ドローン兵器バイラクタル2号に各国の関心
2022年07月08日付 Milliyet 紙

バイラクタール社がリトアニアに寄贈したトルコ製無人軍用機(SIHA)を見に何百人もの人々が集まり、群衆は写真を撮ろうと殺到した。AFP通信が寄贈式典での写真を世界に提供した。

ロシアのウクライナ侵攻により、トルコ製の無人軍用機(SIHA)・バイラクタールTB2が注目を集めている。ウクライナは、シリア、リビア、ナゴルノ・カラバフなど数多くの戦線で戦闘の情勢を変えてきたバイラクタールTB2を、侵攻が始まる前に入手していた。トルコから購入したSIHAは、侵略に対する抵抗運動の象徴の1つとなっており、戦争が始まって3ヶ月になるウクライナの同盟国・リトアニアでも異例のキャンペーンが始まっている。

リトアニア人は、ウクライナへの寄贈用にバイラクタールTB2を購入するため、数日間で590万ユーロを集めた。

キャンペーンを始めたリトアニアのインターネット放送局・ライスヴェスTVの創業者であるアンドリウス・タピナス氏は「おそらく歴史上で初めて、ある国の国民がこのように大規模な武器を募金で購入し他国に送ることになる」と述べた。

ライスヴェスTVは、集めた募金をリトアニアの防衛省に送金し、防衛省にSIHAや武器弾薬の購入に充ててもらうと公表した。

■バイラクタールからの支援

590万ユーロがリトアニアの防衛省に送金され、リトアニア政府はトルコへの購入申請を準備していた。しかし、バイラクタールTB2を生産するバイカル・テクノロジー社は280万人の人口を要するバルト三国に属するこの国に衝撃を与えた。

バイカル社は6月初めににSNS上で、リトアニアにバイラクタールTB2を1機寄贈する予定だと投稿しており、集められた資金は人道支援としてウクライナに送ることを望んでいる。

バイカル社のSNS上での投稿は大きな反響を呼び、世界中のメディアで取り上げられた。リトアニアのアルヴィダス・アヌサウスカス防衛大臣はSNS上で「信じられない、トルコが(購入のために)資金を集めていたバイラクタールを提供してくれる。『無料』だ!素晴らしいことだ!集められた資金でバイラクタールに必要な弾薬を購入し、残った資金はウクライナ支援のため送金する。トルコよ、ありがとう!」と述べた。

■空軍基地で引き渡し

翌月、トルコからリトアニアへバイラクタールTB2が贈られた。シアウリアイ空軍基地には、トルコ製の無人機を一目見ようと何百人もの見物客が集まった。リトアニア人はトルコ製の無人機の写真を撮るために殺到した。

国際的な通信社であるAFP通信は、同国の北部にあるシアウリアイ空軍基地で開催された公式式典の写真を世界に公開した。

トルコ語とリトアニア語で「バイカル社からの贈り物」と書かれたバイラクタールTB2には鷹の紋章が描かれていた。

式典にはリトアニアのアルヴィダス・アヌサウスカス防衛大臣の他、バイカル社のハルク・バイラクタールCEOやウクライナのペトロ・べシュタ駐リトアニア大使らが参加した。

同国のアヌサウスカス防衛大臣は式典で「この兵器はすぐにウクライナへ派遣される」と述べた。

■「全世界に示した」

ハルク・バイラクタール氏はキャンペーンを主催したライスヴェスTVに向け、誇りに思っていることを強調し「何十万人ものリトアニア人が団結したことにとても感動した」と述べた。バイラクタール氏は、トルコ製の無人機がウクライナの防衛と平和の奪還において役割と果たすことを願った。

ウクライナのべシュタ大使は、バイラクタールTB2に関するキャンペーンについて、他に類を見ない社会的企て、連帯であると紹介した。べシュタ大使は、建設的な解決策とその試みだけがロシアによる全ての人権に対する戦争に勝利するための助けになると述べた。

ライスヴェスTVの創設者であるアンドリウス・タピナス氏は、小さな国が団結してできることを全世界に示したと述べた。

キャンペーンに100ユーロを寄付した32歳のアグネ・ベリクカイテさんは「この戦争が始まるまでは、武器の購入を考える人など誰もいなかった。しかし、今はそれが普通のことになった。より良い世界のためにこれをするべきだ」と述べた。

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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:47284 )