社説:ニュージーランドのテロ攻撃の遠因(2)
2019年03月15日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ニュージーランドのテロ攻撃の遠因

【社説】

そして、「イスラーム的東洋」と「キリスト教的西洋」の間のこの仮想戦争(にもかかわらず両者ともオリエントの宗教を掲げている!)において、イスラエルが示している重大な事例を決して無視することはできない。イスラエルは、この紛争の泥沼に足を踏み入れることを決意し、「ユダヤ人国家」を宣言、さらに首相はイスラエルが「全ての市民のための国家ではない」と強調したのである。

宗教や象徴的な要因が利用されるこの戦争において、市民は宗教の名の下に互いを殺しあっている。イスラエルは「VIP」のカードからムスリムやキリスト教徒、ドゥルーズ派を除外し、ユダヤ人のみがその恩恵を受けている。また、「アル・カーイダ」や「イスラーム国」のようなイスラーム過激派、またヨーロッパの極右政党のような過激人種主義が勢いを増しており、ポピュリズム指導者や社会の分裂傾向、排外主義は増長・加速し、破滅的な世界戦争の記憶が呼び起こされている。

一方、戦争の真の原因は隠されてしまっている。最も重要なものは、当然、諸独裁体制とイスラエルの占領体制による野蛮な抑圧である。極右勢力とこれらの体制の巨大な同盟関係は強まっており、ムスリムが極右勢力に対する巨額の支払いを強いられても不思議ではない。何故なら、それらの同盟関係は西側が殺戮と悪逆と占領の諸体制を支援することで成り立っているからである。そのことで、血で血を洗う手遅れの悪循環から抜け出せなくなってしまうであろう。そして、全ての当事者に破壊のみをもたらすであろう。

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( 翻訳者:前田悠作 )
( 記事ID:46544 )