ユーフラテス東岸で、アメリカ・ロシア、一触即発
2020年07月18日付 Milliyet 紙


シリア北東部に駐屯するアメリカ軍が、シメルカ国境付近にてロシア軍と一触即発状態となった。アメリカ軍がハセケ郊外のロシアの巡視隊を追尾したことが、当事者間の緊張を招いた。

事件はシリアのハセケ市に属するテル・タミル町にいるアメリカ軍とシリア政府軍の間の諍いから数日後に起こった。

6車両からなるロシアの巡検部隊は、戦闘ヘリを伴い一昨日朝にカミシリから行動を起こし、シメルカ国境門に向かった。

ロシア巡検部隊は、マリキイェ(デリキ)の西でアメリカ軍及び国際派遣軍が離着陸に使用しているアッズィライ空港の近くにあるシェケル・ハッジ村を通過する際にアメリカの巡回部隊に停止させられた。

アメリカ側が通過を認めないことを受けて、ロシア巡回部隊はおよそ20キローメトルの長さの未舗装の道に逸れざるを得なくなった。

しかし、アメリカ軍は自動車道からロシア巡検部隊を追尾した。

ロシア軍の車両は、アイン・ターヴィル村の分岐点に達した際、アメリカの巡検部隊により通行を妨げられた。これを受けて、ロシア軍は出発点であるカミシリに戻った。

アメリカの巡検部隊は、ここ最近、定期的にデリキ町にある主要道・側道の分岐点に来て、ロシア軍を待ち受けている、という。

シリア政府軍の車両は、先週日曜日、自由シリア軍の管轄地域の境界地域に巡検に来たアメリカ軍車両を停止させた。

同軍は、ハセケからおよそ40キロメートル北東部にあるテル・タミル町の西部のメンセフ村で、米軍の行く手を阻み基地に戻るよう要求した。

シリア政権寄りのメディアで公開されたビデオでは、とあるシリアの士官がアメリカ軍の兵士らに向かって、「明日戻るのなら、内部の者たちと一緒に巡回する予定だと明言する」と発言している様子が収められていた。

事が起こった翌日、テル・タミルにあるロシアの基地では三者会議が開かれた。会議にはロシア関係者およびシリア将校団が参加した。

当事者らは、メンセフ村の軍事拠点を一週間以内に明け渡す決定し、接近線上にいる民間人が危害を被らず、通過を許可する点で同意した。

シリア北東部を管理下に置くシリア民主軍(SDG)の地域では、約600人の米兵が駐留している。この兵士らがいつまで滞在するのかは明らかではない。

Al-Monitorによると、米国国防総省(ペンタゴン)は、SDG勢力がイスラム国との戦いを徐々に単独で実行できるようになってきていると考えている。

これととともに、SDGの地域を守る合意は一切なく、アサド政権はこの地域の自治に反対している。

アメリカ関係者は、クルド人民防衛隊(YPG)の政治部である民主統一党(PYD)及びバルザーニー政権に近いクルド国民評議会の間の和解のために努力している。

アメリカ関係者は、このように接近することで、YPGのシリア北部での影響力が弱まり、トルコの懸念も減らせると主張している。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:田辺清鼓 )
( 記事ID:49567 )