チェコ裁判所、PYD元リーダーサーリフ・ムスリムを放免
2018年02月27日付 Hurriyet紙


チェコ共和国の首都プラハで勾留されていたテロ組織クルド民主統一党(PYD)の元党首サーリフ・ムスリムが、チェコ裁判所によって釈放された。外務省はこの判決を受けてチェコに反発を示し、「チェコ裁判所は、数十人もの罪なき市民がテロ攻撃で命を失ったことやその遺族の苦しみを考慮していないという態度をとった」と述べた。メヴリュト・チャヴシュオール外相は、トルコからチェコに書簡を出したと述べた。チャヴシュオール外相は、判決後あらゆるアプローチをしているとし、「(ムスリム氏が)他の国に行っても我々は追跡をやめない。裁判所の判決もあるが、国際手配も出ている。我々はいかなるテロリストの追跡もやめない。サーリフ・ムスリムも追跡中だ。法律に基づいて必要なことをしていく」と述べた。

プラハでとある会議に参加し、トルコから国際指名手配を受けていた、テロ組織PYDの元党首サーリフ・ムスリムは裁判に出廷した。ロイター通信社は、サーリフ・ムスリム氏が公判後に釈放されたと報じた。

都市裁判所報道官からアナトリア通信記者が得た情報によれば、ムスリム氏の公判はトルコ時間13時に始まった。警察は裁判所前で広く警備措置を講じたが、 デモを行ったテロ組織支持者はわずかだった。メディア関係者らは法廷に入室できなかった。トルコは、ムスリム氏の一時勾留とトルコへの送還を求めていた。

■チャヴシュオール外相「事態の追跡をやめない」

メヴリュト・チャヴシュオール外相は判決に関して、「チェコ裁判所がサーリフ・ムスリム氏を釈放したことは、そもそもヨーロッパの国の多くがテロとの闘いに真摯でないことを示している」と述べた。

チャヴシュオール外相は、裁判所の判決があるがインターポールの国際手配も出ていると喚起した。

同外相は、インターポールの本部、チェコ支部、およびアンカラ支部が時宜を得て報告をしたとし、次のように述べた。

「裁判所の判決後、国際指名手配が出された。判決も公開されている。(ムスリム氏は)アンカラのクズライにあるギュヴェン公園でのテロ攻撃を含む、トルコでのテロ攻撃を指揮していた人物だ。これに関して、すなわちその責任に関して判決が出ている。したがって法に沿った手続きがなされたのだが、裁判所は検事の勾留要求にもかかわらず釈放した、『ヨーロッパ域内から出られない』という判決とともに。」チャヴシュオール外相は、ヨーロッパ域内なら好きな場所に行くことができると言及し、「しかし我々は推移を追跡している」と述べた。この逮捕後もあらゆる形でコンタクトをとっていると主張するチャヴシュオール外相は、外務省として書簡を送り、法務省と内務省もアプローチをしたり送還を要求したりしていたが、裁判所は釈放を決定したと述べた。

同外相は次のように続けた。

「裁判所のこの判決は全てが終わったという意味ではない。我々は事態の追跡をやめない。(ムスリム氏が)他の国に行っても追跡をやめない。国際手配も出ているし、裁判所の判決もある。これはサーリフ・ムスリム氏に関してのみあてはまることではない。今後いかなるテロリストの追跡もやめない。フェ トフッラー系テロ組織(FETÖ)であろうと、人民防衛隊(YPG))であろうと、PKK(クルディスタン労働者党;非合法)であろうと関係なく、その全てを追い続けている。サーリフ・ムスリム氏のことも常に追いかけている。今後彼が悠長に生活することはできない。法律に基づいて必要なことをしていく。」

■法相「インターポールの監督下でアプローチを続ける」

アブデュルハミト・ギュル法相は当件に関して次のように発表した。
「政治的な要件で逮捕の決定は下されなかった。先方にはこの失敗の埋め合わせを期待している。インターポールの監督下でアプローチを続けていく。」

