どうなる断食?ー宗務庁発表
2020年04月15日付 Milliyet 紙

宗務高等委員会エクレム・ケレシュ委員長は、「健康上の問題のために、ある人が断食を行わないということは、その他の人々が断食することへの妨げとはならない。そのためにラマザンが完全に延期されたり、もしくは断食が完全に放棄されるといった問題とならない」と語った。

宗務高等委員会エクレム・ケレシュ委員長は、委員会が新型コロナウイルス(Kovid-19)の流行ゆえに断食に関して行った決定に関して、アナトリア通信に対して論評を行った。

同委員長は、今年ラマザンの最初のテラーウィーの礼拝が4月23日の水曜日に行われると語り、ラマザンの最初の断食について4月23日と4月24日を結ぶ夜のサフルに始まり、同日日没後に最初のイフタールが行われる予定だと語った。

ケレシュ委員長は、コロナウィルスとの闘いの中で市民たちが金曜日と集団礼拝、喜捨と断食に関する問題について電子メール、電話、手紙を通して数多くの質問を投げかけてきたと述べて、委員会のメンバーは電話会議を通じて会議を行って、こうした問題を検討したと語った。

■「人々の治療と健康がより重要なことである」

健康な状態にあり、また思春期に入った全てのムスリムが断食を行うことは義務であると述べるケレシュ委員長は、「健康上の問題のために、ある人が断食を行えないという事は、他の人々が断食を行う事に対しては障壁にはなりません。そのためにラマザンが完全に延期されたり、もしくは断食が完全に放棄されるといった問題とならないのです。この状況に対する見解は委員会の発表の中にもあります」と語った。

ケレシュ委員長は、コロナウィルスの治療を受けた患者の断食に触れ、、以下のように語った。

「コロナウィルスに羅漢したムスリムは、治療の期間、断食を行ってはいけません。人々の治療と健康がより重要だからです。継続的に不快感を感じた人々は、断食を継続した場合に、病状が悪化してしまう、または回復が遅れると、断食を行わないことについて正当な釈明があるのです。妊娠しているか赤ん坊に授乳している女性たちも、断食は更に後におこなうことが出来ます。」

■医療専門家と協議した

委員長は、コロナウイルスとの闘いで断食に関する委員会の決定に対する批判にも触れ、次のように続けた。

「ある人が断食した場合、健康に被害を与えたり、病気となったり、病状が悪化するならば、こうしたことは、知識に基づき、事情に通じた、断食が何たるかを知る医師に伝えられるべきです。この場合、断食を延期したり、回復後に代替えの断食を行うことになります。

全ての人たちに対して、『断食は行わないでください、断食はあなたに害を与えてしまいます』という形で語ることが正しくないのは、医学的権威の人々も述べていることです。この分野で権威ある何十人もの医学教授と協議を行いました。彼らは私たちに対して、『断食が免疫システムに悪影響を及ぼすということに関しては、いかなる科学的な根拠も存在しません』と語った。宗務高等委員会は、医者の代行をすることはできません。委員会の重要な特徴の一つは、その分野の専門家たちと協議を行うということです。」

■「断食が免疫システムを強化することに関し研究がある」

ケレシュ委員長は、断食が免疫システムを強化することに関する研究があると注意を促し、この中で断食といった間断を空けての長期間の空腹状態について研究が行われたと伝えた。

間断を空けての長期間の空腹状態が、肉体の免疫システムを強化しており、細胞が活性化すると語り、以下のような情報を与えた。

「また、直接に断食を行った人たちについて行われた科学的な研究が存在しています。例えば、ラマザン月に断食を行った人々と断食を行わなかった人々とでグループを作り、彼らの血のRBC値検査が行われました。開始から一週間もしくは15日たってから再び血のRBC値の検査が行われると、断食がRBC値、心臓、コレステロール値において良い影響をもたらしているという事が判明しました。」

■「私たちの宗教は気負わなくてよい宗教」

エクレム・ケレシュ委員長は、次のように続けた。

「市民の皆様は、断食に関する決定については安心してください。皆さまは病気の点で個人としての釈明があるのであれば、医者と相談をして決定を行う事ができます。イスラムの信仰は、人が自らを危険へと身を投じることは望んではいないのです。ある人が断食を行う事が、健康上の観点から有害であるのであれば、その人ヘは実際のところ私たちの宗教は[断食しないことを]認めているのです。宗務庁高等委員会は、人々の健康状態がどのような状況にあるのかという事は分かりませんが、私たちは基本となる原則を明らかにします。

断食を行った場合に健康に害が及ぶのであれば、断食を行わなくてもよいし、延期する事も可能なのです。断食を回復後に行えば良いし、それが出来ないのであれば断食の償い金を支払えばよいのです。

断食に関連して預言者ムハンマドは、『断食をおこないましょう、健康になるよう』というハディースが存在します。このハディースは一般的にいって断食が健康の点で有益であるという事を伝えています。個人的に釈明がある人達には、実際に正当な許可が与えられます。私たちの宗教は気負わなくてもよい宗教なのです。」

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:48879 )