8万人に釈放の光
2019年07月06日付 Cumhuriyet 紙


5年未満の懲役刑に対し、最高裁への道が開かれることとなった。控訴内容に「矛盾を含むFETÖ裁判の判決」において、最高裁は判例を作ることになった。修正案は夏季休暇前に国会に提出される見込みだ。

法務相及び公正発展党(AKP)の法律家の国会議員らが作成した刑罰執行制度の改正を含む司法パッケージは、夏季休暇前に国会へ提出される見通しだ。この改正案が承認された場合、最新の計算によれば刑務所内の8万人以上の収容者並びに受刑者らが釈放される予定だ。
AKPが署名を行ったこの改正案では、5年未満の懲役刑が確定した司法判決に関して最高裁で上訴の審理が開かれることが想定されている。現在の制度では最長5年の収監が必要とされる刑罰は、控訴裁判所が審理を開くこととなっている。これらの裁判所が下した判決が最終決定とみなされ、最高裁での審理は行われない。世間一般では控訴裁判所として知られている地方裁判所でのFETÖ裁判に関する判決についての問題も、この改正により改善されることが狙いだ。AKP関係者は、控訴裁判所がFETÖ裁判において同じ容疑に対してそれぞれ異なる懲役を科していることを指摘し、以下のようにコメントした。「これらの判決に対して最高裁が道を開き、判例を作ってくれるだろう。そしてこの件に関する混乱も解消されることだろう。なぜならわれわれの評議会では、例えばバンク・アスヤ銀行に投資した人々に関する容疑で、控訴審では異なる懲役が科されていた。これらの判決は最高裁で審理されることがないため、今まで判例が作られてこなかった。結果として異なる判決が出されていたのだ。」

■身柄を拘束されることなく審理される

この司法パッケージには、拘禁期間に関する改正も含まれる予定だ。これによると、テロや集団犯罪に対する拘禁期間は2年以内に規定されるという。重罪犯罪では1年、第一審裁判所の管轄内の犯罪についても拘禁期間は6か月以内と規定される。拘禁期間を満了している場合は、最終的な司法判決が出されていなければ身柄を拘束されることなく審理にかけられることとなる。

■デミルタシュ氏が釈放される可能性

今回の改正案が承認されれば、テロ組織のプロパガンダを行った罪で4年8か月の懲役刑を科されたセラハッティン・デミルタシュ氏も最高裁で審理される可能性が出てきた。2016年11月に逮捕されたデミルタシュ氏が刑務所で費やした時間を考慮し、且つ同氏に関するその他の裁判での拘禁期間もすでに満了していることから、釈放の可能性が浮上している。人民の民主主義党(HDP)所属で身柄を拘束されているその他の国会議員らも、今回の改正案の恩恵を受けると予想される。この改正案が施行されれば、テロや女性・子どもに対する性犯罪及び暴行罪を除くその他の犯罪で刑罰を科された人々は、懲役期間の半分が過ぎた段階で釈放されることになるだろう。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:47103 )