シリア:活動家たちがスウェーデンの映画祭でのシリア人監督の作品上映中止を求める…「革命の正義」か「表現の自由」か?!
2019年10月06日付 その他紙


■アサド体制を再生させようとする映画「へそのお」…スウェーデンのマルメ映画祭の上演作品

【n.d.:ザマーン・ワスル】

スウェーデンで開催されるマルモ・アラブ映画祭(第9回)の運営事務局は、「マルモで前進を続けるシリア人」(Syrians Forward in Malmö)の要求にいまだ回答していない。この団体は、シリア人監督のアッライス・ハッジョー(ライス・ハッジュー)氏作の映画「アル・ハブル・アル・スッリー(へそのお)」を今年の映画祭のプログラムから削除するよう求めている。

「マルモで前進を続けるシリア人」が出した声明によると、この映画にはダマスカス北西のザバダーニー市の廃墟が撮影されたシーンがある。ザバダーニー市は、政権軍による破壊と強制移住に晒された。映画は国家テロの継続以外の何ものでもないという。団体は運営事務局に対し、映画祭のプログラムからこの映画を削除するよう呼びかけるとともに、映画祭が「アサドによるプロパガンダのプラットフォーム」になることを拒否すると表明した。

団体は、スウェーデンでこの映画を公開することが「アサドを再び国際社会に受け入れさせようとする使い古されたスローガンのもとで、アサドのテロから逃れ、亡命生活を送るシリア人を追い詰め、彼らを粗末な商品として晒そうとする政権の行為」と何ら変わりなく、「ザバダーニー市の墓地に眠る犠牲者の魂そのもの、そして彼らの魂や遺族、さらには彼の愛する人を安らげようとして正義を求めている人々への侮辱」と見ている。

この映画は、ある夫婦の苦悩を題材としており、自分たちが住んでいる街区を包囲され、狙撃手が通行人を監視するなか、妻が早期陣痛を起こしたにもかかわらず、夫が助産婦を呼ぶことができない様子が描かれている。

映画はマルメ映画祭に先立って、エジプトのエルグウナ映画祭でも上演され、フランスでの映画祭で受賞している。




ザバダーニー市とその周辺の町や村は、マダーヤー町やバラダ渓谷などと同じく、2011年からもっとも卑劣な国家テロ、そして国境を越えたテロに晒された。シリアの他の都市や村と同じように、レバノンのヒズブッラー、イラン・イスラーム革命防衛隊といった宗派テロ民兵、そしてロシア軍の支援を受けるアサド軍が、地元住民に対する犯罪の限りを尽くす「劇場」だった。こうした状況は、「樽爆弾」をはじめとするさまざまな兵器から、包囲、集団飢餓、さらには法律の範囲を逸脱した恣意的な逮捕、拷問中の殺人によって、数万人が殺害され、強制移住を余儀なくされてもなお続いた。

これらの犯罪が行われたことで、2015年以降、ザバダーニー住民が強制移住を余儀なくされ、今日のザバダーニー市の住民は7,000人にも満たない。彼らは、水、電気、教育などといった基本サービスがほとんどないという過酷な状況下で暮らしている。なお、2011年までのザバダーニー市の人口は観光シーズンには12万に達していた。

ザバーニー市の住民数万人は現在、亡命生活、ないしはアサドの刑務所での獄中生活を余儀なくされ、数千人が殺害された。アサド軍、ヒズブッラー戦闘員が樹木を伐採し、シリアとレバノンで売りさばいたことで、50万本以上が失われ、広く知られていたザバダーニーの平原は砂漠と化した。

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(翻訳者:青山弘之)
(記事ID:47741)