高原ロード阻止の訴えへ、裁判所沈黙
2018年09月20日付 Cumhuriyet紙


黒海地方の8県の高原地帯を繋げる「緑の道」プロジェクトに反対して開かれている裁判で、サミスタル高原に作業用機械が持ち込まれているにもかかわらず、判決はまだ下されていない。

黒海地方の8県の高原地帯を繋げる総延長2600kmの「緑の道」プロジェクトに対し、自然環境の構造を守る目的で地元住民が数か月の間闘争を続けている。同プロジェクトに対する告訴では、昨日最終審理が行われた。弁護士は、ブルドーザーがサミスタル高原に持ち込まれていること、この道路建設は違法であること、直ちに工事差し止めの命令が下される必要があったと主張したが、裁判所は沈黙を貫いた。裁判所の最終決定にはひと月以内に下される予定だ。この裁判で争っている地元住民と弁護士は、プロジェクトにおけるユカル・カヴロン高原とサミスタル高原の間の区間8kmについても建設に反対する裁判審理に入った。

■「我々の子供たちに遺産を」

リゼ行政裁判所での裁判については、昨日朝早くに最終審理が行われた。審理で話したヤクプ・オクムシュオール弁護士は、道路建設が違法であり、プロジェクトの環境影響評価や保護地域計画がないことを強調したうえで「この問題についてはすぐに決定が下されるべきだ。建設工事はまだ続いており、先日ブルドーザーがサミスタル高原に持ち込まれた。建設計画のうち2500mの部分に関して、裁判所の決定が待たれている」と述べた。オズカン・ユジェル弁護士も、政治的な決定が司法に介入していると述べたうえで「道路建設は裁判所の決定を待たずに続けられている。この裁判は、安易に自然を犠牲にする人々に対して開かれたものだ。この自然は、我々の子供たちに残すべき遺産だ。あなたたちも、この遺産を子供たちに残したいならば、すぐに工事の中断命令を出す必要がある。重要な裁判はサミスタルのものだ」と述べた。

イブラヒム・デミルジ弁護士も、自然を保護する公共事業の計画がないことを指摘し、すぐに工事中断の命令が出される必要があると強調した。一方環境都市整備省の責任者は、有識者による報告書は信憑性に欠けるとして告訴を取り下げる必要があると主張している。裁判所は建設中止の命令を下すことなく審理を終えた。審理を傍聴した地元住民は「ブルドーザーが作業している」と述べるなどの反応を示した。裁判所の最終決定はひと月以内に明らかにされる予定だ。

■他の告訴へ

地元住民と弁護士は、「緑の道」に関する裁判審理に続いて、午後には2015年9月9日にユカル・カヴロン高原で反対を唱えながら作業機械を停止させようとし「職務の自由を妨害」した罪に関する裁判に出席した。この裁判では、65歳のハリト・ムフテュオールさんとイェリズ・エルタンチさんが被告人とされている。この裁判審理は臨時裁判官であることを理由に12月まで延長された。

閉廷の際に、チャムルヘムシン出身のムフテュオールさんは我々ジュムフリイェト紙の取材に応じ、違法なことは何もしていないとしたうえで「人権を追求することや、ブルドーザーの使用許可があるかないかを問うのは罪なのか」と疑問を呈した。エルタンチさんも「高原や保護地区を守ろうとしたために裁判にかけられている」と話した。同じ裁判にかけられているタイフン・ベカルさんは「今日は悪い日でした。正当である私たちが裁判にかけられています。終わりが見えない裁判だ。明らかに、司法には圧力がかけられている。裁判は2015年から続いている。国立公園で、ブルドーザーの使用許可があるかを問うただけなのだ。ここで掘削工事がなされるべきではない」と語った

■「道の名前は緑ではなく灰色であるべき」

「緑の道」プロジェクトの中止に向けた裁判の最終審理では、CHP(共和人民党)の国会議員も傍聴していた。イスタンブル選出のCHP所属、メフメト・ベキャルオール議員は「私は自らの人生を、人権と自然環境の保護に費やしてきた。法がこれほど軽視され、裁判においてこれほどの圧力がかけられ、人権と環境の保護に向けて戦う人々がこれほど悲観的にならねばならない時代を私は経験したことがない。このような状況で「緑の道」裁判が行われている。どうか工事の中止命令が出るよう。地元住民が示しているように、裁判所で公正を見出せない人々はブルドーザーの前に繰り出し、彼らの権利を求めるだろう」と述べた。

トラブゾン選出のCHP所属、アフメト・カヤ議員は「この道の背後には何トンもの岩、地面、掘削された穴が置き去りにされ、自然は破壊され、人々の生活領域にも影響が及んでいる。このような道路の名前は「緑の道」ではない。私に言わせれば「灰色の道」であるべきだ。即座にこの道路の建設工事を中止するべきだが、権利と法に反したこの道路の建設は続けられている。高原や草原を守るために戦った人々が裁判にかけられている。これはすべての人々にとって恥ずべき問題だ。すべての高原の道路について、その建設の目的が道路を通すことならば、既存の道路を改修すればよい。明らかに、その目的は道路を通すことではない。人々を生活領域から遠ざけるためであり、金のためであり、工事のためであり、そして恐らくは将来の鉱山開発に向けたインフラ整備のためであろう」と述べた。

■工事再開

地元住民は、リゼ県チャムルヘムシンのアイデル、アシャウカヴロン、ユカル・カヴロン、サミスタルの各高原の間を結び冬季スポーツセンターに至る新道開通ならびに道幅拡張プロジェクトへの許可と、東黒海地方観光マスタープランで言及されている「観光ルート」としてサミスタル高原とユカル・カヴロン高原の間を結ぶ全長およそ8.5㎞の道路の建設とに反対する告訴を行った。地元住民は、問題となっている高原が自然保護エリアであり、またカチカル国立自然公園内にあると主張し、道路の完成を求める観光業界の要求に対し、道路建設計画が高原の自然を破壊し周辺を汚染する可能性があると述べた。地元住民は、建設が進められている道路によって草原が分断されると主張し、これによって野生生物が被害を受けるとも述べた。告訴状には有識者の報告も記されている。有識者は、森林の淵にある草原が環境の観点で重要だと強調したうえで、草原のエコシステムが正常であることで山の土壌や水源が保証されると述べ、道路建設を中止する必要があると主張した。しかし、「緑の道」プロジェクトは6月1日に再開された。

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(翻訳者:神谷亮平)
(記事ID:45409)