イスタンブル第三空港工事ストで逮捕の労働者家族「AKPを支持してきたのに」
2018年09月19日付 Cumhuriyet 紙


第3空港工事に関して労働条件改善のためのストを起こし、逮捕された24人について供述の一部が明らかとなった。供述では工事現場での労働状況も判明した。逮捕された労働者のセラミ・サルボーアさんの父親であるヴェフビ・サルボーアさんは、「私は公正発展党(AKP)の党員であり、 我々家族も結党以来AKPに投票してきた。もしストライキが犯罪になるのだとしたら、この国に正義はない」と発言した。

AKP政権が、第3空港を威信をかけたプロジェクトにしたことを契機に、空港の建設労働者がストを起こしたことで諸々の事実が明らかになった。

人間的とは思えない条件で雇用されている労働者たちは、南京虫のわく部屋を清潔にし、作業時の安全の確保と劣悪な人権状況を改善するために約1週間のストライキを行っている。

だが政権与党は、労働者の声に耳を傾ける代わりに、警察と軍警察を遣ってストを行っている労働者を制圧し、何人かを拘束し、最終的に24人を逮捕させ、拘置所へ送致させた。

しかし、労働者らが法廷で行った供述は数々のドラマをもたらしている。これらのうちの1人に21歳のラマザン・ギョゼルさんがいる。

ギョゼルさんは、供述の中で、いとこが工事の足場がなく高いところから落下し、自身も同じような目にあったが、救急車は来ず、治療費も支払われなかった、と語った。

ギョゼルさんは供述の中で「私は、いとこのジハン・サルブラクとともに工事現場で働いていた。現場には足場がなく、はしごを使って作業をしている。床も滑りやすく、いとこは3メートルの高さから落下し、臀部を怪我した。19日間の治療に関する診断書がでて、これは給料から差し引かれた。同じようなことが私にもあったが、別の死傷者のある事故のために救急車は来ず、上司も治療のために車を出すことはしなかった」と語った。

アドゥヤマン出身の22歳のハサン・チェティンさんは、供述によると、南京虫にかまれて不快感を訴え、咳が止まらなくなった。チェティンさんは「私は治療を願い出たが認められなかった」と証言し、「我々は1日に2回の食事しかなく、水ですら少量しか与えられない」と続けた。

労働者の弁護士ジハト・カヴト氏は、学生を本業とする労働者がおり、がんを患う父親のために夏季休暇を使って工事現場で働きに来ていると述べた。カヴト弁護士は「法律のほころびがある場所であっても、逮捕はできない」と述べたが、すべての労働者が逮捕、送致された。

■逮捕された労働者の父親:「この国に正義はない!」

逮捕された第3空港労働者のセラミ・サルボーアさんの父親であるヴェフビ・サルボーアさんは、我々家族は結党以来ずっとAKPに投票しており、ヴェフビさん自身もAKP地区組織で代表を務めてきたと話し、今回の逮捕について次のように話した。

「刑事逮捕される場合はそこで働くすべての労働者も逮捕されるのが道理である。また、ストライキが犯罪とされるなら、この国に正義はない。私はアルダハンで2頭所有する牛のうち1頭を売るためにここに来た。暮らしをたてようと努める私の子どもを逮捕、投獄した。これは不公正である。私たちは今ショックを受けている。私の子どもは犯罪を働こうと考えていたわけではなかったのに。判事の決定と息子の供述をみているが、犯罪の証拠は何もない。この国でのこのような扱いは、 我々にとって大きな不公正である。私はAKPの党員であり、私の家族も結党以来ずっとAKPに投票してきた。党に対しても奉仕し、現在アルダハンのギョレ郡で党代表を務めている。私は子どもができるだけ早く自由になることを願っている。ストライキを行うことで逮捕されることは、トルコにとって『恥』とみなしている。」

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( 翻訳者:本岡篤也 )
( 記事ID:45404 )