トルコ軍、イドリブで巡回へ
2019年03月12日付 Hurriyet 紙


先週の金曜日(3月8日)、イドリブである重大なことが初めて行われた。約1年間同地で活動しているトルコ軍(TSK)の監視地点にいる部隊から構成された一団が、初めて装甲車による巡回任務をイドリブで行った。

アナトリア通信社(AA)の報道によると、巡回は、アレッポから25キロメートルほど南のアル・ハデル郡にあるテル・エイス村で、TSKの第6番監視地点からスタートした。トルコ国旗を掲げた装甲車は、隊員を乗せて南方に出発し、まず20キロメートル離れたセラキブ郡のテル・トゥカン村の第7番監視地点に到着した。一団は、25キロメートル南下を続け、マアッラト・アン・ヌウマーン郡にあるスルマン村の第8番監視地点で巡回を終了した。

トルコ軍部隊はこの任務で、イドリブの非武装地帯内の計45キロメートルのラインを、国旗を掲げて巡回したこととなった。このラインの北方にある地帯は、アル・カイーダ系のタフリール・アル・シャーム(HTŞ)の支配下にあり、南方の地帯は、反HTŞの国民解放戦線に属するグループの勢力下にあるということを示しておこう。

ところで、フルスィ・アカル国防相は同日AAに対して発表を行った。トルコ軍部隊が当該任務に当たっていたのと同時に、イドリブの外側にある非武装地帯の境界沿いでロシアの軍隊も巡回を開始した。

トルコとロシアの軍隊で調整された巡回活動は、2018年9月17日にレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の間で締結されたソチ協定の最も重要な要素の一つであった。協定の第7条項では、「トルコ軍とロシア連邦軍に属する軍警察は、非武装地帯の境界沿いにおいて、調整された形で巡回任務を行い、無人航空機による監視を行うこと」が予め定められていた。

これまで協定のこの条項は全く実現されなかった。巡回活動は、ほぼ6ヵ月近くの期間が経った先週金曜日、ようやく開始に至った。

アカル国防相の発表で、イドリブとアフリーンの領空の使用に関する「いくつかの脅威」もまた金曜日(3月8日)の時点でロシアによって取り除かれたと分かった。これにより、トルコがイドリブとアフリーンの領空で広く活動の自由を得たものと私たちは理解している。この自由が表しているのは、TSKがイドリブで上空からより効果的な監視・諜報活動を行えるようになるということだ。

ソチ協定のこの条項が機能したのは、1ヵ月前の2月14日にソチで行われ、トルコ・イラン・ロシアの大統領が参加した第4回アスタナ・サミットで決定した共通合意の延長として実現したものである。

アカル国防相の発言によれば、ロシアのセルゲイ・ショイグ防衛相との間で進められた会談のもと、3月3日・4日に、トルコとロシアの間で「新たな条文」が締結された。ただ、この条文に関する詳細な情報は発表されなかった。しかし「条文」には、今後イドリブで従うべき行動規準やソチ協定の適用に関する詳細が規定されると推測できる。

ここで注目されるのが、巡回の翌日にロシア空軍がイドリブ西部のジスル・アッシュグール町周辺で目標に向けて爆撃を行ったことに関する報道があったことだ。しかしながら、ロシア防衛省は、この報道を遅れて否定した。

いずれにしても、イドリブに関する具体的な行動が実行されていることを示す多くの証拠が論点となっている。おそらく、今後についての最も重要な手がかりは、ロシアのワシーリー・ネベンジャ国連大使が、国連安全保障理事会で2月26日に行ったスピーチ中のある言葉から窺える。

イドリブで「現状を維持するとの呼びかけは、テロリストの役にしか立たない」と述べたネベンジャ国連大使は、次のように続けた。「私たちは、テロリストが人民を脅かす前に、トルコ・イランの仲間とともに闘うことができる方法を考えようと努めている。」 

ネベンジャ国連大使は国連安全保障理事会で、イドリブで人民とアル・カイーダ系のHTŞとを区別してテロと闘う戦略を実行すると報告した。

アカル国防相がトルコとロシアの間で3月3日・4日に締結したとする条文も、おそらくこうした枠組みのもとで検討する必要がある。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:金戸 渉 )
( 記事ID:46436 )