カッパドキアに迫る危機ー開発
2018年11月02日付 Hurriyet紙


6千万年前に形成された第1級の考古学的自然保護区で、ユネスコ世界遺産リストにも名を連ねるカッパドキアの「妖精の煙突」では、乱開発によって洞窟での不法建設が加速された。ヒュッリイェト紙はアシュク谷やギュヴェルジンリキ、チャヴシン、ギョルクンデレ谷などで高級ホテルやカフェ、ヴィラ、小屋などの建設によって失われつつある歴史遺産を目の当たりにした。

われわれは事件の調査のためにカッパドキアを訪れた。滞在中に話した市民や観光客、店主らは「開発」の現状を次のような言葉で端的に述べた。「開発によって歴史的な洞窟や谷で行われる建設や拡大修復、建設機械の騒音は、歴史的遺産の叫び声のように私たちの耳には響いてきます。明らかにカッパドキアは再建の犠牲となっているのです!」

■存在しない家やホテルの写真

6月8日に施行された法改正により、2018年1月1日以前に建設された開発事業以外の住宅やホテル、カフェ、レストラン、小屋等の所有者は建造物登録証明書の取得のため申請を行わなければならなくなった。
しかし、この法改正により第1級の歴史的・自然的保護区であるオルタヒサルやアヴァノス、ウルギュプ、ウチヒサル、ギョレメ地区を含み、ユネスコ世界遺産リストにも名を連ねる約1万ヘクタールの領域内で、不法建設が急速に増加した。

多くのホテルやカフェ、レストラン、住宅の所有者らが環境都市整備省に自身が建設していない建造物についても申請を行い、証明書を取得した。一方で、不法建設の所有者らは建造物登録証明書で土地を大きく申請し、面積を2~3倍拡大して出していた。財務省管轄の土地を占有する者や、保護区に小屋やブドウ園を作る者までいた。発掘作業はアシュク谷やクルチラル谷でも行われた。

チャヴシンからスタートした地域探訪では、第1級自然保護区であり、チケットなしでも入場できるため何百万人もの観光客が訪れるカッパドキア最大の岩窟教会に隣接するカフェやレストランの建設現場がわれわれを出迎えた。われわれの案内役は、建物内で釘打ちが禁止されていることや、その補正を行う際にも保護委員会から許可を得る必要があることを認知していなかった。

■歴史遺産の中にバギー

特別公園であったオープンスペースが「私有」の駐車場に変えられてしまった場所を通過して旅路を進めていると、砂煙を上げながらバギーがわれわれの前に現れた。「彼らはカッパドキアの頭痛の種だ。イワトカゲ(凝灰岩の岩の隙間に生息するトカゲの一種)のように岩を登っては歴史遺産を傷つけている」と、背後の店主が話していた。自治体の条例によってバギーが通ることのできるルートは明確化されているものの、誰もこの規則には従っていない。

■妖精の煙突はすぐには大きくならない!

当局は開発法の改正が収益源として誤った解釈をされていると発言し、苦情が来た際に必要な措置は行ったこと、1日あたり4~5件の不法建設に関する報告書を作成していると表明した。
われわれが依頼した専門家らは開発がカッパドキアに大きな被害をもたらしていると述べた上で、以下のようにコメントした。「カッパドキアは生きた土地です。妖精の煙突の形成は今でも続いています。クズルチュクル谷には小さな妖精の煙突がありますが、これらは今後何百万年もかけて大きくなり、今ある他の妖精の煙突のようになるでしょう。」

■大臣訪問のため2日間立ち入り禁止

メフメト・エルソイ文化観光相はこの週末、現地調査及びカッパドキア問題の検証を行う予定だ。同相は1時間程度該当地区を見て回る予定であるため、バギーの所有者らには「2日間は谷に近づいてはいけない。大臣は馬で散策予定である」との通達がなされた。道路のすぐ脇には、ウルギュプ自治体が歩道に設置予定の石畳や採掘機等がわれわれの目を引いた。「採掘機の存在は、妖精の煙突がヒルティや建設機械などによって削られているという最大の証拠だ」と市民らは話す。ある者は「敷き詰められる石畳の無慈悲な姿を見てほしい。ここにこれらの石を敷き詰める許可を、一体どうしたら文化財保存委員会は出すことができるのだろう」と問いかけた。

■必要なことをしている

ネヴシェヒル県のイルハミ・アクタシュ知事は、次のように発言した。「この開発事業によって利益を得ている人々に関し、警察や軍警察、環境及び都市計画、国民公園、文化・自然遺産保護委員会は必要な対処を行っている。われわれは検察庁に刑事告発するつもりだ。解体工事には明示されている手続きがあり、地方自治体がこれを実施している。市民が建造物登録証明書を取得することは、ホテルを開業できるという意味にはならないはずだ。こうした条件や検証がちゃんとある。馬農家は迷惑と思われることもあるが、ここは素晴らしい馬文化の国であり、市民は自身の土地内で馬を管理している。バギーや馬たちは、気球が上げられない天気のときに観光客向けの代替案として提供されている。」

■100を超える刑事告発と5年の懲役刑

ムスタファ・ソルマズ県環境都市計画局長は、開発事業が2018年1月1日以前の不法建設も含むと明言するとともに、以下のように述べた。「7月以降、開発とは無関係の100箇所を超える不法建設に対し刑事告発を行ってきた。これら不法建造物の解体は、自治体当局が行う予定だ。紙上での多大な作業も行った。これら建造物の所有者らは、大いに頭を抱えているだろう。今後、検察庁から聴取に呼び出されることになるだろう。建造物登録証明書を取得したとしても、それらは無効とされる。文化財破壊により2年から5年、さらには開発法に違反する行為を行ったことにより6ヶ月から3年の懲役刑を要求する権利に基づき、これら2つの罪状でそれぞれ裁判が開かれる予定だ。自治体はこれら不法建設に対し、解体期間として1ヶ月間の猶予を認めた。しかし、この期間を過ぎても解体が行われなければ、自治体が解体工事を行うこととなる。」

■1985年にユネスコ世界遺産リストに登録

カッパドキアは、6千万年前にエルジェス山やハサン山、ギュッル山らから噴き出した溶岩や火山灰で形成された地層が、雨風によって浸食されたことで表出した土地である。かつてはヒッタイト人らが暮らし、キリスト教徒らにとって最も重要な中心地ともなった場所だ。1985年にはユネスコ世界遺産リストにも登録された。

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(翻訳者:永山明子)
(記事ID:45678)