米軍、北シリアから撤退
2019年10月08日付 Hurriyet 紙

ユーフラテス川東方に向けたトルコの軍事作戦を前に、アメリカの重大な動きがあった。レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領とアメリカのドナルド・トランプ大統領の間で一昨日(10月6日)の夜行われた電話会談の後、ホワイトハウスの広報部が声明を発表した。「トルコは、間もなくシリア北部に対し、長い間計画してきた作戦を実行するだろう。アメリカ陸軍はこの作戦を支援しない、あるいはこの作戦に関知しない。イスラム国の地域的な『カリフ制』を破壊に至らしめたアメリカ軍はもうこの地域に存在しない。アメリカ政府は、捕えられたイスラム国構成員の大半の出身であるフランス、ドイツその他ヨーロッパ諸国に対し、当人の引き渡しにおいて圧力をかけたがどの国も受け入れなかった。このため、トルコがアメリカが過去2年間でこの地域で捕らえたイスラム国戦闘員に責任を持つことになるだろう」と述べられた。

トランプーエルドアン両大統領の会談とホワイトハウス広報部の発表の後、昨日朝方、アメリカ軍がシャンルウルファのアクチャカレ郡向かいのシリア領土、タッル・アブヤドとラアス・アインからの撤退を開始した。

■トランプ大統領に対して身内からの批判

トランプ政権においてIS掃討有志連合の米特使だったブレット・マガーク氏は、大統領の決定を批判し、「ホワイトハウスの声明は現場の事実と異なる」と述べた。

トランプ大統領の与党最有力支持者の一人であるリンジー・グレアム上院議員も決定に抗議した。この決定の撤回を求めてアメリカ上院議会に提言すると発表した一方、ツイッターでも「もしこのニュースが正しいのならば、大惨事が起きるだろう」とツイートした。さらに、シリアに侵攻しクルド人を攻撃するのであれば、トルコのNATO加盟を停止することを提案すると明らかにした。

アメリカのニッキー・ヘイリー前国連大使は、「トルコは私たちの仲間ではない」というハッシュタグをつけ、「盟友に支援を求めるのなら、私たちも同様のことをしなければならない。クルド人はイスラム国に対する我々の成功に不可欠だった。彼らを見殺しにするなど大きな間違いだ」と述べた。
クリス・ヴァン・ホーレン上院議員は、「クルド人は、トルコはやらなかったイスラム国に対する戦いにおいて私たちと共に戦った。トランプ大統領の彼らを裏切る決定は非道だ。議会は、もしクルド人を攻撃すればトルコが多大な代償を支払うことになることをはっきりさせておきたい」と話した。

■シリア民主軍「裏切られた」

テロ組織YPG(クルド人民防衛隊)の主要組織SDG(シリア民主軍)は、ツイッターアカウントでアメリカが一部地域から撤退したことに抗議した。SDG広報官ムスタファ・バリー氏は、「アメリカ軍は責任を放棄し、この地域が戦場に変わることを許して国境から撤退し始めた」と述べた。報道官のキノ・ガブリエル氏は、アメリカは我々に安全を確保してくれていたが、SDGを裏切ったと述べた。

■18基地と2千人の兵士

アメリカのシリア内戦への干渉は、2014年9月のイスラム国への空爆で始まった。アメリカは、シリアで反イスラム国のテロ組織YPG/PKKを陸の軍事力として配置した。空軍支援とともにYPG/PKKは、2015年1月にアイン・アラブ(コバーニー)から、2015年6月にはタッル・アブヤドからイスラム国を追い出し、そこを占領した。ハサカ、ラッカ、ダイル・ザウル、マンビジュ、そしてタッル・アブヤド地域に合計18の基地を設立したアメリカは、2千人近くの兵士を配置していた。

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( 翻訳者:西山みなみ )
( 記事ID:47748 )