シリア:拉致被害者女性ら解放へ向けた「取引」
2018年10月19日付 al-Hayat 紙

■シリア政府とダーイシュとの間で行われた「取引」によって、スワイダーの拉致被害者女性らが解放か

【ロンドン:本紙】

テロ組織ダーイシュによって(シリア南部)スワイダー県で女性らが拉致されてから約3か月が経過した。シリア人権監視団は、一両日中に女性らは解放される見込みだと発表した。ダーイシュ側とシリア軍及びシリア民主軍(SDF)の側との交換取引の中で9人の拉致被害女性らと16人の子供たちの帰還が実現する。

また、同監視団によるとこの3者間での取引は、スワイダー砂漠沿いのサファー丘陵地帯における政府軍及びその同盟勢力とダーイシュの戦闘員との間での戦闘の停止と時を同じくして実行されるとのことだ。

ロシアの通信社『スプートニク』は治安当局高官の話として、町の名士たちとシリア政府がダーイシュとの間で合意に至ったと伝えた。この合意は収監している17名(のダーイシュ構成員)の釈放と引き換えに、6名の拉致被害者女性の解放を規定したもので、これはダーイシュがシリア政府とSDFとに拘束されている数十名の解放を要求したことを受けての規定だ。加えて当局筋は、この合意にはスワイダー近郊のサファー丘陵での停戦も含まれていると報じた。また、シリア人権監視団は本件に関して「3者間での拉致被害者や逮捕、拘留されている人々の受け渡しを開始するための措置は、この48時間の内には完了する見込みである」と述べた。

先日木曜日(10月18日)には、ロシアの代表団がスワイダーを訪問していた。代表団は「シャイフ・カラーマ軍」の小隊と会談を行い、街の防衛を目的とした部隊の再編と戦闘員らが所持する武器の調整を提案した。

女性らが拉致されてから85日が経過しており、スワイダーでは拉致被害者女性らの解放に向けた期待が広がっている。シリア人権監視団は信頼できる筋からの話として、今後数時間の間にも解放プロセスが開始されるだろうと伝えた。他方、この解放プロセスはドゥルーズ派の長老陣が、拉致被害者らの解放と引き換えにスワイダー県の青年らを戦闘員として動員することや義務兵役に就かせることをロシアに約束しているとも報じている。

今回の危機の発端は今年の7月25日に遡る。この日テロ組織ダーイシュはダラアーから約65kmの距離にある他の地区からスワイダーとその近郊の村々を組織的に奇襲襲撃し、その結果多くの民間人を含む200名以上が犠牲となり、複数の女性らが人質として拘束された。
シリア南西部に位置するスワイダーはドゥルーズ派の大多数が暮らす街であり、以前にも人質の解放のためダーイシュと地元のドルーズ派当局との間で交渉が行われていた。
(後略)

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( 翻訳者:堀嘉隆 )
( 記事ID:45582 )