床から壁にペルシア絨毯の有り様
2020年06月10日付 Hamshahri 紙


 イラン芸術アカデミー伝統芸術・手工業品部門ハサン・ボルハーリー代表は、以下のように語った。「経済的ふたつの理由と、イランの手織り絨毯[訳注:ペルシア絨毯]への大きな注目によって、絨毯は広い場所で床に敷くものから、壁に飾るものになった。」

 メフル通信によると、ボルハーリー博士は、ペルシア絨毯のある場所が家の床から壁に移動し、またイラン人が家庭用に手織り絨毯を以前より買わなくなった理由について次のように述べた。「ふたつの理由が考えられる。1つは楽観的な理由、もう1つは経済的な理由となる。[後者については]手織り絨毯の値段が高くなったため、サイズが小さくなってしまった。つまり12mのものが買えた値段が1m分になってしまった。絨毯がよりお買い得で安ければ、たとえ伝統と激しく対立するとしてもペルシア絨毯は我々の文化の中で存在感を有する。なぜならイランの絨毯は日常的に敷かれ、楽園を連想させる空間を演出してきたからだ。」

 彼は続けて「精神的かつ楽観的には、これほど美しいものは、自分たちの足の下ではなく頭の上に置くことにしよう、とイラン人が決めたと私は見ている。この楽観論に対し、こんな考え方もある。我々が絨毯を壁に飾る時、もう一つの見方がある。そうであってほしいという私の願望ではあるが、経済問題は絨毯とは別の重要な課題であってもらいたい。手織り絨毯は、重要で大きな立ち位置を有している。政府と我が国が理性的に判断し、手織り絨毯がそのあるべき本来の場所に戻らんことを切に願う」と述べた。

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( 翻訳者:CS )
( 記事ID:49687 )