イラク:キリスト系政治運動が苦言を呈する(1)
2020年04月12日付 al-Quds al-Arabi 紙

■イラク:クルディスタンの政治運動がキリスト教徒の領土没収とクルド人の自治行政に苦言を呈する(1)

【バグダード:本紙】

イラクの3人の政府高官は復活祭に際し、イラクや世界のキリスト教徒を祝福し、またこの機会を利用してコロナ拡散の影響のもと平和共存を強化する重要性について強調した。その一方、キリスト系のアッシリア民主運動(Zowaa)は、排除と阻害、(Zowaaが)「偽装」と評するもの、そしてイラクにキリスト教徒との真の協力関係がないことを批判した。

Zowaaはイラクのクルディスタン地域政府や政府高官らに対し、アッシリア民族とイラクのあるべきかかわり方や政治的な協力関係の再検討を要求した。

そして報道声明で「私たちは、アッシリア民主運動の創設41周年を迎えます。それは私たちの心にとって名誉ある祖国と民族の記念日であります。さらに今年は、聖なる復活祭の初日と同じ日に当たります。私たちは、この二つを記念して、親愛なるアッシリア民族とその支持者、そしてすべてのZowaaのメンバーに祝辞と祝福を送ることを悦ばしく思います。私たちは、コロナウィルス拡散阻止とための専門機関の指示を守り、すべての人に検疫と隔離を課すような状況下ではありますが、彼らが幸せになることを祈っております」と述べた。

独裁政治との闘争

そして「Zowaaの創設は、抑圧政治やアッシリア民族とその権利を認めない血生臭い独裁体制に命を懸けて抵抗したアッシリア民族の最前線から出た自然の反応だった。また(独裁体制に)反旗を翻した残りのイラク国民のパートナーとして、イラクの国内政治体制地図におけるアッシリア民族の苦難に満ちた歴史的事実への答えでもある。Zowaaは創設当初から、いくつかの思想的な基盤を持っている。その基盤が、アッシリア民族が公正な目的と合法的な志を達成することと、アッシリア民族の歴史的領土であるメソポタミア地域、バビロニア・アッシリア地域の所有権と公正な民主主義の下で尊厳と誇りを持って生活する権利の獲得することを確かにしている」と付け加えた。

同運動は次のように声明を補った。「運動の創設は革命的な青年前衛からの自然な反応である。私たち民衆や権利を一切承認しない血生臭い独裁体制や抑圧的な政治の現状に呼応したものであり、イラクの国家政治行為の地図に私たち市民を組み込むことに対する歴史的な必要性に応答したものでもある。それは反旗をあげる他のイラク国民のパートナーとしてである。私たちの運動は思想の原点において諸原則を掲げている。それは歴史的な大地であるメソポタミア地域やバビロン、アッシリアにおいて公正な目標、合法的な大志、権利の獲得、そして公平で民主的な体制のもと名誉と尊厳をもって生きることなど、それらの実現を通して私たち市民の存在を確固たるものにするのだ。」

(2)へ続く

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( 翻訳者:片居木周平 )
( 記事ID:48946 )