トルコ・アゼルバイジャン両外相、共同記者会見―アルメニア・ギリシャ非難
2020年08月11日付 Milliyet 紙


速報によると、メヴリュト・チャヴシュオール外相とアゼルバイジャンのバイラモフ外相は共同記者会見を開いた。チャヴシュオール外相は、「東地中海でトルコとキプロスのトルコ系住民の権利を最後まで擁護し、譲歩しない。」と述べた。

チャヴシュオール外相は東地中海の展開に関して、「8月末時点で新たな地域でも、大陸棚の西側の境界でも許可を出し、あらゆる地震探査や掘削作業を行っていく。東地中海でのトルコとキプロスのトルコ系住民の権利を最後まで擁護する。誰もトルコに対して、『あなた方は良い態度を示してこなかった』とは言えないし、我々は示してきた。したがって、もし非難するのならばギリシャを責めなさい」と述べた。

チャヴシュオール外相は、アゼルバイジャンのジェイフン・バイラモフ外相と外務省で共同記者会見を行った。同外相はアゼルバイジャンとは「一つの民族、二つの国家」の認識で取り組んできたと述べた。また、「今後も一つの民族、二つの国家という認識とともに取り組んでいく。この取り組みをどのように続けていけるかを、今日、代表団とともに検討した。相互の投資は増えている。教育・文化の分野での我々の協力を検討していく」と述べた。

■兄弟国であるアゼルバイジャンと共にあり続ける

チャヴシュオール外相はアルメニアが7月12日にアゼルバイジャンを攻撃したことに触れ、「その日何と言っていたとしても、今も同じことを言う。我々は兄弟国であるアゼルバイジャンと共にあるし、そうあり続ける。アルメニアは長年、兄弟国アゼルバイジャンの領土の20%を占領している。国連や欧州理事会のあらゆる決定にもかかわらず、アルメニアはこの問題の解決に関心を示さなかった。非常に明らかな決定がある。にもかかわらず、この問題は今日までなぜ解決されていないのだろうか。この理由は国際社会が誠実な形で努力をしていないことにある。問題を平和的な方法で解決するために国際社会は誠実に努める必要がある。外交によって平和的な方法でこの問題が解決されるべきである。アゼルバイジャンがどのような解決法を選んでとしても、我々は兄弟国であるアゼルバイジャンと共にある」と述べた。

■トルコ人とドイツ人の区別はなされない。

チャヴシュオール大臣はコロナウイルスが世界の全てを変え、渡航の自由をも制限したと述べた。同外相は次のように述べた。

「EUはトルコを安全な国のリストに入れなかった。以前のリストに入っていた一部の国もリストから除外された。ドイツに暮らす我が同胞とドイツ観光客はトルコに訪れるための要求をしている。トルコへ向けた渡航制限の解除のために我々は努力してきた。ドイツは一部の観光地への渡航制限を解除している。陸路を利用して来 た我が同胞達もいる。彼らがドイツに戻った際に14日間の隔離がなされないためには、ドイツは『トルコで検査をできるのであれば、この制限を解除する』と述べた。これは我が同胞だけではなくドイツ人にも適応される。ここにはトルコ人とドイツ人の区別はない。トルコに我が同胞とドイツ観光客が来られるように、ドイツのこの要求に積極的に応えてきた。応えていなかったなら、戻った際に14日間の隔離となるはずであった。ドイツ自身の内政に我々は直接干渉できない。我々は協力しなければならなかったし、協力してきた。我々の意図は純粋なものであり、問題も取り除いてきている。」

■誰もトルコに対して「あなた方は良い態度を示してこなかった」とは言えない

チャヴシュオール外相は、東地中海での展開に関して、次のように述べた。

「我々はここで善意の指標として、メルケル首相やEUの要請により妥協ではなく、一時的な態度を示してきた。ドイツやEUは対話に努めていた。我々は彼らに、『我々はこうした態度をとってはいるが、ギリシャとキプロスのギリシャ側から、はっきりと否定的な措置をご覧になることだろう』と述べた。我々が言っていたことが起きた。我々は艦船を再び動かした。弾性波探査船オルチ・レイス号は東地中海地域へ向かった。8月末時点で、新たな地域でも、大陸棚の西側の境界でも許可を与え、あらゆる地震探査や掘削作業を行っていく。我々の決心は絶対だ。東地中海でのトルコとキプロスのトルコ系住民の権利を最後まで擁護していく。この問題でも、どのような形の譲歩もしない。昨日、トルコに向けたいくつかの声明があった。誰もトルコに対して『あなた方は良い態度を示してこなかった』とは言えないし、我々は示してきたのだ。相手側には悪意を持った国がある。したがって、もし非難するのならばギリシャを責めなさい。」

