世界的な原油価格の下落はイランに影響を及ぼすのか!?
2020年04月21日付 Jam-e Jam 紙


世界原油市場における空前絶後の原油価格の暴落が嵐を引き起こしている。これから多くの産油国はその生産量を急激に減少させるだろう。

 石油エネルギーの専門家であるナルシー・ゴルバーン氏は本紙に以下のように語った。「まず第一に、我々は原油価格の暴落の原因は何であったかを明白にする必要があります。原油価格がマイナスの値に到達する大暴落は、もともと5月に予定されている原油先物市場に関する会合に起因するものでした。しかしその後、新型コロナウイルスの蔓延がさらに原油価格の下落を加速させました。」

 彼は続けて、「他の市場、例えばブレント油などについてはそのような暴落は見られません。先物市場の仕組みというのは、これまでこのようなものでした。しかし今では前代未聞の問題が発生してしまいました。原油価格がマイナスの値に到達してしまったのです。これは世界規模で見ても空前絶後の出来事です。」と語り、さらに、「以前、契約価格から4、5ドル下落したことがあったことは覚えています。しかし、今回のようなマイナス30ドルまで下落する事態は例外中の例外であるとみなされますが、それはまさしく今起きていることなのです。」と加えた。

「ブレント油の価格は約15、16ドルであり、大きな変動は見られません。しかし、私が述べたように、その他の市場の状況は全く異なり、厳しい影響を受けています。」と同氏は続けた。

また同氏は原油価格の暴落がイランの石油市場に及ぼす影響について以下のように述べた。「原油価格の暴落がイランに及ぼす影響は最小になるに違いないし、被る損失も最少になるに違いないと言うべきであろう。なぜならイランの輸出高は非常にわずかであり、これによりイランへの被害は軽微なものになると予想されます。」

 彼は続けて、「サウジアラビアはイランの20倍もの石油を輸出しています。もし、損失が発生するとしたら、その損失を被るのは間違えなくサウジアラビアのような高い原油輸出高を誇る国です。しかし、アメリカは先述の石油価格暴落により、原油産出が強制的に停止させられているので、輸出に関してはそれほどの問題を抱えていません。この政策によりアメリカの原油産出は500から600万バレル減らされることになります。」と指摘した。

 「この量の原油をアメリカが減産することになれば、石油輸入国に転換してしまうことは明白です。」と同氏は強調した。

 最後にゴルバーン氏は、「新型コロナウイルスの影響がいつまで続くか見通しが立たない限り、世界原油市場がいつ正常に戻るかを明言するのは不可能です。明確なものは何も存在せず、世界の経済状況は新型コロナウイルスによって完全にかき乱されてしまっています。しかし、我々がこのウイルスに打ち勝った時、世界には再び平穏が訪れるでしょう。」と述べた。

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( 翻訳者:SK )
( 記事ID:48960 )