EU拡大サミットに、トルコの不在
2018年05月17日付 Hurriyet紙


EUは、今期の議長国であるブルガリアの首都ソフィアで「西バルカン諸国サミット」を開催した。EU拡大が焦点となり、トルコの隣国で行われたサミットであったが、トルコは呼ばれなかった。このサミットで、EUが拡大に際して西バルカン諸国とトルコを分けようとしていることが確かとなった。

EUは、長年バルカン諸国を意識してこなかったが、同地域でロシアとトルコの影響力が増大し続けていることが影響し、今期の議長国であるブルガリアの首都ソフィアで「EU・西バルカン諸国サミット」を開催した。一部の層はこのサミットを「歴史的」なものだと評価しているが、2003年のテッサロニキ・サミットで発信された「条件を満たしたバルカン諸国に対して、我々の扉は開かれる」というメッセージを超えるものではなかった。ソフィア・サミットは、EU拡大の過程で西バルカン諸国とトルコの間の溝を確かなものにするという性質のものだ。会議の後の記者会見では欧州理事会のドナルド・トゥスク議長が「西バルカン諸国がEUと異なる将来を歩むことは考えられない」と述べた。

■トルコ政府の警告

トルコは、西バルカン諸国とトルコの視座が異なるものと分け隔てしないよう、EUに明確な形で警告を発し、このことが歴史的・地政学的に、現在の政治情勢の点から間違っていると主張したが、EUの態度は頑であった。現段階では短期間で具体的な結果が得られる可能性がなかったにせよ、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、コソボ、マケドニア、モンテネグロ、セルビアとともにEUが拡大を焦点としたサミットを公式に開催したことで、拡大プロセスに対するEUの見方が昔とは異なっているということが明確に示されている。同地域の国々に対して別途サミットが開かれたことで、西バルカン諸国とトルコの間で、明文化されないにせよ、実質的に分け隔てが行われたことが確かになった。

■トルコ懸念

EUが長年重要視してこなかった西バルカン諸国がその重要性を増したのには、2つの事実が重要な役割を果たしている。まず、2015年からの難民危機だ。この危機で、EUの安定という観点で同地域の重要性が認識された。2つ目の理由として、同地域でロシア、中国、トルコの影響力が増していることにEUが不安を覚えているということがある。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、西バルカン地域の立場を支援する一方で性急な政策には反対しており、「バルカン諸国がトルコやロシアへ向くことは望ましくない」と述べたが、これはEU全体の総意に近い。

■時期は述べられず

欧州委員会は、加盟準備ができている西バルカン諸国の加盟時期について言及していた。欧州委員会のジャン・クロード・ユンケル委員長は、セルビアとモンテネグロが2025年にEUに加盟できる可能性を明らかにしていた。サミットの後に発表されたソフィア宣言は、EU加盟に関するいかなる時期目安にも言及しなかった。

■コソボに対するスペインの態度

サミットに参加した西バルカン諸国の中にコソボが含まれていたことは、深刻な外交問題を引き起こした。EU加盟国のうち5か国はコソボを承認していない。コソボ問題に関して最も強硬な線引きをしているスペインは、首脳級がサミットに参加しなかった。スペインのマリアーノ・ラホイ首相は、一昨夜EU各国の首脳が参加して開催された会食には参加したが、サミットには参加せず帰国した。スペインについては下位レベルの代表が代役としてサミットに参加した。スペインがサミット後に発表されるソフィア宣言を拒否しないように、同宣言では「西バルカン諸国」の代わりに「西バルカン共同体」という表現が使用された。

■対米で共通

EU拡大に焦点を置いてソフィアで開催されたサミットで、EU諸国の首脳は、貿易とイラン核合意に関連して対米関係に言及し、アメリカに対し共通した態度を取ると明らかにした。各国首脳は、イランとの合意を忠実に履行することを確認し、貿易交渉では脅威に屈しないというメッセージを改めて策定した。

欧州理事会のドナルド・トゥスク議長は「イランが全面的に合意を履行し続ける限り、EUは合意にとどまる」と述べた。EU各国の首脳は、予想されるアメリカの制裁に対してヨーロッパの利益を守る対策の策定を欧州委員会に委任した。

米・トランプ大統領が鉄とアルミニウムに追加関税を課す決定を下し、免税期間の終了まで残り2週間を切ったことを受け、EUは「貿易交渉では脅威に屈しない」態度を確認した。

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(翻訳者:神谷亮平)
(記事ID:44805)