温室効果ガスの増加と海水酸性化に研究者らが警鐘:温室効果ガス増加に伴いペルシア湾を脅かす危機/カスピ海酸性化の可能性
2019年06月21日付 Hamshahri紙


[ハムシャフリー電子版]海洋学研究所の研究者らは、温室効果ガスの増加により海洋酸性化の危機が世界的に懸念されている状況の中、温室効果ガスが増加し続ければペルシア湾は酸性化していくだろうと強調した。

イラン学生通信によると、海洋学・大気科学研究所学術委員のアボルファズル・サーレフ博士は、海洋酸性化現象は、世界が現在抱えている問題の一つであり、化石燃料の消費が増えたことで起こっているとして、こう述べた。「特に産業化の時代に大気中の二酸化炭素量が増加したことにより、大量の温室効果ガスが海洋に吸収されている。」

彼はこう続けた。「二酸化炭素と海洋水が反応することで炭酸が発生し、最終的に、これまで以上に海洋水の酸化が進むだろう。そして海洋水酸性化の進行速度は、以前に比べ速くなっているため、この問題は国際社会に懸念を生み出している。」

サーレフ氏は、海洋酸性化が特に海の生態系に負の影響を及ぼしているとして、こう述べた。「もし海洋酸性化が続けば、多くの種、特に自らを保護する皮膚や骨を作るために炭酸カルシウムを利用する動物が、危険に脅かされることが予想される。」

この海洋研究者曰く、珊瑚礁、サンゴモ、二枚貝、軟体動物、数多くの底生生物とプランクトンのような浮遊生物、炭酸カルシウムの構造を直接利用している魚類の一部すらも、海洋酸性化による負の影響下にあるとした。

この海洋学・大気科学研究所学術委員はこう加えた。「我々がペルシア湾とオマーン海で実施した調査により、現状ではこの2つの海の海洋環境は、酸性化の点からは事実上喫緊の問題には直面しておらず、この点で好ましい状況にある、ということが明らかになっている。」

彼は同時に次のように指摘した。「世界の他の海洋環境のように、ペルシア湾は、温室効果ガスである二酸化炭素が大気中で増え続けるなら、そう遠くない将来、酸性化により危機的状況に瀕することになるだろう。」

・ペルシア湾の珊瑚の死の最大の原因

サーレフ氏は、ペルシア湾の珊瑚の死についてこう強調した。「海の珊瑚を最も脅かしているものは、気温の上昇である。なぜなら、二酸化炭素のような温室効果ガスが大気中に放出されることで、複数の負の影響が同時にもたらされるからであり、この負の影響の一つとして、海洋酸性化を指摘することができるのである。海洋酸性化が、海の化学変化の原因である。」

彼の言によると、この傾向が続き夏が数週間長くなれば、珊瑚は白色化し、この傾向がさらに長引けば、ペルシア湾の珊瑚は死んでしまうだろう。

サーレフ氏は述べた。「他方、海水面の温度上昇は、海洋深部での水中酸素濃度とその量を減少させる。このことも、海洋環境を脅かすもう一方の危機である。」

・カスピ海の酸素化の可能性

この海洋研究者は、あらゆる海水環境と、海洋を含む地球上の全水域が、酸性化の影響下にあると強調しながら、こう指摘した。「カスピ海も例外ではないが、この件についてはさらなる調査が必要だ。」

彼は、カスピ海は閉鎖的環境にあるとみなされるとして、こう述べた。「このことから考えると、カスピ海酸性化の研究には基礎研究、とりわけ化学の分野での研究が必要だ。」

・海水温暖化の緩和に対する洪水の影響

サーレフ氏は、最近の洪水はわが国沿岸部の水温上昇率の低下を引き起こしているか否か、との質問に対して、こう答えた。「季節的、あるいは継続的な河川水の海洋環境への流入の増加は、特にそれが短期的・一時的である時には、海洋環境に短期的・地域的・限定的影響を及ぼす。」

この海洋研究者は、先般の洪水発生後に実施された現地調査に言及しつつ、こう言った。「今年のオルディーベヘシュト月[訳注:2019年4月21日〜5月21日]に我々がペルシア湾で実施した現地調査の一つにおいて、アルヴァンド川[訳注:シャットルアラブ川]河口から50キロメートルにも及ぶ範囲で洪水の影響を観測した。

水の濁りの増加と塩分の減少は、ペルシア湾とオマーン湾の内部に洪水が入った結果であるとして、こう強調した。「しかし、この影響は短期間のものであり、ペルシア湾のような海の環境状態において、洪水は、長期間の影響を及ぼさないと言うことができる。」

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(翻訳者:YK)
(記事ID:47097)