしても、これを直接アブデュルハミト2世が授けたのかは、なぞである。なぜなら、他の説によれば、サー・ アーサー・コナン・ドイル氏は、イスタンブルへ招待を受け、面会のためイスタンブルに来たが、この面会は実現されることはなかった。宮殿の門の前で何日も待たせられたドイル氏は、しばらくしてイスタンブルから離れた。面会が実現できなかった理由としては、アブデュルハミト2世へ届いた通報が関連していると考えられている。ユルドゥズ宮殿へ届けられた報告によると、ドイル氏の訪問の目的は、宮殿をみることと、新しい小説を書く際にこの場所をメインに据えることであった。このため、面会はキャンセルされたという。

■アブデュルハミト2世はシャーロック・ホームズのファン

この2つの意見のほかに、アブデュルハミト2世が翻訳局へ、自身のためにすべてのシャーロック・ホームズの作品の翻訳をさせていたことも有名な事実である。推理小説好きであったアブデュルハミト2世にとって、シャーロックは、とても特別な存在であった。

アブデュルハミト2世と同じ時代を生きたイェルヴァント・オディアンは、1911年に類例のない小説を書き始めた。第2次立憲制の宣言とアブデュルハミト2世の退位後、反アブデュルハミト2世の形で出版された出版物の数は大変増加した。これらの本は、総じてアブドゥルハミト2世と警察組織についてのものだった。

その当時、この類いの作品のひとつが、イェルヴァント・オディアン氏が執筆した『アブデュルハミト2世とシャーロック・ホームズ』という名の小説であった。トルコ語とアルメニア語で多くの小説を執筆したイェルヴァント・オディアン氏は、このフィクション作品でアブデュルハミト2世と彼がとても愛したシャーロック・ホームズを同じ場面で描いた。小説は、アブデュルハミト2世の諜報組織に属する男性たちの、疑惑のある連続死の後、君主が事件解明のためにシャーロック・ホームズに依頼するという形で進んでいった。

アブデュルハミト2世とシャーロック・ホームズの本は、長い年月のあとエヴェレスト出版によって再版された。まさに3巻からなるシャーロック・ホームズのシリーズの同様に、粋なデザインで出版された同書は、トルコの推理文学という点からも大きな重要性をもっている。

その当時のトルコ語に忠実なまま出版された同書では、初版の体裁および、読者の助けとなるよう単語説明も掲載されている(注)。イェルヴァント・オディアン氏のこの小説は、シャーロック・ホームズファン同様に、時代の雰囲気を知りたい者にとって、読むべき本の一冊といえるだろう。アブデュルハミト2世とシャーロック・ホームズが同じ場所に描かれた唯一の小説であるこの作品は、現在、エヴェレスト出版から第二刷が出されている。

(注)当時使用された文字がアラビア文字であるという点のみならず、今日、もはや使用が廃れた単語が数多く用いられているためである。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:大畠梨紗子 )
( 記事ID:44398 )