CHP、イスタンブル再選挙を受け入れる
2019年05月07日付 Cumhuriyet 紙

イスタンブル選挙の取り消しを議題に、共和人民党(CHP)議会が招集された。党議会では、ボイコットではなく再選挙へ臨むことが決定し、エクレム・イマムオール氏が再び候補として出馬することとなった。CHP議会は会見で、区選挙および議会選挙も再実施するべきであると述べた。

CHP議会および同党の国会議員らは、高等選挙委員会(YSK)がイスタンブル選挙の再実施を決定したのち、午前10時にケマル・クルチダルオール党首主宰のもと招集された。議会では、ボイコットではなく6月23日に再選挙へ臨むことが決定した。CHP議会は、選挙へのクーデタが起こったと述べている。

■CHP議会が発表「イスタンブル選挙は全て再実施するべき」

CHP議会の発表は、その後書面で公開された。発表の内容は以下の通りである。

2019年5月6日は、我が国の民主主義の歴史における酷い一日となりました。この日が忘れられることはないでしょう。

法律、正義、潔白な政治、そして経済的な安定が、たった一人の個人的な恐怖と野望のために、このような形で犠牲となった例は、今まで他にありません。

人々の明白な選択と意向を踏みにじる民主主義の敵は、文民クーデタへまた一歩踏み出し、故意に、望んで、計画的に法律を犯しました。

5月6日クーデタを決行させた者、違法な執行を行った者、これらを扇動した者は公に明らかとなっています。彼らの名は今後、悪態とともに記憶されることでしょう。

我々の民主主義にとって本当に辛いことは、選挙の安全性を保障するべき裁判官たちも、この汚れたクーデタに加担していたことです。

民主主義に必要不可欠なものとされる議会の監視、司法の独立、中立的なメディア、そして文民の社会参画は、残念ながら既に過去のものとなってしまいました。民主主義の正当性を守る最後の砦であり誠実さである選挙は、その正しさを守るはずだった者たちの手によって、国民の意志を侵そうとする者たちの野望に渡ってしまいました。

我が国の監視機能は崩壊しました。民主主義の根底を成す「法の支配」、「権力の分立」、「選挙権および被選挙権」は、今回の決定により明確に排除されました。

現代的な文明のレベルから中東の失敗に終わった独裁政権のレベルにまで低めた今回の決定を実行させた者と実行した者たちは必ずや、歴史のもとで、また国民の分別のもとで、相応の最後を迎えることでしょう。

我々は、トルコ共和国を建国し、我が国に複数政党制民主主義をもたらしたCHPの党員として、我が国がさらされたこの進路転換を拒絶します。

我々は、我が国の180年におよぶ近代化、73年間の民主主義の歩み、そして、我らが建国者でありリーダーのムスタファ・ケマル・アタテュルクが描いた「近代文明への到達と凌駕」という目標を、もう一度力によって取り戻そうとしています。

政党と国家のトップに同じ人物を置くという共和国大統領制は、与党と国家の区切りを短期間でなくしました。監視機関、警察、検察官は、与党による再選挙に向けた活動に駆り出され、国家公務員は政治的な目的のもとに命令され、弾圧が行われました。トップに就いた政党と国家の間の垣根を取り払うこの制度は、我々の民主主義に立ちはだかる最大の脅威の様相を呈しています。

我が国の経済問題は今や如何ともし難い状態となり、不安は日々高まっていき、国内外で安全保障問題のリスクがだんだんと鮮明になりつつある中、これに加えて、個人的に国を支配する者たちによって統治の正当性が危機に陥りました。

我々は、正当性の危機を乗り越え、選挙の合法性を適切に守るため、CHP議会のメンバーおよび国会議員として、以下の措置を取る必要があると考えます。

1.投票所の組織に不備があった場合は、4月16日の改憲国民投票、6月24日の共和国大統領制、国会議員選挙、および3月31日の広域市長選挙と同じ投票所・同じ封筒で行われた区長選挙と区議会議員選挙も、同じ規準のもとで再実施するべきである。

2.選挙委員会に何か過失があった場合、その責任を負うのはただYSKだけである。YSKの失態を有権者に負わせてはならず、有権者が罰せられてはならない。YSKのメンバーは、有権者に対して犯した罪によって総辞任すべきである。

3.内務大臣および法務大臣の選挙期間中における中立性を保障する規定を必ず設けるべきである。

我々はCHPとして、民主主義、法の支配、安全な選挙権と被選挙権を支持することを、国民と歴史の前で宣言します。

力を国民から授かり、一層の覚悟と力強い決意をもって民主的な闘争を続けていくことを確かに約束します。

トルコが直面しているこの岐路において、民主主義を信じ、権利と法律と正義の感覚を秘めたすべての国民たちに、その政治的思想や支持政党がどのようなものであったとしても、我々は手を差し伸べます。この差し伸べた手を6月23日力強く握って、我々の民主的闘争に力を貸してくださること、そして3月31日よりもさらに大きな勝利を迎えることを心から信じています。

■イマムオール氏「素晴らしい成功を収めるだろう」

党本部で開かれた会議には、当選が取り消されたエクレム・イマムオール氏、イスタンブル県代表のジャナン・カフタンジュオール氏、そして国会議員らが参加した。

エクレム・イマムオール氏は会議を終えると短い記者会見を行い、「イスタンブルの方々に申し上げたい。私たちは共にとても素晴らしい成功を収めるだろう。経過に関しては、クルチダルオール党首が党会議で発表する予定だ」と述べた。

■クルチダルオール党首「この国に民主政治をもたらす」

会議の前に会見を行ったCHPのケマル・クルチダルオール党首は、「とても素晴らしいことが起こるから、誰一人心配することはない。私たちがこの国に民主政治をもたらす。どんなことがあろうともだ。私たちは民主主義のために闘う」と述べた。

クルチダルオール党首は、YSKの決定を受け、5月6日の夕刻にも中央執行委員会を招集していた。

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( 翻訳者:金戸 渉 )
( 記事ID:46748 )