エルドアンのゴラン高原発言で、ドル高騰
2019年03月23日付 Cumhuriyet 紙

タイイプ・エルドアン大統領が「トランプ米大統領によるゴラン高原についての残念な発言は、当該地域に新たな危機を招く」と発言したことを受け、アメリカとの関係がより悪化するとの懸念から為替および金利レートが急激に高騰した。この日は5.46レベルから始まったドル/トルコリラの為替レートは5.8448レベルまで上昇し、ユーロ/トルコリラも6.21レベルから6.6116まで急上昇した。トルコ中央銀行(TCMB)による金利上昇シグナルも、為替レートの高騰を止めることはできなかった。

イスタンブル証券取引所では、100種指数で3.45%、銀行業指数で6.64%低下した。10年債の複利は15.95%から16.67%、2年ベンチマーク債の金利も18.14%から18.58%に上昇した。ラボバンクの途上国為替戦略担当者であるピョートル・マチス氏は、「市場は昨年の8月に見られるように、アメリカ・トルコ間での外交的緊張関係がさらに深刻な形で高まると懸念している」と話した。

某銀行の為替担当者は、「レートが5.55レベルであることが重要であり、その上で恒久的な方法で蓋をすることができれば新たな上昇機運がとおに生み出される可能性がある」と話した。

■中央銀行の不足

急激な為替レートの上昇を受け、TCMBは期間を1週間とする現先取引の入札を一時休止すると発表した。したがって、24%の資金調達コストは第一ステージで金利回廊の上限である25.5%まで上昇し、仮にレートに対する圧力が持続した場合は後期流動性枠から27%まで増加することが予想される。

一方、アメリカとの緊張関係が高まるにつれてTCMBの外貨準備高は3月上旬の2週間で6300万ドル減少し、2850万ドルとなったことが注目された。財務省による380万ドルの債務履行や、石油ガス・パイプライン輸送株式会社(BOTAŞ)へのドル売却を上回るこの数字は、市場で疑問符が上がる原因となった。

■フィッチから警告

国際的な格付け機関であるフィッチ・レーティングスは、金融政策の早期緩和はトルコリラに圧力をかけることになるだろうと警告した。さらに同機関は、経済における著しい減速が財政規律への阻害となる可能性も指摘した。

■IMFからの呼びかけ

国際通貨基金(IMF)のゲリー・ライス報道官はトルコの状況を注視していると述べ、経済での減速に対して直ちに且つ的確に対応するよう政府に呼びかけた。ライス報道官は定例会見で、「トルコ経済は著しく減速しており、政府はこの問題に対して即座に且つ的確に対処する必要がある」とコメントした。政府はIMFからの支援の要求はないだろうと発表しているが、専門家らは経済の悪化が原因で選挙後にはIMFへの扉は閉ざされてしまうのではないかと主張している。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:46482 )