アルジェリア:カーイド・サーリフ参謀総長を哀悼する
2019年12月27日付 al-Quds al-Arabi 紙


■カーイド・サーリフ氏死去の後、アルジェリアの民衆運動の行く先はどうなるか

【アルジェリア:アブドゥッラッザーク・ベン・アブドゥッラー】

アルジェリアの民衆運動はとどまることなく、45回目となる金曜日に突入した。しかし、移行段階の政府においてもっとも力のある人物であったアフマド・カーイド・サーリフ参謀総長が死去した後、その金曜日は(同運動にとっての)最初の停滞点とみなされている。事態を注視する人々は、この停滞点を、政治的危機をもたらしかねない分かれ目の段階であると捉えている。

月曜日(訳注:2019年12月23日)の朝、サーリフ参謀総長が心臓発作によって急逝したことで、今週アルジェリアは著しい政治的事件を経験した。危機の数か月間、彼は体制の中心的人物だった。そして、昨年2月22日に発生した民衆運動を支持するサーリフ氏の立場は、同年4月2日にアブドゥルアズィーズ・ブーテフリカ前大統領を辞任に追い込む上で、決定的な役割を果たした。

サーリフ氏の葬儀には大勢の市民が参列し、故人に対する民衆による敬愛の度合いという点において、前例のないものとなった。注視する人々は「(サーリフ氏の人気は)流血の事態や衝突を伴わずに難局に対処することにかけてサーリフ氏が厳格かつ賢明であったこと、そして市民への権力移管に関して同氏が約束を履行したという事実を反映している」と述べている。

「誓約を守り続ける」

サーリフ氏の死去を伝える公式の声明は、あるひとつの表現を含んでいた。それは同氏が歩んだキャリアに対する忠義だった。カーイド・サーリフ氏の急逝について、国防省広報部長のブーアラーム・マーディー氏は、軍組織を代表する弔辞のなかで以下のように述べた。「至高にして全能なる神は、その御慈悲によって、彼(サーリフ氏)が新しいアルジェリアの国を目にするまでのこの期間をお与えになった」。さらにマーディー氏は以下のように続けた。「あなたの生前に、我々はあなたに約束した。我々はその約束を新たにし、今日あなたを永住の家へと送り出そう。あなたが我々に命じたように、我々は子ライオンとおとなのライオンのままであり続けよう。そして、すべての貪欲な者どもや敵意を抱く者どもから祖国という棲家を守護しつつ、あなたが根付かせることに努めた高潔な価値観に満たされながら居続けよう」。

アブドゥルマジード・タブーン共和国大統領は、サーリフ氏の葬儀の後、故人への哀悼の手紙のなかで以下のように発言した。「喜び眠れ、貴い兄弟であり亡き人よ。我らは約束を守り続けよう。その道の上を進もう。誠実さを保とう。託されたものを守っていこう。そしてもし神がお望みになれば、気高い祖国の魂によって、新しいアルジェリアの建設を完遂しよう」。

サーリフ参謀総長の葬儀と時を同じくし、民衆運動にとって45回目となる金曜デモへの呼びかけがこれまで通り始まった。アルジェリア人権擁護連盟(非政府組織)の副会長のサイード・サーリヒー氏は、Facebookの自身のページ上に運動の継続を呼びかけるコメントを投稿した。コメントの内容は以下のとおりである。「平和的で文明的な道のりにある第45回金曜日という我らの期日は、民主的・社会的・市民的な新たな共和国へと移行するためのものだ」。

(後略)

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( 翻訳者:了源康平 )
( 記事ID:48375 )