『フィナンシャルタイムズ』 ハサン・ロウハーニー師の完全原文(2)
2018年11月01日付 Hamshahri 紙

 この中で、欧州と米国の関係を混乱に招くもう一つの要素がイランの核合意である。包括的共同作業計画(JCPOA)はイランとヨーロッパ3カ国を含む6カ国との2年以上に及ぶ交渉で成果である。国連安全保障理事会2231号決議であるこの合意は、国際社会の合意のもと全会一致で採択され、国際法の一つとして国連加盟国の署名が必須となるものである。

 残念ながら、アメリカ政府は、国際的諸承諾を無視した空虚な主張を掲げて包括的共同作業計画から脱退し、一方的で偏った制裁をイランとそのほかの国に押し付けた。この措置で、アメリカは実際他の国々に、国連決議2231号を実行しているにも関わらず罰せられるであろうという脅しを掛けている。これは国際決議を嘲り、それを実行する国を強請る以外の何ものでもない。

 包括的共同作業は現代外交の偉大な勝利である。まさにそのために、ヨーロッパは他の国々とともにこの偉業が反故にされないように尽力している。
 
 アメリカの包括的共同作業計画からの脱退後、この計画に留まったすべての国々、特にヨーロッパの国々との有意義な会議が行われた。包括的共同作業計画を支持するこれらの国々の合意は大変貴重である。今必要なことは、ヨーロッパ3国がロシアと中国を加え、アメリカの一方的で偏りのある新たな制裁が発動される前に、アメリカの制裁を補うべき最終的な条約を結び、実行することである。包括的共同作業計画の成果からイラン国民が利益を享受することによってのみ、この歴史的合意が持続するであろう。

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( 翻訳者:H.S. )
( 記事ID:45980 )