Foreign Policy誌の指摘するエルドアン6つの経済失策
2018年05月27日付 Cumhuriyet紙

 米国の影響力のある雑誌の一つであるForeign Policy誌に、トルコ経済に対する大きな記事が掲載された。「エルドアン大統領は、「経済入門」の授業で落第点だ」と題された記事は、「トルコ大統領は、自身が正しく、世界の経済専門家が全員誤っているのだという前提の元で派手な賭けをした」という。 

 ボルゾウ・ダラガーヒー記者の署名記事では、タイイプ・エルドアン大統領がロンドンで世界的な投資家らと行った会合やその直後のブルームバーグ社への発言において行った金利や中央銀行の独立性についてのコメントが、投資家らを不安にさせたとの見解が示された。記事では、「市場には慈悲がない」として、エルドアン大統領のスピーチは、もともと不安を抱いていた投資家らにマイナスの影響を及ぼした、と明している。

 ドゥヴァル紙に掲載された訳文によれば、記事は次のように指摘している。

■「ふつう言われていることと矛盾する考え」

「経済専門家や投資家らの新興市場に対する世界的な注目は総合的にみて減少しており、このことはトルコにもダメージを与えると言われている。その一方で、エルドアン大統領本人には、経済的な問題について、ふつう言われていることとは違う考えがあると指摘する。チューリッヒに本社のある資産管理会社であるGAM社の投資ディレクターであるポール・マクナマラ氏は、「エルドアン大統領の見解は、ここ10年間で類を見なかったほどの重要性をもっている。かつては思うままに発言していた。好き勝手なこといい、それに政治的な必要性をこじつけていた。その後、中央銀行に介入し、金利を引き上げさせた。もうこんなことはできない」と述べる。

 Foreign Policy誌は、これに続き、多くの専門家による「一般的に受け入られている標準概念に合致しない、エルドアン大統領の一連の経済原則」を掲載した。同誌はそれらを以下のように列挙している。

1- 「利子が諸悪の根源」

 エルドアン大統領の「高利子がインフレへの道を開いた」という意見を度々掲載している同誌は、「これは、マネーサプライを引き締めることがインフレを減速させるという経済のルールを無視している」と記述した。またForeign Policy誌は、エルドアン大統領は任期の最初から「利子ロビー」に対して反対であり、投資家らはこの姿勢を「現実の経済の副作用を和らげる政治家」として、しばらくは無視していたと書いているが、一方でこう続けた。「現在、エルドアン大統領の利子への敵意はより哲学的であり、高利貸しを原罪と位置づけるイスラム教とキリスト教の見解に基づいていることは明らかである。さらに、中央銀行の運営者の意向に反し、明確な反対を示しており、投資家らに中央銀行の独立性を懸念させた。」

2-「成長、成長、成長」

 Foreign Policy誌は、トルコの成長志向の経済について次のように批判した。
 「トルコのここ数年の経済の大部分は、エルドアン大統領の政治的盟友である建設・開発大手に対する審査の甘い貸付、債務保証、およびその他の便宜の結果として生まれた建設の激増によるものだった。エルドアン大統領の低利子への信念は、トルコは際限なく成長し、経済は過熱せず、インフレ圧力も過度にならないという確信に基づいている。つまり、エルドアン大統領は、どうやらトルコ経済は、なんの副作用もなしに毎年7%成長すると信じているようだ。しかし、経済学者らは、制御されていない成長は、実際は国家を停止(不景気)の真っ只中に着地させること、そして、インフレ―現在は10%―が消費者の貯蓄や収入を食う点を警告する。IMFや他の経済学者は、トルコは4%以上成長するべきではないと話している。」

3- 「投資家は何が起きてもやって来る」

 Foreign Policy誌は2000年代に外国からの投資の波がトルコの経済的成功をもたらしたのだとし、「しかし、トルコリラに関する懸念のせいで投資の数は減少している。トルコリラの下落は、投資家らのマージン利益を減少させるリスクを内包している」と表現した。同誌は次のように続ける。エルドアン大統領も、トルコに巨額の投資をしているドイツ、フランス、オランダなどの国と不和を起こし、投資減少の状況にはなんの助けにもならなかった。外国企業が、いつかトルコ政情が非常に不安定だという考えにいたるという懸念に耳を貸さなかった」

ワシントンにあるデルマ・インスティトゥートのセリム・サザク氏は、「エルドアン大統領は先進工業化した民主主義とその貪欲さが、彼をいかなるリスクからも守ると信じている。「オランダは、文句があるならユニリーバ社のシャッターを降ろせ。フランスも文句があるならルノーを撤退させろ」と言っている」と記述した同誌は、次のようにコメントしている。「しかしこれは危険な遊びであり、長年トルコに拠点をもつ企業は撤退を考えないが、エルドアン大統領の政治的失敗は、新規の投資家を遠ざけかねない。」

4 - 中産階級への課税

Foreign Policy誌は、「多くの先進国は、中産階級が、経済成長とイノベーションの原動であるとみなしている。しかしエルドアン政権のトルコは、大半が世俗的で都会的な階級であり公正発展党にはもちろん投票しない消費者と公務員は犠牲にし、貧困層と富裕層に利益を授ける逆進税の政治が行われた」と表現した。ワシントンにあるデルマ・インスティトゥートのセリム・サザク氏はこの点について、「これはロビン・フッド戦略と呼ばれます。敵から奪い、支持者に与える」と述べた。

5 – 「トルコの経済的問題の背後に、外国の力」

 経済的課題が、外国勢力による操作だとみなされたいることを批判する同誌は、「エルドアン大統領が脇にひき、財務職員が、重要な利子率引き上げ許可を出した水曜以降さえ、これはドルに対抗するための方法だと説明した」と書いている。

6 - 「国家の強化する」

「サウジアラビアとは違い、トルコには巨大プロジェクトの資金となる巨万の石油も、豊富な外国為替もない」と指摘する Foreign Policy誌は、「それにもかかわらず、公共財を担保にしてプロジェクト資金を収集する目的で、2016年に基金を設立したが、それは何の成果もなかった。しかしトルコは別の目的に使用されるはずだった基金を確保するため、公共財―特に土地―を頻繁に利用している。それと同時に、資金獲得目的でフラッグシップキャリアであるターキッシュ・エアラインや郵便事業をも利用している」と述べた。イナン・デミル氏はこの点について、「トルコの経常収支は多くないし、天然資源もない。こういった国が資産ファンドを持つのは異例だ」とのコメントを寄せた。

この記事では、トルコでの、信用格付け機関に対する「お前は何様だ?」発言の影響にも言及し、そうした発言は投資家を怯えさせているとコメントした。フィデリティ・インターナショナル社の専門家は、各信用格付機関がそうした形で問い詰められたことは、「国家のリーダーが現実を無視している」という点で懸念を生むとして、「数字は嘘をつかない。現状は投資家に、トルコ当局が不安定さを把握していないという印象を与えている」と述べた。

Foreign Policy誌は、「信用格付機関に対するエルドアン大統領の敵意と、トルコの経済不安が外国勢力のせいだとする陰謀論の波の背後には、皮肉にも、トルコの目を見張る成長に資金を提供しながら、現在は懸念を抱いているグローバル投資家への怒りがある」と掲載された。

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(翻訳者:原田星来)
(記事ID:44842)