Abdulkadir Selvi コラム:エルドアン大統領、アメリカ投資家との会合の舞台裏
2018年09月24日付 Hurriyet 紙

■エルドアン大統領は、国連総会のためにアメリカに

エルドアン大統領の予定にトランプ大統領との会談は計画されていない。しかし、エルドアンは、アメリカに出発する前に「アメリカ側から要請があれば検討する。現在は検討してはいない」と話して扉は開けたままにしておいた。国連の会議中あるいは会食中に両首脳の間に接触があったとしても驚きはない。両国間で生じた緊張関係の後には対話が必要である。しかも、いつも以上にである。エルドアンがアメリカ滞在後のドイツ滞在も同じくらい重要である。ドイツ訪問はEUとの関係の点から大きな重要性を帯びている。

諸国との関係発展と危機の解決に際し、経済は最も重要なツールの一つである。ロシア軍用機墜落事故後に発生した緊張関係の解決において実業家チャヴィト・チャーラルが果たした役割に私は着目したい。議事進行をアリ・ヤルチュンダーが務めたトルコ・アメリカ実業家会議で行われたプログラムでは、アメリカの投資家と集うことが重要と感じている。「大統領がここで発信したメッセージをアメリカでさらに強く発信する予定だ」と述られたので、エルドアン大統領が9月19日に大統領府でアメリカの諸会社とトルコの代表者たちと行った会議の舞台裏を共有したい。

■エルドアンの保証

会議にはマイクロソフト、シティバンク、グーグル、アマゾン、フィリップモリス、ボーイング、ペプシコーラ、コカコーラ、IBMといった世界規模の企業の代表者が参加した。30もの大企業の代表者が参加した会議は、トルコ・アメリカの両国関係における冷え込みとは正反対の良好な関係で行われた。エルドアン大統領が会議に期限を設定せず、会社の代表者たちひとりひとりに言葉をかけ、会議の冒頭で質問が予想された大部分の問いに返答したことは、参加者たちを安堵させた。エルドアン大統領は、「アメリカとの問題が実業界において否定的な影響を与えることを望んでいない」と挨拶を始めた。そして、「自由市場の諸原則について譲歩はしない」と述べて挨拶を締めた。

3時間続いた会議の間、大統領は発言を一言、一言を記録し、注意をそらさない。参加者達は「あなたは、会話の全てを注意深く聞いて記録をとっている。今日、この会議はあなたにとって何回目の会議なのか。どうして、これほどしゃんとしていられるのか。どんなやり方で」と質問した。エルドアン大統領は、「あなた方の熱気が私たちを支えている」と回答した。エルドアン大統領は、声をかけた会社の代表者達にトルコでの活動分野と経済規模について情報提供を要望した後、「トルコでの投資をどのように増やすことができるか。これについて私たちは何ができるか」と質問した。

エルドアン大統領は、会議の最後に会社の代表者たちにとても重要な信頼を与えた。「ご自分の国にいるかのように感じてください。あなた方が困難状況に陥った時、私はここにいる」と述べた。これを受けてアメリカの投資家たちは、「他国で外国人投資家に対してこのような環境を準備してくれるとは考えていなかった。私たちはとても幸運です」と話した。 会議参加者達は会議で発せられたメッセージを肯定的に本社に伝えると述べた。またトルコとの関係を正常化するためにアメリカ商工会議所の協力をうけ、市民組織でも働きかけを行うとも述べた。

■エルドアンのブラウンソン事件に関するメッセージ

アメリカと生じた問題で表面化したものがブラウンソン牧師の事件である。さて、会談ではブラウンソン事件は話題に上るのか。上らないということがあり得るのか。エルドアン大統領はとても明らかなメッセージを発した。

「私たちを脅迫しても、あなた方は解決策を見出すことはできない。48時間後に釈放しなければ、あれこれするという態度で私たちを屈させはできない。我が国はバナナ共和国ではない」と述べた。しかし、危機の裏にある気持ちを反映した次の言葉が重要であると考えている。 「しかし、わたしたちは危機の張本人ではない。解決をしたい。しかし、このやり方ではない。」

エルドアン大統領は解決を望んでいると強調する中、解決の道筋を示したと私は考えている。大統領は、「このやり方ではない」と述べた。ブラウンソン危機が始まった時にトランプの脅迫を受けて、「アメリカはこの危機の解決を望んでいない。彼らが解決を望むならば、このようなやり方は使わない」と私たちは述べた。しかし、注意するならば、アメリカは一定期間声明を発していない。方法を変えた。そのため、10月12日のブラウンソン裁判を新たなメッセージのもと見つめるのが良かろう。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:45425 )