Abdulkadir Selvi コラム:新政府システム草案
2018年05月28日付 Hurriyet 紙

タイイプ・エルドアン大統領は、選挙演説をエルズルムから始め、イスタンブルで完了させる予定だ。

エルズルムでの注目により上機嫌で戻ったエルドアン大統領は、最終週をイスタンブルに充てる予定である。イスタンブルの区毎、地区毎に回って演説を行う予定である。「イスタンブルを失うものは、トルコを失う」とはエルドアンの言葉である。しかし、同時に「イスタンブルで勝ったものは、トルコでも勝つ」という姿勢を生んだのも彼である。

エルドアンは選挙遊説が始まると、一方ではライバルとの論争を始める。他の大統領候補の弱点を見つけるとそれを利用することに躊躇いがないのは明白である。しかし、[共和人民党の大統領候補]ムハレム・インジェを他の候補者より強く標的にするだろうことは、明らかである。国産車プロジェクトを停止させるというインジェの発言に対してエルズルムで回答した。エルドアンは選挙戦術として公正発展党と共和人民党の二極化を作り出している。

野党の選挙公約に目を通し、大統領候補者が明らかにしたマニフェストを分析した。野党の公約は2つの点に集約される。

1.巨大プロジェクトの凍結
2.新たに過去の議会制度の提案

アンカラ・シヴァス間の高速鉄道、あるいは、チャナッカレ橋、イスタンブル運河計画に反対している。公共事業の凍結を公約している。国民は公共事業を凍結する者ではなく、よりいい事業に行う候補者に票を入れる。公共事業とは雇用の創出のことである。公共事業とは成長するということである。

チャナッカレの有権者が3月18日チャナッカレ橋の凍結をする候補者に、シヴァスの有権者が高速鉄道を反対する候補者に、イスタンブルの有権者がイスタンブル運河を凍結して国産車の研究を棚上げを公約する候補者にどうして投票するだろうか。国民は公共事業に反対する者を好まない。

反対に社会をエルドアンよりいかに良くしていくかを説得する必要があるのではないか。私は、政治記者を故デミレルや故オザルを見て始めた。二人とも公共事業、発展、雇用の拡大、中産層の発展を約束してきた。そのようにして選挙に勝利してきた。エルドアンは、12回も選挙をこのように勝利してきたのではなかったか。左派は、長年、ボアズィチ大橋やケバン・ダムに反対していたため敗れてきたのではないか。「否定論者」と言われなかったか。そんなことは言っていないと言わないでほしい。ライバル候補者達がこの考えでいるならば、エルドアンはそこからより大きな利益を引き出す。

■新しい制度の特徴

私たちは選挙に焦点を当ててきたが、6月24日の後、新しい制度に移行することはご存じだろう。大統領就任者が政府を作るのである。公正発展党で新制度に向けた準備が行われている。実務能力が高く、テクノラート的特色を大いに備えた内閣が想定されている。政治は、大統領に委ねられる。

選挙後に実態が判明するので、この作業を現段階では草案といえよう。骨子を成す新制度に関し情報を提供したい。

制度の頂点には大統領がいる。国家情報局、参謀本部、防衛産業部門は、大統領府の管轄となる。大統領を4つの機関が補助する。

1.企画・執行庁
2.観光促進庁
3.宗務庁
4.上級委員会

■14+4のシステム

大統領政府システムでは14の省が計画されている。一部の省は名前が変更され、一部は統合される。

1.法務省
2.EU・外務省
3.内務省
4.防衛省
5.国民教育文化・スポーツ省
6.保健省
7.家庭青少年・社会保険省
8.学術研究・科学技術事業省
9.エネルギー政策省
10.国庫・財務省(外国貿易政策組織と関税局はここの管轄になる)
11.産業貿易労働省
12.農林環境省
13.運輸海事通信省
14.地方行政・都市省

もう一度言おう。これらはまだ草案である。明らかになっているのは、省の数が減ることである。制度は一面でイギリスを想起させる。もちろんそこに北アイルランド、スコッランド、ウェールズの省をそれぞれ持っていれば。

単に省が統合されるにとどまらない。新制度では、大臣は、国会議員から選出されないため、民間部門、大学、社会の別の層から能力と資格に応じて大臣になることができる。つまり6月24日の後、新しい制度が施行される。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:44844 )