イスラエル:ナスルッラー師のインタビューに対するあるイスラエル人知識人の考察(4)
2019年02月01日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ナスルッラー師は「イスラエル人たちは私をメディアのキャンペーンに引きずり込みたかったのだ」と弁明

【ヘブライ語記事からの転載:ジャーキー・フージー】

アヴィヴ・コチャヴィに関する発言はなし

エイゼンコット氏がもはや第21代(イスラエル国防軍)参謀総長の地位にはないにも関わらず、同氏の名が(ナスルッラー師の口から)繰り返し語られるのを我々が耳にしたのは興味深いことだった。そして(現職の)コチャヴィ参謀総長の名前は1度きりしか語られなかった。しかし、同師はコチャヴィ参謀総長に対して最も重要な発言をした。それは、シリアにおけるイスラエルの連続攻撃に対する警告であった。同師は「いつか、恐らく、シリアにおけるイスラエルの攻撃に対しる様々な対処方法を決定する」と述べた。同師の扇動的な演説や直接的な脅迫、そして確固たる自信に「いつか」や「恐らく」(といった言葉が出てくるとは、一体どういうことなのだろうか)?同師が避けているのは、(かつて)記者が同師に「テルアビブを攻撃するのか?」と質問した際に(「ことが起これば、あらゆることが可能になる」と)答えたように、「(シリアにおけるイスラエルの連続)攻撃は、今この時より様々な形で対処されるだろう」と述べることなのだ。

このインタビューは「私はいかなる健康問題にも悩まされていない」という健康に関する声明に始まり、「私は活発に動き回っていたため、体重が落ちたが」その後体重は数キロ増えたという発言で終わった。普段同師はイスラエル(国防)軍、イスラエル国民、そしてレバノン住人の3方向に向けて発言を行っている。また、時々アラブ諸国や欧米の超大国に対して語る。なお、週末の土曜日においては、より規模を小さくして(演説・発信を)行う。そして今回、全ての当事者に向けて「戦争は今のタイミングではない」と述べた。

およそ30年間、ナスルッラー師は全ての機関や国家から嫌われている中東最大の組織を率いている。ユダヤ人やアラブ人、欧米諸国政府はヒズブッラーを嫌っている。もし、あなた方が我々、つまりイスラエルという国家を世界中が敵視していると考えたならば、あなた方は一瞬ハサン・ナスルッラー師になろうと試みただろう。同師はある戦いから姿を現し、あらゆる戦いに彼の姿があった。そして仲間のほとんど、息子までもを道半ばで失った。同師の抵抗は限定的な紛争ではなく、生死をかけた戦争である。(これまで)死が彼を捉えなかったのは、実に驚くべきことである。

「数週間前、私は60歳になった」とナスルッラー師はインタビューの冒頭で述べた。ここ数年で彼には孫ができた。もし、同師が他の戦いへ出陣せざるを得ないとしても、同師は何を成すべきか分かっている。しかし、ヒズブッラーの指導者は『マヤーディーン』チャンネルとのインタビューで、「火と硫黄(注:旧約聖書においてソドムとゴムラが火と硫黄によって滅ぼされたことから、地獄の責め苦、天罰の象徴として用いられる)」を探し求めなかった。ナスルッラー師は平和に故郷に帰りたかったのだ。

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( 翻訳者:片居木周平 )
( 記事ID:46263 )