エルドアン・メルケル共同記者会見ー新たな関係へ
2018年09月29日付 Hurriyet紙


タイイプ・エルドアン大統領はドイツへの国家訪問の一環としてメルケル首相と会見し、共同記者会見では両国の関係性の活性化に向けてメッセージを発信した。エルドアン大統領は、「メルケル首相との会見では、暫くの間中断していた共同事業の仕組みについて実行することで合意に達した」と述べ、ビザ自由化については残りの6つの条件ができる限り早く達成される予定であると発表した。

タイイプ・エルドアン大統領はドイツでの3日間にわたる国家訪問の一環として、昨日ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイアー大統領と会見した。ベルビュー宮殿でシュタインマイアー大統領と一対一、その後代表団も交えて会談を行ったエルドアン大統領は、その後ドイツのアンゲラ・メルケル首相との会見のため首相府へと向かった。12時半にメルケル首相からの歓迎を受けたエルドアン大統領はそのまま同首相と会見を行い、1時間を予定していた会見は1時間半続いた。エルドアン大統領とメルケル首相は、14時から共同記者会見のため記者団の前に立った。

エルドアン大統領は記者会見において、以下のように述べた。「われわれは、相互に高いレベルでの国家訪問によって得たこの関係発展の機運を維持し、且つより一層強化していくことで合意した。メルケル首相との会談では、暫くの間中断していた共同事業の仕組みについて実行していくことで合意に達した。」

■われわれの国は改革の道に入った

エルドアン大統領はトルコの欧州へのビザ自由化に関し、残す6つの条件に対して以下のように発言した。「大統領制への移行により、われわれの国は改革と進化の時を迎えている。改革の実行グループは、この件に関して必要なステップを歩み始めたところだ。ビザ自由化に関しては、残す6つの条件をできる限り早く達成できるよう計画している。ビザ自由化の確保と関税同盟の強化を開始すること、そして加盟交渉を活性化させることは、トルコと欧州連合両方にとって利益となるだろう。」

■難民問題

トルコがシリア危機を始めとする地域問題において重大な責任を引き受けていると話したエルドアン大統領は、「隣国のシリアで7年間も続き、100万人もの犠牲者を出しているこの迫害が、われわれは一刻も早く解決されることを望んでいる。この点において、われわれはドイツと同じようなアプローチをとっている」と発言した。エルドアン大統領は、現時点までに350万人の難民をトルコへ迎え入れたと述べ、さらに以下のように続けた。

「私はこの場で、ドイツが『シリア』問題のとりわけ人道的な部分を照らしてくれたことに喜びを感じていると伝えたい。トルコとドイツは、難民危機が深刻な時期にも責任を引き受け、甚大な犠牲を払うことでこのプロセスを緩和させた。増加する保護主義貿易の傾向のバランスをとるため、規則や基本的な制度を支持する点において、われわれはドイツと共通の立場にある。」

■メルケル首相「トルコの安定が重要」

ドイツのアンゲラ・メルケル首相はエルドアン大統領と行った会談において、テロを始めとしシリアやイドリブ問題、移民問題、ドイツにおけるトルコ人、報道の自由、トルコで身柄を拘留されているドイツ人、そしてトルコのEU加盟交渉といった重要なテーマが議題に上ったことを明らかにした。メルケル首相は共同記者会見において、エルドアン大統領の訪独を共同事業や議論すべき議題について会談するための「チャンス」と表現した。さらに、メルケル首相は次のように続けた。「われわれを結びつけるものは非常に多い。ドイツとトルコは、何十年もの間非常に親密な関係性を保ってきた。われわれは同じNATOの同盟国だ。われわれには共通の関心事が多くある。テロリズムとの戦いやシリアの現状、あるいは移民問題などがこれにあたると考えてほしい。われわれの関係性は、同時にドイツで暮らす何百万ものトルコ市民らにも影響を及ぼすことになる。全体としては、良好な関係性を築くために共通の戦略的関心を持っている。しかしその一方で、民主的で自由且つオープンな社会がいかなるものかという問いについては、深い誤解と異なる見解がある。」

■10月に4カ国によるイドリブ訪問

メルケル首相は、安定的なトルコがドイツにとって非常に重要であると強く述べ、シリア問題について10月にトルコ、ドイツ、フランス、ロシアの4カ国会議で再び集結し、当該地域に関わる取り組みを進めていく予定であると伝えた。ドイツ首相府が記者会見のために認証評価を行い、トルコで国家諜報機構(MİT)の大型トレーラー(TIR)報道に関する裁判で有罪判決を受けたジャン・デュンダル氏が会議に参加しない件については、メルケル首相は「不参加の決定は彼自身によるものだ」と述べた。

