パレスチナ:アラブ連盟が米に対して「エルサレム首都宣言」撤回を要求
2018年05月18日付 al-Hayat紙
アラブ連盟外相会合の議長を務めるジュベイル・サウジ外相(中央)とその右に着席するアブー・ガイト事務総長(ハヤート紙撮影)
アラブ連盟外相会合の議長を務めるジュベイル・サウジ外相(中央)とその右に着席するアブー・ガイト事務総長(ハヤート紙撮影)

■パレスチナ:アラブ連盟理事会が米政府に対してエルサレムの「イスラエル首都」承認の撤回を要求

【カイロ:ムハンマド・シャーズリー】

アラブ諸国の外相らは昨日(17日)にカイロで行われた緊急会合の閉会に際し、国際社会に対して、ガザ地区における最近の出来事に関する調査委員の設置を要求した。同地区では、平和的に行われている「帰還の行進」においてパレスチナ人60名がイスラエル軍の銃弾に被弾し、殺害された。また、同外相らは米国に対して、エルサレムを「イスラエルの首都」に承認した決定を撤回するよう要求するとともに、エルサレムへの米国大使館移転を「無効」であるとした。

サウジアラビアのアーディル・ジュベイル外相は会合に際してスピーチを行い、米国大使館が東エルサレムで開館したことについて、これは国際社会の決定および国連安保理・総会(の一連の決議)に反するものであり、2017年12月に可決された直近の総会決議に反するものであると述べた。同決議は、「聖都エルサレムの性質、地位または人口構成を変更したと主張するいかなる措置も、法的効果を持たず無効である」ことを確認したもの。同外相は、サウジアラビア王国は東エルサレムに米国大使館を開館したドナルド・トランプ大統領の行動を拒否し、これを非難すると述べ、これはパレスチナ国民の歴史的問題に対する横暴であるとの見解を示した。

アラブ連盟のアフマド・アブー・ガイト事務総長は、会合後の記者会見において、「国連に加盟するアラブ諸国は、イスラエルの行いに対して法的かつ真剣な調査が行われるよう、様々な手を尽くし行動していく」と述べた。

外相らは決議において、「国連安保理・総会および国連人権理事会とその報告者、国連人権高等弁務官に対し、ガザ地区での出来事に関する国際調査委員会の設置に必要な措置をとる」よう要求するとともに、「同委員会の期限付現地調査の実施を可能にすること、およびこの犯罪行為についてイスラエルの高官らが説明責任を果たし、懲罰を免れることのないようこの行為を裁定するための明確なメカニズムの実施を保証する」よう要求した。同外相らは再び、「占領を行うイスラエルの首都にエルサレムを承認した米国の決定を拒否・非難するとともに、この決定を無効とみなし、その撤回を要求する」ことを強調し、この決定は「被占領地エルサレムおよびその法的・歴史的現状をめぐる国際社会の総意に反するものであり、国際法に明白に違反する危険な前例である」とみなした。

外相らは、「ナクバの日に行われた大使館移転は、パレスチナ国民の権利に対する侵害を加速させるものであり、アラブ・イスラーム共同体そしてキリスト教徒共同体の感情を逆撫でする挑発行為であるとともに、地域の緊張を強め、紛争を肥大化させ不安定を煽る行いである」との見解を示した。

パレスチナのリヤード・マーリキー外務庁長官は、トランプの決定以降100名のパレスチナ人殉教者が命を落としたと述べ、グアテマラの大使館移転の決定についても拒否を示した。

外相らは理事会開会直前に諮問会議を開催し、その中で常駐代表らが起案した決議案について協議した。同決議案では、アラブ連盟加盟国はアラブとして行動し、これ以上他の国が米国に倣って大使館をエルサレムに移転させることを防ぎ、米国政府及び世界各国に対して西エルサレムを占領者イスラエルの首都に認定する代わりに、東エルサレムをパレスチナ国家の首都に認定するよう要求することで一致した。

アブー・ガイト事務総長は、昨日サウジアラビアの主催・要望の下で開かれたアラブ連盟外相級臨時理事会に際してスピーチを行った。同事務総長はその中で、エルサレムを「イスラエルの首都」に認定した米国の決定および同国の大使館移転は、「法的効果を持たず無効であり、国際社会からもアラブ諸国からも…公式レベルにおいても民衆レベルにおいても…現在そして未来においても容認されないものである」と述べた。

同事務総長は、米国の決定は「無責任であり、地域を緊張状態に投げ込むものである。この決定は、米国がひどく占領国家の立場に肩入れしていることをアラブ人全体に感じさせるものである…米国の決定は、イスラエルが非武装の民間人に対して無差別の破壊・暴力を振るい、残忍な殺害行為を一層推し進めることを助長したように思われる」と強調した。同事務総長はグアテマラがエルサレムに大使館を移転させたことを非難し、グアテマラおよびこれと同様の措置に踏み切る可能性のあるその他の国々とアラブ諸国の関係は、詳細に検討し見直す必要があると述べた。同事務総長は、「大使館をエルサレムに移転させることは平和を害する行為であり、国際社会の規律全体の倫理的・法的正統性を損ねる行為である」と述べた。

エジプトのサーミフ・シュクリー外相は、イスラエルの占領継続が危機の根源、パレスチナ国民の悲劇の根源であると述べ、今こそ我々は中東地域の暗い歴史に終わりを告げ、パレスチナ国民の平和への希求を実現すべきであると述べた。同外相は会議に際してスピーチを行い、いかなる大使館であれ、これをエルサレムに移転させることは、国際法の観点から無効な措置であり続けると述べた。

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(翻訳者:北本芳明)
(記事ID:44808)