エジプト:エジプト人キリスト教徒によるエルサレム巡礼の急増(1)
2018年04月04日付 al-Hayat 紙

■エジプト人キリスト教徒らの間でエルサレムへの巡礼者数の急増

【カイロ:アフマド・ラヒーム】

 今年、エジプト人キリスト教徒数千人に対しエルサレムへの巡礼が無制限で 許可された。1967年以来初めてのことだ。この許可を受けて、カイロ空港では多くのキリスト教徒が、民間旅行会社が企画 するフライト でテルアビブのベングリオン空港へと向かい、そこからエルサレム市街へと向かう動きが目立った 。先週金曜日、キリスト教徒らは身元 に関する厳密なセキュリティーチェック と 手続きを経て、エジプト航空傘下のエア・シナイ航空機に搭乗してエルサレムへと出発した。今年になって巡礼旅行者数の急増が見られた背景には、コプト正教会がエルサレムへの渡航禁止令への違反者に対する懲罰を看過 していることがある。一昨日、数時間の間に 4便が出航 し、約1,000人の乗客をエルサレム市街へと運んだ。

 コプト教会顧問兼エジプト人権連合会会長兼弁護士のナギーブ・ギブラーイール氏は『本紙』に対し、複数の旅行会社が今年7,000人のキリスト教徒にエルサレムの旅行を企画すると述べ、その理由は 「聖地エルサレムのアイデンティティーを守り」、同地におけるキリスト教徒の存在の定着させる 決議にあるとした。

エルサレム への渡航問題は、エジプトの教会内で議論を巻き起こしてきた。教皇シェヌーダ三世が、エルサレムがイスラエルの占領下にある限り同地への渡航を受け入れないとし、この決定に反する者に教会が制裁を科すこと に拘ったからだ。エルサレムへの渡航問題 は、しばしば、違反者が制裁の取り下げのために 政府機関紙上で教皇に謝罪をし、これが広く公表されるまで彼らの教会への出入りを禁じるまでに発展した。

 故教皇キリルス六世は1967年のエルサレム占領直後にキリスト教徒の同地への渡航禁止を決定した。この渡航禁止令をシェヌーダ教皇は厳格に適用 した。1977年のサダト大統領のイスラエル訪問への同行を拒否した程だ。その結果として、 両者の関係は緊張した。コプト教会の教会会議は1980年、エジプトとイスラエルの関係正常化を受けた渡航禁止令の綻びを恐れたため、イスラエルへの旅行禁止令を発行した。

 教皇タワドロス2世はこうした立場を守ったが、同氏は総主教に任命されると、本件に関して柔軟になったと考えられた。エルサレムへの渡航禁止令の違反者への懲罰執行に関して寛大になったのだ 。こうした寛大な態度 は、50歳を超える二重国籍を有する者の渡航を黙認するまでになった。


(2)に続く (2)に続く

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( 翻訳者:堀嘉隆 )
( 記事ID:44594 )