パレスチナ:ナクバ72周年、記憶の継承と帰還の夢(5)
2020年05月15日付 al-Quds al-Arabi 紙

「ナクバ72周年」:祖父たちは子と孫へ、「パレスチナ人追放」の時代を語り、帰還の夢が彼らを誘う(ツイートと動画)(5)

【ガザ:本紙】

彼は、自らの土地や村々や町々を捨ててきたどの家族も、不在期間がこの何年も続くとは予想しておらず、帰還の問題はアラブ軍がシオニストグループに勝利できるまでの数日かあるいは最長でも数週間はかからないと考えていたと話す。また「移住者たち」が、この試練が長く続かないことを信じて、少しの間だけ凌げる備蓄のみを携行したことを指摘している。さらに、避難して最初の数か月から数年における生活苦、貧困、飢えは、すぐに帰還できるという望みがそれらを和らげてくれたと強調する。

この男性が、年を取り白髪になった者もいる彼の子どもたちや、30歳を越えた者もいる彼の孫たちが耳を傾ける中で回顧したのは、ガザ地区中心部のヌサイラート・キャンプにたどり着くまでの苦しい日々のことや、家族ごとにテントが割り当てられ、その後粘土でできた住居へ移るまで、どのように国際組織が複数の家族の間が区切られた大きなテントを設置したか、その日の食料を見つけられずにお腹を満たすことができなかった辛い日々や彼らを冬の寒さから守るものを見つけられなかった日々がどのように過ぎていったかということだった。彼は1956年のガザ・エジプト侵攻の瞬間や、続く1967年の戦争「ナクサ」を振り返り、記憶の数々を列挙し続けた。67年の戦争下では、彼はガザで戦ったパレスチナ解放機構の兵士であった。ガザはこの歴史ののち、ヨルダン川西岸やパレスチナの残りの部分と同様、イスラエルの占領下となった。

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( 翻訳者:YA )
( 記事ID:49272 )