トルコ文学:文学に描かれた伝染病―デカメロンからオルハン・パムクの新作まで
2020年03月22日付 Milliyet紙


世界共通のニュースとなっている伝染病コロナウィルスは、文学そして芸術においても大きな話題だ。文学者たちのペンから生み出された伝染病に纏わる本の数々は、読者の意識を未来の備えへと向かわせ、また読者の胸に希望の種を植える・・・

文学そして芸術においては歴史からインスピレーションを得た作品の数々が生み出された。これらのうちの一つは殆ど全世界が同時に体感することとなった伝染病である。コロナウィルスの伝染病が全世界で続く中で、私たちの大多数は自分自身を更に以前に読んだディストピア小説の主役たちであるかのように感じ始めたのだ。この本の数々は私たちの意識を将来への備えへと向かわせ、また私たちの胸に希望の種をも植えるのである。私たちもまた、伝染病の数々を物語る書籍をリストアップしてみた。(違う、マルケスの『コレラの時代の愛』はこのリストにはない。)

■オルハン・パムク:『ペストの夜』を終わらせようとしています

オルハン・パムクは、均整のとれた記事と共に毎月OT誌上で読者と邂逅する予定である。パムクは雑誌の2月号においてセルチュク・エルデム氏とデュンダル・フザル氏に対しておこなったルポタージュにおいて、『ペストの夜』というタイトルとなった小説に関して以下のように話した。「私は三年半もの間、『ペストの夜』の仕事をしています。現在『ペストの夜』を終わらせようとしています。しかしながら、私はこの小説を30年間考え続けていたのですし、今もなお考えているところです。事件の数々は20世紀の頭、1900-1901年のクレタ島―キプロス島―ロドス島の辺りの、あるオスマン朝の島で、オスマン帝国第29番目の州(ヴィライェト)が舞台で、アブデュルハミト2世統治時代に起こります。島でペストの流行が起こります。これは、1894年に起こって西側へと進んだ、インドそして中国からやってきた『第三のペストの大流行』のことです。そこでもまた母親たち、父親らがペスト禍で亡くなってしまい、児童養護施設から逃げ出した子供たちのギャングが存在しています。政府は崩壊して、その子供たちの面倒を見ることが出来ません。彼らを信頼できる形で描き出そうと努力しているところです。ある物語における子供の存在は、その物語に更なる真実味、深さ、そして純真さの感覚を私に与えるのです。事件の数々を子供たちの目線からも見たいと思っています。」

■『ペスト』―アルベール・カミュ(ジャン出版社)、1947年

アルベール・カミュの、1947年の『ペスト』では、ペストの伝染病がアルジェリアのオランという街を襲う。ネズミたちが次第に下水道から道路へと逃れては死に始めた後に、その地域に暮らす人々もまた大きな痛みを伴いながら死んでいく。予想を超える規模に発展したペストの流行はオラン市の全住人を大きな絶望に陥れる。しかしリウー医師、タルーとグランが示した連帯の形は全ての人間へ、新たな希望があるという事を示している。

■『ヴェニスに死す』―トーマス・マン(ジャン出版社)、1912年

著名な作家であるグスタフ・フォン・アッシェンバッハは、以前に住んでいた場所からあまり離れたことのない人物である。ある日彼は、ヴェネツィアを訪れることを決心し、船に乗り込む。ヴェネツィアへ辿りつくとあるホテルに暮らす。そこでポーランド人の家族の子供であるタージオという名前のある若者と出会う。アッシェンバッハは、美の権化のようなこの若者の虜になってしまう。彼は全ての時間を、彼を眺めることに費やす。しかし、ヴェネツィアではある伝染病が流行する。皆、アッシェンバッハへと街を離れる必要があると説得するが、彼はタージオから離れようとしない。

■『白の闇』-ジョセ・サラマーゴ(赤猫出版社)、1995年

とある町が、人々を失明においやってしまうある病の脅威に直面する。廃院となっていた精神病院に隔離された「目の見えない」病人たちは暴力、搾取さらに恐怖に晒される。人々はここで生き残りのための闘争をはじめる。彼らの中では、唯一一人だけの目が見えている。目が見えない夫を一人残したくない女性は、目の見えない人々を助けるために奔走する。



■『デカメロン』―ジョバンニ・ボッカチオ(アルファ出版社)、1394-1353年

ペストの大流行から逃れるために集った7人の女性と3人の男性が別荘へと引き篭もる。この若者たちが、金曜と土曜日以外の毎日、一ずつ一話、合わせて10の物語を物語る。物語のテーマは、その日ごとの「王」もしくは「王女」が決定する。

■『赤死病の仮面』―エドガー・アラン・ポー(ノトス出版社)、1842年

プロスぺロ公は、「赤死病」として知られるある伝染病から逃れるために、僧院に閉じこもる。プロスぺロ公は、自身と共に僧院に閉じこもる貴族と共に、それぞれの場所が異なる色彩によって彩られた7つの部屋で仮面舞踏会を開催する。しかしながらこの饗宴のさなか正体不明の闖入者が現れて、全ての部屋を闊歩し始める。


■『伝染病とメダイヨン』―レシャト・ヌリ ギュンテキン

共和国初期の時代にアナトリアのある村で、ある未知の伝染病が流行する。この伝染病を当初は真剣に受け止めていなかった郡の知事と副知事は自分たちの地位を危ぶみはじめ、事件に取り組むようになる。


■『ネメシス』-フィリップ・ロス(ヤプ・クレディ出版)、2010年

1944年の夏に感染症のポリオがニューアークの住人達、特に子供たちの生活を地獄に陥れる。視力が弱いために徴兵を免れた若い体育教師であるバッキー・キャンターはある学校の校庭の管理を任される一方で、そこで遊ぶ子供たちを病気から守ろうと尽力する。遠くに
いる恋人と再会する夢を抱くキャンターは、この願いを叶えようと気を急かしたあまりに、人生を一変させてしまうある選択をおこなう。

■『ザ・スタンド』―スティーブン・キング(アルトゥン書籍)、1978年

スティーブン・キングは、遺伝子学の様々な実験が行われるある組織から逃れた人間が、人間の99%を死に至らしめる致死力の高いあるインフルエンザウィルスが広がり始める。息残ることへ成功した恐怖とショックの只中にある一握りの人間は、自分らを守れる一人のリーダー探しを始める。そして二人のリーダー候補が絞られた。それは108歳の慈善家である尼僧のアビゲイルと悪事以外の事を考えないランダル・フラッグだった・・・

オーディオブックのアプリケーションであるストーリーテルは、コロナウィルス伝染病を受けて14日限定の体験期間を30日に延長している。読者のためにリストアップしたこれらの書籍へは、このアプリからもアクセスが可能だ。

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(翻訳者:堀谷加佳留)
(記事ID:48814)