■アゼルバイジャンの大臣からの声明

アゼルバイジャンのバイラモフ外相は、アゼルバイジャン-トルコ間の関係が全ての分野で活発に発展していると強調し、2019年の貿易取引量が前年と比べ33%増加したと述べた。

バイラモフ外相は、チャヴシュオール外相と外務省での会談後に行われた共同記者会見で語った。

同外相は、外相就任後の初の外国訪問が兄弟国であるトルコであったことに喜びを示し、チャヴシュオール外相との会談で上がった議題を、「一つの民族、二つの国家」の認識によって取り組んだと述べた。

また、アゼルバイジャン-トルコ間の関係が非常に重要さを増していると強調し、「アゼルバイジャンとトルコの間の関係は全ての分野で活発に発展している。2019年の取引量は2018年と比べ、33%増加した。」と述べた。

今年は世界経済にとって厳しい年となったが、最初の五カ月間のアゼルバイジャン-トルコ間の取引量は20%以上増加し、「トルコでは約2,000のアゼルバイジャン資本の会社が活動している。トルコ経済にアゼルバイジャンから181億ドルの資本が投入された。」と述べた。

アゼルバイジャンのバイラモフ外相は、コーカサスの恒久的平和を確かにすることの目下の障害はアルメニアであるとし、「この問題はアゼルバイジャン領土の統一、主権、領土の不可侵の原則に沿って解決されるべきである。」と述べた。

バイラモフ外相は、チャヴシュオール外相と外務省で会談した後に共同記者会見を行い、語った。

同外相は、両国の関係がアタチュルクの「アゼルバイジャンの喜びは我々の喜びである。その悲しみは我々の悲しみである。」という言葉と、ハイダル・アリエフ元アゼルバイジャン大統領の「一つの民族、二つの国家」という考えの枠組みの中で確立されたと説明し、両国の関係が全ての分野で発展していると述べた。

また、トルコとの関係が発展・深化することがアゼルバイジャンの外交政策の主な目標であることに注意を引き、「地域の発展・開発・平和に役立つ両国間の多くのエネルギー・輸送プロジェクトが議論された。」と述べた。

南部ガス回廊とトランスアナトリア天然ガスパイプライン(TANAP)プロジェクトも両国の会談で取り上げたと述べたバイラモフ外相は、「このプロジェクトは両国の地域内での力と国際的な分野での力を増すことを狙いとしている。」と評価した。

■地域の恒久的平和の目下の障害はアルメニア

バイラモフ外相は両国がメンバーである国際機関とともに他の地域的・世界的な問題で互いに助け合い協力していると強調し、「トルコは、常にアゼルバイジャンの国際法に則った姿勢を支持している。この支持を、この間7月12日にアゼルバイジャン-アルメニア国境のドブズ地域でアルメニア軍が軍事挑発を行った際にも目にした。」と述べた。

トブズ地域への攻撃後、アゼルバイジャンを支援したトルコ国民と政府に感謝を述べ、バイラモフ外相は次のように続けた。

「地域に恒久的平和を設けるための主な障害がアルメニアの攻撃的な政策である。国際法とEUの関連決議によれば、この争いの解決法は明らかである。アゼルバイジャンのこの問題への姿勢ははっきりしており、変わることはない。この問題は、アゼルバイジャン領土の統一、主権、領土の不可侵の原則に則って解決されるべきである。」

同外相はアゼルバイジャン国民と政府もあらゆる問題でトルコを支持すると指摘し、「アゼルバイジャン国民と政府はトルコ国民と政府と共にある。我々の団結は永久であり、我々の未来をこの土壌の上に築いていく。」と述べた。

■我々の狙いは両国が国際的な場で影響力を増していくこと

バイラモフ外相はアゼルバイジャン-トルコ間の経済関係にも言及し、両国間の241の分野で協力合意に署名し、29の分野でも近々合意、署名されると述べた。

同外相は、トルコに約2000社のアゼルバイジャンに本社を置く会社が存在し、こうした会社がトルコに181億ドルの投資を行っていると説明し、「アゼルバイジャンでも4000社のトルコ系企業が活動していて、彼らもアゼルバイジャンに126億ドルの貢献をしている。」と述べた。

また、両国間で行われているバクー・トビリシ・ジェイハン石油パイプラインやバクー・トビリシ・カルス鉄道、TANAPといったプロジェクトも影響して、2023年の両国の取引量は150億ドルを目標を越えるだろう強調し、「全ての分野で関係を築く主な目標は、地域の安全と安定を確立することであり、両国が国際的な場で影響力を増し、地位を強めることである。」と述べた。

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( 翻訳者:岩坂翼 )
( 記事ID:49720 )