ロシア、イドリブを爆撃
2018年09月04日付 Hurriyet 紙


ロシア軍戦闘機が22日の間を経て、シリアのイドリブ県を空爆した。シリア軍も上空と地上からイドリブを攻撃し、ロシア政府(クレムリン)は空爆後に会見をおこなった。トルコに隣接するイドリブは、軍事的・政治的観点から戦略上非常に重要なところだ。

ロイター通信の情報によれば、シリア人権監視団の職員が、ロシア軍戦闘機が22日ぶりにシリアのイドリブを爆撃したと報告した。

反体制派の声明によると、フメイミム空軍基地から離陸した3機のロシア軍戦闘機がこれまでに20回の攻撃をおこなった。

複数の情報源によれば、これらの攻撃では、ロシア軍戦闘機がイドリブ県西部のジスル・シュグール市、ビセンクル(Bisenkul)、ガーニ(Gani)、イネブ(İnneb)、スルマニヤ(Sirmaniyah)の村々、ハマー県北部のザイズン地方で民間人の居住区と反体制派の前線を攻撃したという。

■シリア軍も攻撃開始

シリア軍もイドリブを空爆している。アサド政権に属するシリア軍は、イドリブを砲撃の対象としている。

■トルコでも爆音が聞かれる

シリアのイドリブ県で目標を攻撃するロシア軍戦闘機の爆音は、トルコのハタイ県レイハンル郡とヤイラダー郡の村々でも聞こえた。

高所に位置する国境の村々からは、投下された爆弾による粉塵の雲がみられた。シリアの現地情報によれば、この空爆で死傷者がいるという。

■攻撃後、初のロシア会見

空爆後にロシア政府の会見が行われ、「過激派戦闘員がシリアの平和と我々の基地を脅かしており、イドリブはテロの巣と化した。ロシア、トルコ、イランがテヘランに集う首脳会談では、シリアの最新情勢が主要議題となるだろう。トランプ米大統領のイドリブに関連する声明は、この街の問題解決に資するものではない」と述べた。

■米国の声明

米国のジョゼフ・ダンフォード統合参謀本部議長は、イドリブ空爆に関して、「イドリブで大きな軍事作戦が行われるならば、これは人々にとって災厄となるだろう。我々の共通する考えは、こうした状態にならないようすることだ」と語った。

■国連:ジュネーブが運命の瞬間

国連のシリア問題特使スタファン・デ・ミストゥラ氏は、トルコ、ロシア、イランの代表団がスイスのジュネーブで9月10-11日に行う会合が、シリアの政治プロセス関する「運命の瞬間」となるだろうと述べた。

■イドリブには400万の民間人

イドリブ県は、北が(トルコ領の)ハタイ県レイハンル郡、西がヤイラダー、ギュヴェッチに隣接している。この地域は、戦闘が勃発した2011年にはトルコへ初めての難民が流入し、そして、もっとも多くの外国戦闘員がシリアへ通過した場所だった。

国連は先日、イドリブの民間人の状況に関する懸念を表明した。国際世論は、新たな難民の波が発生する懸念をあらゆる機会に表明している。

■トルコ国境で対策強化

イドリブへの軍事介入に対し、トルコ国軍(TSK)は国境線における安全対策を強化した。各都市から兵を集め、軍の部隊を増強した国境線には、近代化されたM-60 戦車も配備されている。警戒中のトルコ国軍は、イドリブに隣接するハタイの国境線に多数の地域から軍用車両と人員を補強している。

■トランプ米大統領がイドリブについてツイート

米国のドナルド・トランプ大統領は、シリアとその同盟国のロシアとイランに強く警告した。ツイッターアカウントで、米大統領はシリアについて発信し、ダマスカス(アサド)政権によるイドリブへの「思慮無き」攻撃をやめるよう求めた。トランプ大統領はモスクワとテヘランの首脳にも警告し、人道的危機が起きることを許可してはならないと述べた。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:45326 )