VR:オスマン・ハムディ・ベイの「亀使い」、最新VR技術で生まれ変わる
2019年08月26日付 Milliyet紙


オスマン・ハムディ・ベイの「亀使い」は疑いなくトルコで最も重要な絵画の一つである。ペラ博物館において展示されている絵画を目当てに毎年、何十万人もの芸術愛好家が訪問している。博物館が開発したVRプロジェクトによってオスマン・ハムディ・ベイの絵画は新たな次元に生まれ変わった。VRプロジェクトのペラ博物館デジタル・ソーシャル・メディア責任者であるウルマク・ウーバー氏にインタビューを行った。


■まず初めに、VRについて話を始めたく思います。その名前を全く知らない方たちのために質問させてください。このVRとは一体何なのでしょうか?

-VR(ヴァーチャル・リアリティ)とは、仮想現実という意味です。この仮想現実の中に入った時に、あなたはある体験をすることになります。さぁこれは一体どのような体験なのでしょうか?あなたは目にあるゴーグルをかけています。このゴーグルであなたは、全く別の世界へと歩み出します。モデリングによって作られたものだとしても、これは現実と全く変わりのない世界なのです。現実世界であるように、仮想の空間においても活動をして、あなたの周囲の物体や、さらには人々までにも相互作用を及ぼすことが出来ることに気が付くでしょう。あなたはある物体を手に取る事が出来るのですし、ある人物の目を見つめて彼と会話することが出来るのです。VRは現代において幾つもの巨大なテクノロジー企業が投資をおこなった分野です。とりわけこの技術というのは日が進むにつれてさらに発展します。一般に接続ケーブルが使いにくさをもたらしてしまっていることは問題なのですが、最近ではケーブルのないヴァージョンも登場しています。異なる分野において使用されているこのテクノロジーを私たちも博物館へと持ち込んで、来館者たちへ唯一無二の体験を提供したいと思いました。そしてオスマン・ハムディ・ベイの「亀使い」の絵画で仕事を行った期間においてのメインのプロジェクトを実現したのです。

■「亀使い」の絵画は、トルコ絵画の最も重要な作品のうちの一つです。ペラ博物館のコレクションにおいて最も特別な作品です。なぜこの絵画にVR技術を持ち込もうとしたのでしょうか?

-ペラ博物館として、トルコの絵画として最も知られている作品の一つであるオスマン・ハムディ・ベイの「亀使い」がコレクションに加わってから15周年となるので芸術愛好家の方々に今回は新たに、デジタル・プラットフォームの形式で提供したいと思いました。「オスマン・ハムディ・ベイの世界への旅:ヴァーチャル・リアリティ体験」というタイトルのこのプロジェクトによって博物館への訪問をよりパーソナルでインタラクティブなものにして、芸術愛好家の人たちにより豊かな体験を提供することをもくろんだのです。同時に若い方たちに対してオスマン・ハムディを、また「亀使い」を異なる視点から紹介をおこなって、博物館においても楽しめて、新たな視野を提供する場所があるのだということを提示したかったのです。芸術愛好家の方たちは、プロジェクトのお陰でこの唯一無二の作品を1906年にタイムスリップして、オスマン・ハムディ・ベイの仕事部屋において体験する機会を得られるのです。観客は、芸術家の仕事部屋の蔵書や絵画の数々、眼鏡や絵筆、写真に至るまで数多くのディテールを観察することが出来るのです。「亀使い」の絵画の中に入り込んで、オスマン・ハムディ・ベイと向かい合ったり、亀をてなづけることができるのです。

■このプロセスに二年間を要した理由は何でしょうか?

-準備期間が長引いたためです...芸術家の特別な作品の数々から当時の音楽に至るまで非常に多くの重要な要素で彩られる経験を構築するために長期にわたる作業を行いました。場所への調査と同時に、詳細をスナ・イナン・クラチ財団のコレクション中の作品によって充実させていきました。私たちの満足いく作品となることは私たちにとって非常に重要でした。


■ペラ博物館のこのVRプロジェクトによってオスマン・ハムディ・ベイの仕事部屋へまた著名な作品である「亀使い」の絵画の中に入り込むことができたとおっしゃいましたね。1906年、オスマン・ハムディ・ベイが絵画を描いた当時に部屋には一体何があったのか知ることは出来るのですか?

-私たちには場所の全体に関しての確実な情報を有しているわけではありません。つまりはこれは資料的意味合いをもつ仕事というよりも、理論上の空間デザインであるということを強調したく思います。しかしながら私たちが辿り着くことが出来た情報の数々を最良の形で評価をして、当時の生活空間と矛盾しない空間が作りあげられることを重視しました。この点で、イスタンブル研究機関科学委員会長のバハ・タンマン博士が当時の建築に関してのありとあらゆる問題について私たちの相談役となりました。ペラ博物館オリエンタリスト絵画コレクションの責任者であるバルシュ・クブルスからも、専門分野であるオスマン・ハムディ・ベイに関しての詳細な情報を得ました。この情報をプロダクションを実行する博物館のVRクリューと共に仕事をして、私たちは架空の空間をデザインしたのです。私たちはオスマン・ハムディ・ベイはクルチェシメの海辺で生活をしていた、ということを知っていました。海辺で生活をしていたこの時期に関しての彼の娘の日記が存在しています。この日記とオスマン・ハムディ・ベイの友人たちの回想録は、非常に参考になりました。またこの芸術家の仕事部屋にあった写真の数々も私たちは参考にしました。

■様々な年齢層の方々に目にしてもらえるようですが、VRテクノロジーを利用したこのプロジェクトへの関心はどのようなものでしょうか?

-今日では社会生活がテクノロジーを軸に回っているというのは確かです。あらゆる人々に影響を与えるこのペラ博物館としてこの変化と転換をすぐ近くでフォローをしていて、この分野におけるイノベーションの先駆者であろうとしています。この目的によって実現したこのヴァーチャル・リアリティのプロジェクトが受けた関心に私たちは非常に満足をしています。あらゆる年齢の方々がこの体験をするために私たちの博物館へとやってきます。また一方で、プロジェクトを様々な都市へと巡回する計画の作業も継続しています。より多くの観客へ、とりわけ若い方々へこのプロジェクトによってインスピレーションを与えたいのです。


■「亀使い」以外に、「大使たちと画家たち」の展覧会においても非常に重要な絵画の数々が含まれています。はっきり申し上げますと、歴史に関心がある人間としましてその絵画の中へ、ちょうどこのような旅をしたいと感じます。プロジェクトの枠組みを広げることは考えていらっしゃいますでしょうか?

-勿論、そうしないことなどありますでしょうか?私たちの最大の望みは、博物館のコレクションをより多くの来館者と共有することであり、いつでもアクセスできるようにすることです。芸術愛好者の方々にもっと以前には経験することができなかった体験を与えることです・・・この分野において私たちが行っている多くのデジタル・プロジェクトが存在します。私たちの仕事は続いています。

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(翻訳者:堀谷加佳留)
(記事ID:47427)