レバノン:ムスリムの賃借禁止の決定にSNSが炎上(1)
2019年06月21日付 al-Hayat 紙

■レバノン:アル=ハダス町長によるムスリムの賃借禁止の決定にSNSが炎上(1)

【レバノン:本紙】

ベイルート東部郊外、マトン郡南部に位置するハダス町のジョージ・アウン町長は、ムスリムによる町内での賃借禁止を決定した。これに対してSNSが炎上した。同町長は非キリスト教徒にキリスト教徒の家宅を売却したり貸し出したりすることを禁じた。人口動態的変化を防止するためだという。この措置に対しラヤー・ハサン内相が介入した。同相は「現在、私は書簡を作成している。その中で、山岳レバノン県のムハンマド・マカーウィー知事にアウン町長への聴取を要求する。同町長の措置に関する言及の正否を確認するためだ。確認が取れた場合には、憲法違反である今次の措置を撤回するよう我々は要求する」と述べた。

同大臣は「宗派主義的な言説は、共生社会とあらゆる面で矛盾する。我々は人口動態的変化にかこつけて、こうした措置を取ることはできない」と述べ、「自身は人口動態的な変化を阻止するために、人々の移動を禁じるが、一町長はレバノン国民に対し、人口動態的変化を目的に特定の地域における賃貸を禁止した。これは受け入れられないことだ」と明言した。さらに「現在起きていることは、あらゆる政治的合意を逸脱するものである。我々が諸機関を尊重するのだとしても、このようなことは起きてはならない。なぜなら到底受け入れられるものではないからだ」と付け加えた。

・ハダス町は「事件」へと変化

すでにハダス町は「事件」へと変貌した。この自治体の決定に関してSMS上のコメントやツイート、そして「WhatsApp」でもボイスメッセージが交わされたからだ。

ムハンマド・アワードという名前の青年は、フェイスブック上にメッセージをアップし、炎上キャンペーンを起こした。同氏は、彼がムスリムという理由で、ハダスでアパートの貸出を拒否されたことについて語ったのだ。その結果、メディアや活動家はSMS上で、ハダスの決定を非難するツイートするに至った。

・アウン町長:もし今次の措置を断念せざるを得ないなら、辞職する

以前、ハダス町長は、「この決定は2010年まで遡る。我々は一自治体として、この措置に恥じることはない。この問題が取り上げられることで、いつも驚かされてきた。しかし、我々は自治体として人口動態的変化に反対だと何度でも言う」と確認した。また、「今次の決定は特定の地域における売買と賃貸を含む」と明言した。さらに「1990年から2010年までハダスにはキリスト教徒しか住んでいなかったが、その後、我々の同胞であるシーア派が町内にある物件の60%を購入した。我々が地方議会議員に選出された地方選挙の後、我々は残りの40%の物件をキリスト教徒のために保護する必要性があることについて決議を採択した。そして非キリスト教徒に対し、町内の土地および家宅の売却、賃貸を禁止した」と述べた。加えて、「ハダス町に住むシーア派住民との間に問題は無い」と強調し、「我々はキリスト教徒に提供している以上のサービスを彼らに提供している」と述べた。

(後続)

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( 翻訳者:片居木周平 )
( 記事ID:47031 )