エルドアン大統領「米との問題、克服される」
2019年09月27日付 Hurriyet 紙

ニューヨークで開催された第10回トルコ投資会議での食事会でレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領が演説し、「トルコ・アメリカ間の関係が真に試される時期があった。しかし、素晴らしい友人であるアメリカ・トランプ大統領と密に対話を行い連絡を取り合ったことで、この困難な期間を乗り越えている」と述べた。

トルコ・アメリカビジネス委員会(TAIK)がニューヨークで開催した第10回トルコ投資会議の食事会で、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領とアメリカ・トランプ大統領が合意した1000億ドルの貿易額目標についての説明がなされた。アメリカのウィルバー・ロス商務長官のほか、アメリカ政界・経済界の代表らとトルコ経済界の要人らが一堂に会した。エルドアン大統領は、トルコ・アメリカの共通の利益に立脚した強力・包括的かつ戦略的な同盟関係を構築するとしたうえで「トルコ・アメリカ間の関係が真に試される時期があった。しかし、素晴らしい友人であるアメリカ・トランプ大統領と密に対話を行い連絡を取り合ったことで、この困難な期間を乗り越えている」と述べた。

■協力は多岐にわたる

エルドアン大統領は、両国が前向きな議論に注力し、二国間の貿易額について1000億ドルの目標を設定したことに触れたうえで「エネルギー分野から請負業サービスまで、旅行業から繊維工業まで、両国が比較的大きなシェアを保持している分野では、協力の内容を多様なものにすることが決定した。この目標に向け、両国の要人や各業種の代表者らが重要な努力を行っている。何よりも、トルコ・アメリカビジネス委員会が作成した報告が、この目標に向けた努力に光を照らすことを信じている」と述べた。エルドアン大統領は、アメリカのウィルバー・ロス商務長官によるトルコ訪問を引き合いに出し、現在1800以上のアメリカ企業がテクノロジーから食料品、健康から通信まで広範囲にわたってトルコで活動していると述べた。エルドアン大統領は、これらの企業のトルコでの投資額が現状500億ドルを超えていると述べた。エルドアン大統領は、この17年間でアメリカからトルコへ約120億ドルの直接投資がなされているとしたうえで、会議当日の時点でトルコ企業のアメリカへの投資額は50億ドルに迫っていると述べた。

■経常赤字問題は解消されている

エルドアン大統領は、ここ12ヶ月のトルコの輸出総額が5.2%増加し1700億ドルだとしたうえで「今年の初めの8ヶ月は、我が国の輸出総額は1170億ドルに達し記録を更新した。また輸出額の対輸入額比率も86%に達した。長年にわたりトルコ経済の弱点とされてきた経常赤字の問題は、大きく解消されている」と述べた。エルドアン大統領は、アメリカがトルコの上位輸出相手国のうち5番目であり、またトルコの上位輸入相手国のうち4番目であるとしたうえで次のように続けた。「世界最大の貿易大国であるアメリカの、トルコとの貿易額が210億ドルに留まっているというのは十分ではない。両国政府による協力、会議に出席している皆さんの助力、両国の大統領による強力な宣言をもって、迅速に1000億ドルの目標に達することができると私は信じている。ここでは、まずきめ細かな対応が必要だ。貿易の強化を望む国々の邪魔にはならない。

■戦略的な協力

アメリカがトルコに対する政策の目安を新たに評価し直し、それらを取り去ることを望む。特に、我が国による鉄とアルミニウムの輸出に対する追加関税や、一般特恵関税制度からの除外等の決定を取り消す必要がある。この件で多くの国々に適用されている例外をトルコも享受すべきだ。また、アメリカが次期に計画している予防措置からトルコが免除されることを期待している。我々は何より、戦略的に協力している。これは何年も続いていることだ。自由貿易協定の交渉開始もまた貿易総額の目標達成に利することを信じている。このような協定は、何と言っても両国間の貿易・経済関係の発展に寄与する。これに加え、トルコ・アメリカ両国の企業が近隣諸国にも開かれ、第三国で共同プロジェクトに取り組む可能性も作り出される」

■経済指標は非常に良い

エルドアン大統領は、特に7月15日のクーデター未遂事件から今に至るまで、トルコ経済について恣意的で偏見に満ち、現状の描写よりも非常に希望的な観測を述べたキャンペーンが続けられていたとしたうえで「しかし、トルコは世界経済の苦境や周辺諸国における政治・安全保障・人権面での危機にもかかわらず、地域において安定した場所であり続けている。トルコ経済のマクロ指標・基礎マクロ経済は非常に強力かつ健全である。2002年から現在に至るまで、トルコに2150億ドル以上の直接投資がなされたことは、これを示す1つの出来事だ」と述べた。エルドアン大統領は、世界経済の不況の影響が徐々に広がっているにもかかわらず、トルコ経済は活気を保っており、トルコは国際的な投資を引き込む最も重要な中心的存在の1つであり続けてきたとしたうえで「国際的な投資が2018年に13%減少したのに対し、トルコへの直接投資は13%増加し130億ドルに達した。十分だろうか?いや、さらに増加させる。このようにして、199か国が名を連ねる国外からの投資が多い国ランキングで、2018年のトルコは前年より順位を4つ上げた。そして同年、アメリカはトルコに対する投資額で6位だった」と述べた。エルドアン大統領は、現在のトルコの購買力は世界で13位、ヨーロッパで5位であり、その経済規模が大きいと述べた。エルドアン大統領は、世界銀行のビジネス難易度指数においてトルコがここ10年で順位を30上げたと述べた。

■観光業は記録更新の勢い

エルドアン大統領は、2018年にトルコを訪れた観光客の数は4600万人であり、インバウンド観光客数ランキングで順位を2つ上げて6位になったと述べたうえで「今年は観光業で記録更新の勢いだ。2019年にはこの数字は5000万を超えると見込まれている。観光業の成功も影響して、経済は不況から好況に転じた」と述べた。エルドアン大統領は、銀行業やインフラ業も危機に負けずにトルコで最も重要な業種に躍り出たとしたうえで「トルコの銀行業の自己資本比率は18%であり、世界平均を大きく上回っている」と述べた。

■投資環境の強化を続ける

エルドアン大統領は、トルコが民主主義国家である点と自由経済の原則を守っている点によって投資環境の強化が続くとしたうえで、トルコがより多くの投資を引き込むために、そして国際投資家がトルコに対して安全により多くの金額を投資できるようにするために必要な法制度の整備を継続すると述べた。

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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:47639 )