トルコ政界、連立・共同の思惑
2018年03月29日付 Hurriyet 紙

公正発展党と民族主義行動者党が動き、大統一党もそれを支持した連立に続き、トルコ政界では共和人民党のケマル・クルチダルオール党首が「我々は交渉中だ」との声明を発表した。善良党ー至福党、共和人民党ー民主左派党といった連立が話に上がっており、新しい連立の動きが進んでいる。

最新の法律是正により、連立することで重要なメリットが得られる。最大のメリットは国政政党として単独で獲得しなければならない10%の得票ラインを、連立することで得られるということだ。選挙ではこの法律のおかげで容易に投票ラインを上回ることが出来る。つまり単独では得票が10%を下回る可能性のある政党は、連立により総投票を合算することができるのである。この法律による2つ目のメリットは「得票の共有」である。いくつかの選挙区では最終的な得票をそれぞれの政党の単独票ではなく、連立政党を1つの政党とみなして配分されるため、連立、共同関係を結ぶ人たちにとって有利となる。

■得票の共有

例えば、ある選挙が行われた場合、A党は1万人、B党は5千人の得票を得た場合、この2つの政党は単独では議席を得ることが出来ない。しかし、連立すれば合算され1万5千の得票扱いにできる。これらのことから連立政党出身の国会議員が誕生することになろう。その議員は連立政党のどちらの出身だとしても得票の割合に従ってドント方式[1議席当たりの得票順で配分、小政党に不利とされる]によって配分され、議席を得る。このメリットは、選挙協力をする各ブロックで有意義な結果をもたらす可能性がある。連立によって得られる相乗効果により、新制度下で最も有力な政党は連立政党となるだろう。

■連立、共同

以上の利点から、公正発展党と民族主義行動者党以外の政党でも選挙協力は重要な位置を占めることになった。一昨日、共和人民党のクルチダルオール党首は 「我々は連立の話を交渉中だ」と記者団に語った。この発言により、この数週間の間に政界で語られた連立の動きが新たに活発になった。共和人民党が善良党、至福党と連立する可能性は低いと思われる。それは共和人民党の支持層にこうした連立を説明する事が困難であるからであり、唯一民主左派党のみが連立できると考えられている。最新の総会で規則に示された「連立を結ぶ際には事前投票を要さず」という規定を運用することになると言われている。

■新しい構想

政界で主に話題になっている連立構想は「善良党と至福党」である。これら2つの政党は単独で選挙を行った場合、得票ラインに引っかかり、連立した方がそのラインを上回る可能性が高いと考えられている。近日中にこれに関する措置が講じられるといわれており、大統一党が支持している公正発展党と民族主義行動者党の連立、共和人民党と民主左派党の連立、善良党と至福党の連立が議論される、といわれている。国民民主主義党[クルド左派]は単独では得票10%ラインを越せないだろうと考えられている。

■公正発展党と民族主義行動者党のメリットは減ってしまうのか?

新しく連立、共同関係を結ぼうとしている人たちは、連立構想がこのように進めば、選挙協力が公正発展党と民族主義行動者党のみを利することなくなるだろうとの見解を示している。この見方によれば、他の党が得票を得てトルコ大国民議会で議席を得た場合、得票の共有と議席の配分のいずれもが、与党に不利に働く事になる。

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( 翻訳者:本岡篤也 )
( 記事ID:44570 )