エジプト:モスクの閉鎖、集団礼拝の停止も…断食はイスラム教徒の義務(2)
2020年04月10日付 al-Quds al-Arabi 紙

■エジプトワクフ省はタラーウィーフの礼拝を一時停止…アズハルは「すべてのイスラム教徒に対する断食の義務」を強調(2)

【カイロ:本紙】

また同相は以下のように述べた。「我々の信仰は、モスク建設以前の信者の暮らしを我々に教え給うた。我々の預言者ムハンマドはカアバ神殿を見て言った。『あなた(カアバ)はなんと偉大で、あなたの神聖さはなんと偉大なことか。しかし神にとっては信者の血はあなたよりも素晴らしいものなのだ』と」。

続けて以下のように述べた。「現在の状況下での公共交通手段の運営は広範囲であれ限定的であれ専門家からその公益性を評価されているものである。感染が悪化しない限りは、医療従事者は公益のために職場へ行くことが不可欠となる。薬剤師やパン屋、レストラン、青果店、精肉店、医療・日用品店、人々の生活になくてはならない多くの職業に従事する人々もまた然りである。これらすべては公益性の評価に基づいている。そしてこれらのことはすべて、監督者や国家機関の代表者がそれぞれの専門分野において評価し決定することに基因する。それを遵守することは義務であり、違反することは罪であり背信行為である」。また、ワクフ省は、当面の間のモスクの閉鎖とモスク内での礼拝停止の継続に関して、省内の宗教部門長であるジャービル・ターイア博士をトップとして特別委員会を設置することを明らかにした。

アズハル内のイスラム研究アカデミーに属するイスラム法学研究委員会も同様に、コロナウイルス蔓延のさなか、ラマダーン月の断食に関する議論に終止符を打った。

同委員会は声明の中で以下のように述べた。「コロナウイルスの余波とそれがラマダーン月の断食にどれほど影響を及ぼすかについて議論するため緊急会議を開催した。この会議にはさまざまな医療専門分野の経験豊富な医師や、WHO(世界保健機関)の代表者、そしてアズハルの多くのイスラム法学者が出席した」。  

また、「同委員会はこれまでのところ、断食とコロナウイルス感染との間の関連の有無について科学的根拠はないと結論付けた。したがって、断食に関するイスラム法の規定は、理由があって断食を解くことが法的に許される人を除いては、すべてのイスラム教徒に対して義務のままである。」と述べた。

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( 翻訳者:中嶋甘奈 )
( 記事ID:48853 )