権威主義体制が拡大する中で・・・国際ペンクラブ大会とトルコの言論
2019年10月06日付 Cumhuriyet紙


国際ペンクラブ第85回年次大会がフィリピンで開催された。

「つまりは、新聞記者だからといって殺されたり暗殺されることからは免れることがあるとでも!」この文章の作成者はフィリピンの大統領であるロドリゴ・ドゥテルテ氏だ・・・フィリピンの新聞記者と作家の友人たちはこの大統領の発言を「気に食わない新聞記者たちは殺されるかもしれない」と解釈している!
(ああ、トルコの作家たちと新聞記者たちよ、ひれ伏してあなたの現状に感謝をするのだ。私たちは今までかつて殺害されたり、刑務所で骨抜きにされる数多くの作家と新聞記者がいたのだとしても未だにこのような発言をする大統領は現れたことがない!)
2018年の報告書によればフィリピンは、ソマリア、シリア、イラク、南スーダンの次に最も新聞記者が多く殺された国だった。先日、国際ペンクラブの第85回年次大会がフィリピンの首都マニラで開催された。デ・ラ・サール大学において、世界のあらゆる場所からやってき代表団の中でトルコペンクラブからはテュリン・ドゥルスン氏、ブルハン・ソンメズ氏と私が参加した・・・4日間に渡って朝から夜まで続く濃密な会議の間中、文学の賛美と同じ位、思想と表現の自由と様々なテーマの数々が取り上げられた。これを手短にすべて記事に要約することはできないが、以下はその中の幾つかの項目である。

■様々な母語


国際ペンクラブは毎年特定のある一つのテーマの枠組みの中で催されており、新しい目標が発表される。今年のテーマは、自国語と方言、全ての人間が母国語を話す、母国語で教育を受ける権利であった。
187の異なる言語が使用されていて、その大部分が滅びかけているということ、歴史の中でまずはスペイン、その後にアメリカの植民地となっている。マルコスの独裁体制を知り、現在はというとマルコスの支持者である大統領によって統治されているフィリピン人たちにとって、このテーマは重要な問題だった。ただフィリピン人だけではない、世界の数多くの地域で母国語を話すことができない集団が存在しており、ペンクラブはこの問題に対して働きかける決心である・・・

■憎悪の言葉と脅威の数々

世界の平和を脅かす、あらゆる種類の事件が私たちの議題に上った。移民の人々、エコロジー、環境科学、様々な経済問題、様々な種類の圧力と暴力、(SNSでの)荒らしや煽り、憎悪の言葉などなどである。
事例の数々はフィリピンが最も多かった。再びドゥテルテ大統領は、女性の作家たちに対して、「娼婦たちよ、表現の自由はあなたたちの仕事ではない」と発言をしていたのだ。
フィリピンの作家たちはこれらを言語化することを恐れないのですか、と私が尋ねると、私は以下のような返答を得ていただろう。
「私たちでは口を封じられることは、黙り込むことよりもよいことなのだ。」


■空席の数々

全ての会合においてステージには一つの空席とその上に巨大なポスターが見受けられた。ポスターは変わり空席は増えていった。本来なら私たちと共にいなければならない人たち、刑務所にいるために参加することができない作家たち・・・
その数は相当なものだった。中国からキューバ、チベットからコロンビア、フィリピンからウクライナへ、ロシアからガンビア、ウガンダからヴェネズエラ、スペインからキルギスへ、インドからジンバブエ、そしてトルコへ・・・作家たちと新聞記者は刑務所に囚われの身となり口を塞がれる、もしくは罪を着せられることが望まれていたのだ。

以下のようにも要約することができるだろう。世界の権威主義体制は日々、拡大を続けていたのだ・・・


■トルコからの声

トルコの空席には今年の国際ペンクラブは、新聞記者で作家のネディム・テュルフェント氏の笑顔とその短い物語が位置についた。彼は2016年から刑務所に囚われていた。最初の二年間は独居房にいた。悪意を知ったものは、拷問を受け、そのために嘘をついたと白状したために8年9か月の間囚われの身になったのだ。
国際ペンクラブはその中で詩の執筆も続けているネディム・テュルフェント氏が思想と表現の自由を無視されていたこと、そしてすぐにでも釈放される必要があると信じている。
会合中、空席以外の、ステージの巨大なスクリーンで私たちは知っている何人もの顔に出会っていた。
巨大なスクリーンでは2016年11月5日から囚われの身となっているセラハッティン・デミルタシュ氏・・・しばらく後にスクリーンでは2017年11月21日以来、刑務所にいるオスマン・カヴァラ氏(ちょうど10月2日はオスマン・カヴァラ氏の誕生日であった。会合の参加者全員が拍手で彼の誕生日を祝った・・・)
時折、巨大スクリーンでは素晴らしいニュースもやってきた。
紙が自由の身となった日である。
ギュライ、ムサ、ハカン、オンデル、ムスタファ・ケマル(訳注:いずれも7月15日クーデター未遂時に起きたジュムフリイェト紙への強制捜査の際に拘束された人物)・・・・彼らがスクリーンから私たちに手を振っていたのだ・・・ムサが最初に会見をしている・・・

■オルハン・パムクのサプライズ

マニラに到着したとき国際ペンクラブは私たちに以下のようなあるサプライズを用意していた。
最近の一年で国際ペンクラブは二人の副会長を失った。
トニ・モリスンはこの世界を後にした。マリオ・バルガス・リョサはその職務を辞任した。二人の作家の欠落は、2021年に第100回を祝うはずである国際ペンクラブを窮地に立たせていた。
国際ペンクラブは、ノーベル文学賞受賞作家たちにオファーをしたがその中の二人がすぐに好意的な返答を与えたという。スヴェトラーナ・アレクサンドロヴナ・アレクシエーヴィッチ氏(2015年のノーベル賞受賞者)そしてオルハン・パムク(2006年ノーベル賞受賞者)である。この二人の名前以外に、いくらばかりかの地理的なバランスのためにエレナ・ポニアトウスカ(ポーランド-メキシコから)、ルイーザ・ヴァレンスエラ(アルゼンチンから)そしてF・シオニル・ホセ(フィリピンから)が加わり、国際ペンクラブは、5人の新しい副会長が着任したのであった。
オルハン・パムクを初めとする全員に祝福を、新たなる職務での健闘を祈り、これからこのような思想と表現の自由のために更に仕事をしていくことを私は願っている・・・

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(翻訳者:堀谷加佳留)
(記事ID:47938)