レバノン:「移住グローバル・コンパクト」採択に際し、バースィール外相が演説
2018年12月11日付 al-Hayat 紙


■バースィール外相はマラケシュで「難民に対する唯一の解決策は、彼らが、大部分が安全なシリアに帰還することである」と述べる

【ベイルート:本紙】

レバノンのジュブラーン・バースィール外相は、「集団避難に対する唯一の解決策は、シリア難民が安全に、尊厳をもって、持続的かつ段階的にシリアに帰還することにある。他の解決策は全て、レバノンの心臓に短剣が突き刺ささっている状況、あなたたちの首元にナイフがつきつけられている状況を変えないだろう」と述べた。

バースィール外相は昨日(12月10日)マラケシュ会議で、「安全で秩序ある正規移住のためのグローバル・コンパクト」に関して語り、以下のように述べた。「シリアは今日、大部分が安全だ。また、シリア人が惨状の中に留まるためではなく、シリアへの帰還を推奨するために、我々が彼らを支援し、彼らに資金を割り当てれば、彼らの大半が帰還を望む。チャンスはある。帰還に結びつかない政治的議題を放棄すべきだ。」

そしてバースィール外相は各国を代表している参加者たちに、「(難民の)避難が原因で極右の台頭に脅かされている、あなたがたの社会の議題について考えて欲しい。1930年代の思想と潮流がヨーロッパに再来し始めた。路上デモの波や複数の選挙が、(難民たちの)避難の波に伴って起きている。あなたたちの中からは誰一人として、次回の会合には残っていないだろう。また、誰も、統合によって成し遂げられた成功を維持できないだろう」と訴えた。

さらにバースィール外相は以下のように強調した。「偉大なレバノンは、他のいかなる国家よりも、人道的である。レバノンは、1951年の難民条約に調印しなかった。なぜならレバノンの憲法は、同国は避難国ではないと明記しているからだ。しかし、レバノンは、パレスチナのハガナー(注1)どもやシリアのテロ集団から逃げてきた者たちを歓迎した。また、レバノン人たちは彼らの家や土地、モスク、教会をシリア難民に開放した。そして、レバノンは負担や損害を単独で負った。レバノンが受けるべき扱いは皆からの尊敬であって、多くの者がレバノン領内で難民の流れを止めようとしているようなものではない。彼らは、難民が政治的解決を待ちながら、自分たちに向かって押し寄せてくるのを恐れているのだ。レバノンは唯一、戦争とその解決のための対価を払っている。」

(後略)

注1:かつて存在したユダヤ人の軍事組織。イスラエル国防軍の基礎となった。

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( 翻訳者:藤木郁理 )
( 記事ID:45908 )