周知のように、アンカラ第4重罪裁判所の判決により、PKK分派のPYDテロ組織のリーダーであるサーリフ・ムスリム氏の逮捕に向けた決定が下されていた。この決定の結果、インターポールを通じて国際指名手配が出されるようアプローチが始ま り、その結果プラハで同氏は逮捕されたのだった。トルコは、犯罪者の送還のための協定に賛同する国である。18日以上40日未満であれば勾留の決定が下される必要があった。しかし今日、法的な解釈どころか勾留というような決定すら出なかった。協定に反した、法律に反した判決がチェコの司法からなされた。」

■外務省の発表

外務省は次のように発表した。
PKK/KCK(クルディスタン社会連合)テロ組織のシリア分派であるPYD党首サーリフ・ムスリム氏に関する一時勾留要求がチェコ裁判所によって棄却されたことで、チェコの司法は、国際法やテロとの闘いにおける責任と合致していない。

PYDは、チェコ共和国もその加盟国であるEU(欧州連合)がテロ組織として認識するPKKのシリアにおける分派である。

チェコ裁判所はサーリフ・ムスリム氏を勾留するのではなく釈放することを決め、数十人もの罪なき市民がテロ攻撃で命を失ったことやその遺族の苦しみを考慮していないという態度をとった。

こうした判断によりチェコは、テロとの闘いに関する言説がヨーロッパにおいてどれほど不誠実で説得力に欠けているか、その新たな一例を示した。

在プラハのトルコ大使アフメト・ネジャーティ・ビガルは裁判所の決定に関して、「トルコとチェコ共和国の友好関係にそぐわない」とチェコ側に伝える旨を述べた。

■政府のきわめて厳しい反発

ベキル・ボズダー副首相兼政府報道官は判決について、「法律に反した決定だ。罪人の送還に関するヨーロッパ協定にも反した判断である。テロとの闘いに関して、国際連合(UN)であれ、EUであれ、国際社会であれ、それらが表明した意思にも反している。これは、明らかにテロ組織を幇助するような判決だ。トルコとチェコの関係にも悪影響を及ぼすだろう。現時点で我々に弁明は届いていない。様子を見るつもりだが結果は明らかになっている。結局のところ、かつてテロ組織を創設・指導し、今もテロ組織内部で活動を続け、きわめて多くの人の命を奪った事件を自ら指示したテロリストのリーダーが残念ながら釈放されたのだ。クムルラル通りでもギュヴェン公園でも数多くの国民が命を失った。」

■どれだけの罪なき人が亡くならなければならないのか?

あとどれだけの市民と罪なき人が亡くなれば、彼のしたことがテロ活動になるのか?殺害したのがトルコ国民あるいはイスラム教度ならば、テロ組織として見なされないのか?テロ組織として見なされるためには、EU加盟国あるいはアメリカ合衆国の国民が傷つくことが条件なのか?PYD/PKKがダーイシュ(DEAŞ)のような残忍で惨いテロ組織であることは、全世界もチェコも知っている。

■捜査懸賞金400万リラ

PYD/PKKのサーリフ・ムスリム元共同党首の名は、内務省が出す「テロ捜査対象者リスト」のレッドカテゴリに、400万リラの懸賞金とともに記載されている。

■ムスリム氏の逮捕が再決定

アンカラ共和国検察局は、アンカラのチュルランバルにある税務署で数週間前に起こった爆発に関する捜査で、PYDのサーリフ・ムスリム元共同党首に対し2月26日に逮捕が再び決まった。同検察局は、決定を送還要求書に盛り込むために法務省に送致した。以前にもメラスィム通りとギュヴェン公園での爆発に関して逮捕決定が出されていた。

■ビナリ・ユルドゥルム首相「チェコが試される日」

ビナリ・ユルドゥルム首相も2月27日に党会議で次のように述べた。
「PKK/PYDのリーダーの1人サーリフ・ムスリムは2月24日にチェコで逮捕された。このテロリストの送還のために、必要な作業を開始させた。必要なコンタクトを取り続けている。NATO同盟国であるチェコが試される場面だ。チェコがこのテロリストを返還してくれることを願っている。結果がどうであれ明らかなことは、今後残忍なテロ組織のリーダーが大手を振って歩くことはできないということだ。我々は彼らが世界で生きにくいようにし続ける。」

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(翻訳者:金戸 渉)
(記事ID:44426)