イラン外務次官:対IS戦闘へのファーテミユーン強制投入とイランのターリバーンに対する武器供与を否定(3/4)
2020年07月19日付 Iran 紙


―(2/4)の続き―

 イランのセイエド・アッバース・アラーグチー政務担当外務次官は、イランはアフガニスタンの平和を切に望んでいるとした上で、アフガニスタン和平会議の開催を主催する用意がイランにはあるのかというインタビュアーの質問に対し、「アフガニスタン政府がそのように要請すれば、答えはイエスだ」と続けた。

 また同氏は、今日のターリバーンはマザーリシャリーフでイラン人外交官8人を殉教させた時のターリバーンとは違うと思うかという質問に対し、「これについては様々な見解が提示されている。何も変わっていないと信じる者もいれば、ターリバーンは過去から教訓を学んで変わっていると信じる者もいるし、ターリバーンは一枚岩ではなく様々な諸集団がその内部に存在すると考える者もいる。ターリバーンに関して様々な見方があることについては同意する。」との認識を示した。

 1990年代や2000年代初頭のような政府がアフガニスタンに樹立されるが、イランはどう考えるのかという質問に対しては、「我々はアフガニスタンの現在の憲法と合法的な政治システムは膨大な数の犠牲者の努力と血の産物であり、この政治体制は守らなければならないと信じている。同様にアフガニスタンの現実を注視しなければならない。」と述べた。

 アラーグチー氏はターリバーンもまたアフガニスタンの現実の一部だと述べ、「もしターリバーンが権力の中枢に入りたいのであれば、この構造・制度的枠組みの中で参入するように、また全アフガニスタン対話会議に参加するように、我々は彼らに強制しなければならない」と語った。

 同氏はイランとターリバーンの会談はアフガニスタン政府からの情報に基づいて実施され、イランは自身の会談の結果をアフガニスタン政府に通知しているとし、「この地域で起きたことや変化は、イランの歩んだ道が正しかったことを示している」と主張した。

 米国・ターリバーン間の合意を含む米国主導のアフガニスタン和平会議はアフガニスタンの平和に繋がるのかというインタビュアーの問いかけに対し、アラーグチー氏は「これは重要な質問だ。我々は米国がアフガニスタンと地域の利益を追求していないと、米国政府の意図に疑念を抱いている。実施されるすべての活動はアフガニスタンの平和のためでなければならず、アフガニスタンの政治制度と憲法を守り、アフガニスタンの諸勢力がこの制度を通じて政権に参加する仕組みをつくらなければならないと、我々は信じている。」と述べた。

 アラーグチー外務次官はこのインタビューで別の話題について語る中で、同番組の司会者から繰り返し尋ねられたイランとターリバーンの関係性に関する質問に答え、「我々はターリバーンとの連絡手段は持っているが、彼らとの体系的な関係はない。我々はターリバーンと交渉もしなければ、交渉のための特別代表を任命もしないが、対照的に米国はターリバーンと交渉や取引を行っているし、ターリバーンとの交渉のために特別代表も任命している。」と語った。

 同氏はイラン人外交官らがターリバーンの手によって殉教したことを取り上げて、ある部分においてはイラン自身もターリバーンの犠牲者であるとし、近年一部のターリバーン幹部がイランを出入りしていることに関する質問に対して、「ターリバーンの人間が我々の知らないうちに往来をしている可能性はある。近年、国境の反対側であるアフガニスタンサイドの管理の欠如により、アフガニスタン市民のイランへの違法な往来があることを確認している。」と主張した。

 アラーグチー氏は、「重要なのは我々がアフガニスタンの憲法と政治制度を信じ、アフガニスタン・イスラーム共和国を支持し、ターリバーンが政権に参加したいのであればアフガニスタンの政府やその他の政治勢力と対話をしなければならないと繰り返し強調してきたことである」と語った。


―(4/4)に続く―

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( 翻訳者:KMMK )
( 記事ID:49640 )