平和運動署名研究者裁判、裁判長裁決で無罪へ
2019年07月27日付 Cumhuriyet紙


平和運動署名研究者らへの判決は、憲法裁判所内で真っ二つに割れた。多数決の結果8対8に意見が割れ、憲法裁判所のズフトゥ・アルスラン裁判長の票で決定した。

憲法裁判所(AYM)は、東南部で側溝作戦の際に「この罪を支持しない」というタイトルの宣言書に署名したことにより「武装テロ組織のプロパガンダを行った」という罪状で罰せられた10人の研究者らが表現の自由を主張したことに対し、判決を下した。高等裁判所は再審を命じるとともに、研究者らの内9人にそれぞれ1,000トルコリラの賠償金支払いを決定していた。この判決により、すでに判決を受けた者の刑罰は免除されることとなる。AYMの判事らが8対8に割れ、最後にズフトゥ・アルスラン裁判長の票で多数決が決まった今回の判決は、まだ審議が継続している784人の研究者らの裁判の判例となるだろう。

■表現の自由…

AYMは、トルコにおける表現の自由という観点から非常に重要な判決を出した。「平和のための研究者」主導による運動は、スルやジズレ、スィロピをはじめとする東南アナトリア地域で外出禁止令の発令及び側溝作戦が実行されていた2016年10月10日、「この罪を支持しない」というタイトルの宣言書を発表した。1,128人の教員メンバーが署名したこの宣言書には、その後さらに署名が追加され、この過程で署名数は2,218を超えた。タイイプ・エルドアン大統領は署名した研究者らに反発を示すとともに、「彼らに側溝を掘らせるか山を登らせるかさせろ」と発言した。こうした発言の後、研究者らに関して検察が「テロ組織のプロパガンダを行った」罪で尋問を開始し、多くの研究者が逮捕されることとなった。

7月15日のクーデター未遂事件の後に発令された非常事態宣言(OHAL)プロセスの間に出された法令により、この宣言書に署名した404人の研究者らは大学の職務から追放された。検察庁はこの件に関して784人の研究者らを起訴した。裁判にかけられた研究者らの内、191人が投獄された。大部分の有罪判決が延期となった一方、35人の研究者らに対しては判決は延期されなかった。

■集中的な審議…

署名を行った研究者の一人であるフュスン・ウステル博士は、イスタンブル地方裁判所の第3刑事小法廷で下された1年3か月の禁固刑執行のため、エスキシェヒル女性刑務所に入った。ウステル博士はその2か月半後、AYMでの審議が始まる直前に釈放された。この過程で罰せられた10人の研究者は、AYMに個別で申請を行った。この申請では、宣言書に署名したという根拠による処罰は表現の自由を侵害するものだと主張された。
昨日AYM大法廷は、提出された10人分の申請をまとめて審議した。午前中に開始された審議は夜まで続いた。審議では集中的な審議が行われたと伝えられた。審議の結果、判決は多数決で行われることとなった。8人の判事が権利侵害にあたると投票し、残りの8人の判事が権利侵害はないと投票した。法律に基づき、多数決が同数票となった場合は裁判長の票が2票分とみなされる。ズフトゥ・アルスラン裁判長は権利侵害にあたると投票していたため、投票の結果は反対票が8票、賛成票9票で権利侵害にあたるという判決となった。

■権利侵害はないと投票した判事らはエルドアン大統領が任命

権利侵害にあたると判断した判事らは、ズフトゥ・アルスラン裁判長、エンギン・ユルドゥルム副裁判長、ハサン・タフシン・ギョクジャン判事、ヒジャビ・ドゥルスン判事、ジェラル・ムムタズ・アクンジュ判事、ムハッメド・エミン・クズ判事、ユスフ・シェヴキ・ハクエメズ判事、レジェプ・キョミュルジュ判事であった。一方、権利侵害はないと判断したのはその大部分がエルドアン大統領が任命した判事らで、ルドゥヴァン・ギュレチ判事、セラハッティン・メンテシ判事、ユルドゥズ・セフェリノール判事、レジャイ・アクイェル判事、カディル・オズカヤ判事、ムアッメル・トパル判事、セルダル・オズギュルドゥル判事、ブルハン・ウストゥン判事であった。

■「表現の自由はいまだ危険に晒されている」

イスタンブル・ビルギ大学法学部のヤマン・アクデニズ教授は、今回のAYMの判決を以下のように評した。「BAK宣言に署名した罪など、表現の自由が非常に明確に侵害されている申請に対してでさえ、権利侵害の判決がこれほどまでに難しいものであるということをまざまざと見せつけられました。憲法裁判所内の両極化は、今後政治的なすべての申請に対して影響を及ぼすことになるだろう。再審決定もメフメト・アルタン氏やシャヒン・アルパイ氏の判決同様に、抵抗し再度刑事罰を下した重罪裁判所と直面することになるかもしれない。表現や出版の自由は、未だ危険に晒されている。今回の判決は、この危険からわれわれを遠ざけるものではないだろう。」

■同数票という結果は将来的な不安の種となった

権利侵害にあたるという判決が出された研究者らの弁護団の一人であるアスル・カザン弁護士は、「憲法裁判所が表現の自由に対する侵害を認めた今回の判決は、遅すぎるとは言え喜ばしい進展であった」とコメントした。しかしAYMの今回の判決が同数票(8対8)となったことに関して、非常に残念で将来的にも不安の種を残すものとなったと話したカザン弁護士は、さらに以下のように述べた。「残念ながら、こうした状況はAYMの一部の判事が法的基準よりもむしろ自身を任命した権限に寄り添ったことを示している。結果として、この判決以降は研究者らに対して開廷される裁判や捜査の数が減らなければならないだろう。そして、研究者らの居場所が司法の場ではないことが理解されることにより、かつての所属先であった大学への復帰が保証されるべきである。」

■オゼルCHP議員「復権されなければならない」

共和人民党(CHP)のオズギュル・オゼル副グループ長はAYMが研究者らに関して出した権利侵害の判決後、以下のように発言した。「研究者らが剥奪された研究職やパスポート、そしてすべての権利が復権されなければならず、これまでの過程で受けた被害も補償されなければならない。われわれは彼らに対して行われたことに関し、言い訳やごまかし無しの謝罪を期待している。」また、AYMが今回の判決によって非常事態の最も議論されるべき決定が非難されたと発言したオゼル副グループ長は、「ギュレン派テロ組織(FETÖ)のような偏見や実利的な考えを有し、賢明さや科学的知識を除外する構造とは対照的に、学術的な戦いをしたFETÖのライバルたちを単に自分たちにたてついたということで標的に選んだ人々は、9月12日や4月16日クーデター時の反民主主義的憲法にもかかわらず、且つ憲法裁判所の病的な構成にもかかわらず、憲法や歴史、そして良心に対し、この判決によって彼らは落ち度があることを示されたのである。」

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(翻訳者:指宿美穂)
(記事ID:47243)