黒海地方の自然破壊、さらに―道だけでなく、住宅開発?
2019年03月23日付 Cumhuriyet 紙


地域住民の反対にも関わらず強行されている「緑の道」プロジェクトのために、今やヤイラ(高原)に開発の波が及んでいる。ヤイラ(本来)の牧草地というステータスが取り払われることになると指摘されている。

黒海地方の“自然の驚異”ともいえるヤイラを開発するための第一歩が踏み出された。リゼ県チャムルヘムシンで地域住民の反対にもかかわらず進められている「緑の道」プロジェクトのため、今やヤイラに開発の波が及んでいる。この地域住民の弁護士であるイブラ―ヒム・デミルジ氏は、緑の道プロジェクトが真冬にも進められていたと説明しながら、「行政は今回もヤイラの牧草地としてのステータスを取り払おうとしている。『緑の道』プロジェクトの継続がその本質にあり、牧草地としてのステータスを取り払い、観光や開発のために自然を破壊しようと必死だ」と述べた。

リゼ県行政府は、地域の住民に向けひそかに送った文書で、地域のいくつかのヤイラ(牧草地)が緑の道プロジェクトのためにその姿を変えることに関して、見解を尋ねた。農民に向けて準備された文書では、「チャムルヘムシン・カプルジャ地区で建設が計画されているティロヴィト‐パロヴィト‐サミスタル道路のため、いくつかのヤイラが公共投資に伴い、その割り当て目的が変更されること」がタイトルとなっていた。

既成事実が作られようとしている

イブラヒム・デミルジ氏は次のように話した。「『緑の道』は、チャムルヘムシンにあるサミスタルとカヴルン両ヤイラを、最終的につないだ。高度2,500~3,000メートルの道は、実際に短剣のような山々の間をくねりながら通っている。 行政は今回もヤイラの牧草地としてのステータスを取り払おうとしている。この目的で、真冬にチャムルヘムシンには人が非常に少ないことを知っているにもかかわらず、牧草地をなくすために人々から署名を集めている。3~5人の署名で既成事実がつくられ、昔ながらのヤイラを牧草地ではないものとし、昔ながらの伝統を土中に埋めようとしている。何のために、だれのために?我々が向き合っているのは法に基づく行政ではない、自然を、カチュカルの山をなくそうと決意する、まるで連続殺人犯のような者たちと向き合っているのだ。」

■「重い罪が課せられる」

旅行会社と観光事業者が数か月前に自治体を訪れていたことを明らかにしながら、弁護士のイブラヒム・デミルジ氏は次のように話した。
「交渉で旅行会社と観光事業者は、カチカル・ヤイラの道路を4月中に開通し、緑の道ルートの建設を開始することについて要求した。気候変動に対して何百万人もの子供らが「気候変動のせいでぼくたちの未来がなくなるのなら、どうして僕たちは学校に行くのか」と質問し抗議する時、自治体もこの訴えを聞く必要がある。自治体がそれよりむしろ山やヤイラを町に変えようとすることで、我々の子供の背中に重い罪を負わせている」

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( 翻訳者:尾形知恵 )
( 記事ID:46484 )