■デモ活動家への介入

エルドアン大統領とメルケル首相の共同記者会見の最中、「記者らへ自由を」と書かれたTシャツを着たトルコ人記者を、警備員らが会見場から締め出した。シュテフェン・ザイバート政府広報室長は、規則に反する行動をとった人物を記者会見場から締め出したことは正当な行為であったと発表した。ザイバート政府広報室長は自身のツイッターアカウントにおいて、「われわれは首相府として、記者会見場にドイツ議会におけるルールを適用している。それが正当なものか不当なものかにかかわらず、政治的なデモンストレーションは禁止されている」とツイートした。

■ドイツ政府へ警告「FETÖをテロ組織と認定すべき」

共同記者会見において、ドイツがギュレン派(FETÖ)をテロ組織として認定すべきであると改めて警告をしたエルドアン大統領は、ドイツ国内のテロ組織メンバーの引き渡しについてどのような問題が議論されているのかという質問に対し、同じくテロ組織であるPKKの何千人ものメンバーや、何百人に及ぶFETÖのメンバーがドイツに滞在していると発言した。

エルドアン大統領は、さらに以下のように続けた。「トルコの諜報機関だけでなく、ドイツの諜報機関も、各省庁の共同の取り組みにより、そして互いへの信用により、どこで誰の身柄を拘留しようが、その人物を引き渡すことで仕事は簡易化される。PKKをテロ組織と認定し、且つそのことを表明しているドイツにとって、この(引き渡し請求に応じる)こと以上に容易なことなど有りえない。」また、エンヴェル・アルタイル氏の身柄拘留について質問を受けた同大統領は、「それについては認めざるをえない。私にはドイツの法制度、あるいは司法機関を批判する権利がないように、みなさんにもトルコの司法制度を批判する権利などありません」とコメントした。

■より多くの証拠

こうしたエルドアン大統領の見解を受け、メルケル首相はクーデーター未遂事件を厳しく非難した一方で、FETÖをPKKやそれに類する形でテロ組織と認定するには、より多くの証拠が必要であると述べた。エルドアン大統領は訪独前、あるドイツ人記者へ向けて執筆した記事において、ドイツに対してFETÖをPKK同様に「テロ組織」と認定するよう要請していた。

■「トルコ司法に則るとスパイである」

エルドアン大統領は記者会見の中で、ドイツにいるジュムフリエト紙のジャン・デュンダル元編集長に関する質問に返答する際、次のように見解を述べた。「トルコの司法機関に委ねられるべき人物は、そもそも身柄を拘留されずとも審議されるべくしてすでに委ねられている。さらに言えば、全く必要性がない人物であっても、その人物の名前は言えないが、委ねられるべきであれば委ねられているものだ。しかし、先程質問のあった人物にいたっては、まずジャン・デュンダル氏がスパイであること、国家機密を暴露しようとしている人物であること、そして懲役5年10ヶ月の有罪判決を受けていることは、みなさんおそらくご存知でしょう。懲役5年10ヶ月の判決を受けた人物が、(服役までの)空白期間をチャンスと知って逃亡し、ドイツまで逃げてきたのだ。現時点でこの人物は、トルコ司法に則ると有罪判決を受けた罪人であり、5年10ヶ月の懲役が課されているスパイだ。国家機密を暴露したのだから。」

■身柄送還を請求

一方でジャン・デュンダル氏が行った記者会見では、「私はスパイではない。エルドアン大統領が私をスパイであると断じる証拠が事実なら、私はこの職業を辞するのもいとわない」とコメントした。この間に南ドイツ新聞が報じたニュースによると、トルコはドイツ外務省に対し、翌月曜日に在ドイツトルコ領事館の公用車を使ってデュンダル氏の身柄をトルコへ送還するよう請求した。報道によれば、デュンダル氏の「トルコに対しスパイ活動を行った」罪による身柄の拘留、及びトルコへの送還が公式にドイツへ請求されたという。

■ノイエ・ヴァッヘを訪問

タイイプ・エルドアン大統領は、ベルリン視察の一環として戦争犠牲者らのために建築されたノイエ・ヴァッヘを訪問し、献花を行った。

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(翻訳者:指宿美穂)
(記事ID:45453)