パレスチナ:アラブ人学生はユダヤ式教育を選ぶ
2018年12月07日付 al-Quds al-Arabi 紙


■教育の質はアイデンティティに勝る

【ハアレツ紙からの転載】

リーマー・アトゥラシュ(17歳)はダブリーヤ村で生まれ育った。彼女が七年生になった時、ナハラルのユダヤ系農業学校で学び始めた。彼女の父親であるムハンマド・アトゥラシュ氏は、「私たちはこの選択には代償が伴いますが、私たちにとっては最良の選択です」と述べた。学費の違いは家族と離れて暮らすことだけではない。ムハンマド氏は、最も難しい問題は転校によって支払う文化的な代償だと語る。「わたしたちは娘を見守ることや、彼女に何がおきているのかも知ることができない。娘は彼女の属するコミュニティとは異なるコミュニティへの扉を開いた。そしてそのことが時折、特定の価値観を犠牲にすることがある。私たちのコミュニティでは許されることと許されないことの明確なルールがある。新しい学校では、コミュニティはより寛大であり、服装や外出、その他(私たちのコミュニティでは)許容されない事項において、明確なルールが存在しない。」

リーマーの隣人であるドゥンヤー・イブラヒーム(13歳)はハドゥーリー(農業)学校で学んでいる。ヤッファにあるユダヤ系の公立学校で、3分の1以上の学生がアラブ人だ。本紙に届いたデータによると、ラムラ、ロッド、ナザレ・イリト、ハイファでは自身の子供にユダヤ式の公教育を受けさせるアラブ人の父親がおり、その数は増加傾向にあるという。クネセト研究情報センターによれば、ここ5年間でユダヤ式教育コースで学ぶアラブ人の学生数は27%増加し、2013年には3300人であったが、今年は4200人に達したとのことだ。なお、このデータには初めから中等教育に相当するイスラエル人・パレスチナ人向けのランゲージスクールや、私立学校に通う学生は含まれていない。また、タウブセンター(Taub Center)により行われた調査によると、この現象は主にここ10年間で勢いを増していることが明らかになった。

(後略)

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( 翻訳者:久保桃歌 )
( 記事ID:45868 )