Taha Akyol コラム:シリアはどこへ?―米・露の間のトルコの窮状
2018年04月13日付 Hurriyet紙

 シリアを巡りアメリカとロシアが互いに力を誇示し合い、危機を深刻にしている。中でもトルコは最も不快な目に遭っている。

 先日の金曜日、ドゥマで市民に毒ガスが向けられた。西欧諸国は反発した。

 ロシア議会では、ロシア国防委員会のフランツ・クリントセヴィチ副委員長が、アメリカのミサイルを「確認し撃墜する訓練を行った」と述べ、それをロシアのその他のメディアも伝えた。
 トランプ米大統領はすぐさまツイートして反発した。「ロシアはシリアに向かう全てのミサイルを落とすと言ってのけた。準備しろロシア、ミサイルは行くぞ。奇麗で新しく、優れたものだ。毒ガスで人を殺して楽しむような鬼畜の仲間にはならないことだ。」
 40分後にはボルテージを少し抑えたツイートを投稿した。今この行を書いている間に、大統領は最新のツイートで「シリアにいつ攻撃をするかは一切言っていない。直ちに攻撃するかもしれないし、攻撃しないかもしれない」と述べた。

■トランプの誇大妄想

 アメリカのメディアでは、トランプは誇大妄想的でナルシストだとする見方が出てきている。政治に不慣れで商売人然とした姿勢よりも、誇大妄想とナルシシズムがより支配的だ。常に話題の渦中におり、常に力を誇示する、「偉大なるアメリカ」の概念を自身のアイデンティティと結び付ける、チームで仕事が出来ない――グレッグ・サージェントはワシントン・ポストに「トランプの誇大妄想とナルシシズムは、我々の民主主義を様々な側面から脅かしている」と書いた(2017年12月14日)。
 アメリカに民主主義制度は根付いているが、トランプはむしろ、外交を破壊している。「シリアから撤退する」と旋風を引き起こしたのは何だったのか。しかも「準備しろロシア、ミサイルが行くぞ」などというツイートを誇大妄想から言ってのけられる。全世界でトップニュースになった。こんなにも自分は強いのだ、と快感を覚えているのだ。
 だが国防総省は直ちに「我々には知らされていない。ホワイトハウスに聞いてくれ」と声明した。ジャンス・チャムルベル氏は昨日のニュースに「ワシントンはトランプ大統領に関係なく戦略を決定しようとしている」と書いた。

■プーチンの帝国

 トランプのそうした様子には恐らく次第に慣れていくし、トランプも長くは続けられないかもしれない。シリアで現実となった紛争は非常に深刻で根が深い。ロシアとイランは、アサドを通じて東地中海と全中東地域に「影響圏」を作りつつある。それにトルコにとってよいことではない。ロシア、イラン両政府は、アサドやアサドの頼る政治的、社会的、軍事的組織を見放すことは出来ないだろう。
 プーチンはロシア軍に「戦争に向け準備せよ」との発言をしている(2017年11月23日)。

 また選挙キャンペーンでは「マッハ5の速さで世界のあらゆる地点を攻撃できるミサイルを開発した」が第一声だった(2018年3月11日)
 これらでは単に帝政や共産主義からきた帝国主義への欲求だけではなく、プーチンの個人的な誇大主義やナルシシズムも明らかだ。

■トルコの難しい立場

 しかし、プーチンは冷静で計算高く、寡黙で、ツイートすることもあまりない。KGBでよく訓練されたようだ。アメリカと対照的にロシアでは「諸機関」は機能していない。東ウクライナやクリミアを経て、プーチンがシリアでは妥協の産物の解決を歓迎するだろうか。
 イランもまた、歴史上例を見なかった規模の影響圏を築くことを望んでいる。
 トランプは無視しておくとして、アメリカはこの地域を放棄するだろうか。シリアをめぐるこの衝突が現実化するにつれ、トルコの選択の余地は減っている。トルコはアサドのいないシリアを創るため、アメリカやイスラエル、サウジアラビアと共に行動するのだろうか。あるいは中東で覇権を得るため、アサドを首班と決めているイランやロシアと共に行動するのだろうか。
 今晩20時30分、CNNトルコではエーリスィ・ドールスの番組でムスラファ・アイドゥン、スィナン・ウルゲン両氏に訊ねる。

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(翻訳者:貝瀬雅典)
(記事ID:44647)