ギリシャでアヤソフィア反発、反トルコ示威事件続く
2020年07月25日付 Milliyet 紙


速報によれば、アヤソフィア・モスクで金曜礼拝が行われたことでギリシャで反発が起きた。テッサロニキの町では極右グループがトルコ国旗を燃やした。テッサロニキでの過激な光景について発表を行った外務省のスポークスパーソン、ハミ・アクソイ氏は「アヤソフィアで再び礼拝が行われることに納得できないヨーロッパの甘やかされた子どもたちがまた妄想にとりつかれた。歴史から必要な教訓を得なかった人種差別的な思考や、輝かしいトルコ国旗に無礼をはたらく人々のエーゲ海地方での結末をよく思い出すのは、2020年7月25日9時30分であるはずだ。」と述べた。ギリシャ外務省から行われた最新の発表では「我々はすべての国の、今回はトルコの、国家の象徴に行われるあらゆる活動や行動を最も厳しく糾弾する。」と述べられた。

ギリシャのテッサロニキの町で、アヤソフィア・モスクが再び礼拝へ開かれたことに抗議する極右グループがトルコ国旗を燃やした。

テッサロニキのアンティモス大司教の呼びかけに対し、7月24日夕過ぎにアヤソフィアをモスクに戻すことへの反発として、極右組織「聖なる部隊」のメンバーのデモ参加者は特別なミサが行われるテッサロニキのアギア・ソフィア聖堂の中庭に集まり、トルコ国旗を火に焚べた。

その後グループは「国民、国家とギリシャ正教会のために」と書かれたプラカードを携えて、トルコに反発するスローガンを叫びながらテッサロニキのトルコ領事館に向かうデモ行進にうつり、領事館の周辺で警備していた警官隊に止められた。

デモ参加者は領事館の前でスローガンを叫び続け、ギリシャ国歌を歌い、ここでトルコ国旗をまた燃やした。

また一方で首都アテネや国内の多くの場所でアヤソフィアをモスクに戻すことに反発する目的のデモが行われた。

◼︎弔鐘

アヤソフィアで金曜礼拝が行われるなか、全ての教会で弔鐘が鳴らされ、特別なミサが執り行われ、(弔意を表す)半旗を掲げられた。

テッサロニキとパトラの教会でビザンツとギリシャ国旗とともに特別なミサが実現され、アヤソフィア・モスクが「救済される」ために、生神女マリアに祈りが捧げられた。

夕過ぎごろに首都アテネのアテネ・ミトロポレオス大聖堂で行われた特別なミサでは、イエロニモスギリシャ首座主教によってビザンツ時代から残り生神女マリアに捧げられたイスタンブルに関して感謝の賛美歌が歌われた。

◼︎エルドアン大統領は有言実行した

ギリシャのテレビチャンネルは、アヤソフィア広場から行われた生放送で、「キリスト教徒にとっての凶日」、「エルドアン大統領は有言実行した」というように言及された。

テレビチャンネルはレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領がモスク内で礼拝の前に、コーランの一節を読み上げた様子も生放送で伝えた。

◼︎挑戦できないだろうと述べた

アヤソフィアをモスクに戻すことに対してはじめに反発を見せた国のうち、ギリシャのカテリナ・サケラロプル大統領は「アヤソフィアをモスクに戻すトルコの決定は、直接的にギリシャ人の歴史的な記憶を挑発するためのものだ」と話し、アヤソフィア論争においてフランシスコ教皇に国際的に重きをおくように呼びかけた。

ギリシャ政府は件の決定は「文明世界への挑発」だと述べた。

ギリシャのリナ・メンドニ文化相は「エルドアン大統領がナショナリズムを行い、トルコを6世紀後戻りさせた」などと述べた。

ニコス・デンディアス外相はアヤソフィアを再びモスクに戻す決定を「UNESCOに対する挑戦」と評価した。

ギリシャ教会の長であるアテネのイエロニモス首座主教はアヤソフィアの件での進展は一つのゲームから成り、トルコはアヤソフィアをモスクとして礼拝に開放する挑戦はできないと述べた。

◼︎ミチョツォタキス首相からの横柄な発言

ギリシャのミツォタキス首相は、7月24日に行われた金曜礼拝とともに礼拝へ開かれたアヤソフィア・モスクに関してテレビで横柄な発表を行った。

ミツォタキス首相は「今日イスタンブルで実現されることは力ではなく、弱さの現れだ」と述べた一方で、トルコを「頭痛の種」と評価し、過激な発言を行った。

ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相は国内で2019年7月24日に、(ギリシャの)7年間の軍事政権が崩壊し民主制の政権に戻ってから46周年となる記念番組で話した。

ロイター通信によればミツォタキス首相は86年ぶりに行われた初の金曜礼拝をもって、7月24日に公式に礼拝に開かれたアヤソフィアについても評価を行い、「今日イスタンブルで実現したことは力ではなく、弱さの現れだ。」と発言した一方で、トルコを「頭痛の種」と評価して過激な発言を行った。

◼︎世界のメディアで報道

日本のメディアはアヤソフィア・モスクで86年ぶりに行われた初の金曜礼拝に広く紙面をとった。

日本のメディアのニュースでは、アヤソフィア・モスクが86年ぶりに博物館からモスクへ戻されたことやレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領と政治的指導者たちが初の金曜礼拝に参加したこと、モスクに戻されるにあたっての内装の変更が報じられた。

朝日新聞は「モスクへ変更後のアヤソフィア、初の金曜礼拝の様子」との見出しの記事で礼拝時間の2時間前に礼拝へ向かう人々で全ての道が埋め尽くされたと報じた。
記事ではエルドアン大統領がコーランの一節を読み上げた写真が使われ、「礼拝中は覆われるキリスト教の装飾はその後覆いがとられ、すべての訪問者がアヤソフィアを無料で見学することができるようになる。」と報じられた。

読売新聞は「世界遺産アヤソフィア、『モスク化』され礼拝へ開放」との見出しで報じた記事で、ビザンツ帝国時代以来のアヤソフィアの歴史とイスタンブルの征服によってオスマン朝の支配へ移行したことが伝えられた。
記事では初の金曜礼拝のためにモスクと広場に集まった人の写真が使われ、モスクの中に青い絨毯が広げられたこととミナレットからアザーンが5回呼びかけられることについても報じた。

東京新聞は「アヤソフィアで初の金曜礼拝」との見出しの記事で、イスタンブルでの世界遺産が86年ぶりにエルドアン大統領の決定によって再びモスクに戻されたと伝えた。
記事ではこの変更に関するヨーロッパ諸国の政府の反応についても報じ、エルドアン大統領と政治的指導者たちが初めて参列した様子の写真が記事に使われた。

日本経済新聞、時事通信社、沖縄タイムス、日刊スポーツといった新聞はウェブサイト上で礼拝への開放を報じ、公共放送であるNHK、共同通信社、日本テレビ(NNN)、TBSといったチャンネルでは礼拝への開放に関する写真や映像が放映された。
一方、モスクの礼拝への開放と初の金曜礼拝は国際的メディアの日本での放送機関でも報道された。 

イラン国営放送は、アヤソフィア・モスクが86年ぶりに再び礼拝に開かれたことについて「世紀の最も重要な出来事の一つ」と評価した。

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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:49616 )