出版から書店まで、存亡の危機―コロナ禍
2020年05月10日付 Cumhuriyet紙


トルコ出版連合「業界に手厚い支援がなければ6月に我々はバッテリー切れ。従業員9万中4万人が失業者になる」

コロナ禍は出版業界にも激しく襲いかかった。トルコ新聞人組合のデータでは、トルコで初めて症例が発見されて以来、全国紙の発行部数は38%、地方紙の発行部数は60%も減少した。

国内全体では新聞は70%もの公式広告を失った。トルコ出版連合のデータでは、同期間の書籍販売額も63%減少した。4月のオンライン上での書籍売上は予想を上回ったものの、昨年4月に比べると17%落ち込んだ。

一方で書店は為替レートの上昇に伴って加わったコストに押しつぶされ、さらにオンラインでの市場破壊的な割引にも直面して厳しい状況に陥っているとトルコ出版連合のケナン・コジテュルク会長は説明した。同会長は、「平均的なトルコの版元はこの状況に3カ月以上耐えられる体力はない。もし業界にまともな支援がなければ、そして破壊的な値引き状況が続けば6月にはバッテリー切れとなる。全国に6千店ある書店の半数以上が閉店し、4万人が失業する」と述べた。

■支援不足

業界では去年だけで6万8000タイトルの新刊を発行しており、世界で最も新刊を発行した国第6位にランクインした。しかしコジャテュルク会長は、3月以降、新刊を発行できずにおり、「我々の売上の30~35%は新刊からの収入であり、これが失われると最も楽観的に見積もっても年末には40%の売上損失に直面することになる」と述べた。

業界では9万人が雇用されており、一部の従業員は短期労働手当を受給している。しかし外部から業界にサービスを提供している作家、イラストレーター、翻訳家などの状況はさらに厳しい。彼らの収入は完全にストップしている。

こうした人々はドイツやフランスでは手厚い助成金を受けているがトルコでの支援は不足している。コジャテュルク会長は、多数の版元が信用保証基金(KGF)も受けられておらず、ネフェス・クレディ(トルコ商工会議所連合、KGF、DenizBank間で合意された協定およびそれに基づく信用貸付)を受けるべく努力していると説明した。

また版元として国への要求を次のように挙げた。「短期労働手当を当面継続すべき。我々がこうした貸付の恩恵を受けられることを優先すべきだ。そして文化観光省は書籍購入予算を増やし、国民教育省は学校図書館に、法務省は刑務所に書籍を購入すべきである。地方自治体も移動図書館などを開設して版元を支援すべきだ」。

■書籍価格の値上げは避けられない

クルムズ・ケディ出版のオーナーであるハルク・ヘプコン氏は、出版業界は常に不利な扱いを受けてきたと指摘し、必要な支援を受けられるかという点では悲観的なコメントをする一方で、ジャン出版のアリ・グラニト局長は、業界におけるデジタル作品の検索数は増加していると説明した。

これについてデリバリーサービス会社Yemeksepetiとの共同事業を例に挙げたグラニト局長は「YemeksepetiのオンラインストアアプリBanabiで注文した消費者に書籍をプレゼントしている。今後のプロセスでも思いがけないプラットフォームが書籍販売につながる可能性がある」と語った。

グラニト局長は4月に新刊4作品が電子書籍版でとして刊行されたと明らかにした。またヤプ・クレディ出版販売マーケティング部門のオズギュル・アクン氏は次のように話す。「我々は外国仕入れ関連の部署だ。パンデミック期間の為替レート上昇はコストを大幅に増大させた。この結果が今後の刊行物に反映されるとなれば書籍価格の引き上げは免れない。オンライン販売は増加見込みだが、残念ながら販売数における書店のシェアは低下し、間違いなく多くは閉店するだろう」。

■古本屋も忘れないで

すべての書店が苦労している昨今で忘れてはならないのが古書店だ。彼らの商業収入は完全に絶たれている。

古書店連合協会のトルガ・ギュロジャック副会長は連帯を目指して各県・各郡から「古本集め」と名付けた活動を始めた。そしてこの機会にオンライン販売数がある程度増加したと語った。ただし現金資本や貯蓄財源がないためこれまで以上に多くの支援が必要となる。

ギュロジャック副会長は「古本集め」には販売プラットフォームがなく、支援希望者はnadirkitap.comやkitantik.comといったサイトからで購入できると付け加えた。また国立図書館に対し、古書店から書籍を仕入れてくれるよう要望を伝えたと明かした。

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(翻訳者:原田星来)
(記事ID:49059)