ペルガモン博物館の損傷犯は、トルコ人コックか?
2020年10月22日付 Hurriyet 紙


トルコからもたらされた古典作品が展示されているベルリンのベルガモン博物館において、油性の液体を用いた損傷事件が起こった。到着した最新のニュースのよれば、少なくとも70点の歴史的な展示物が被害を受けた。メディアは、
事件に関して、「この博物館には悪魔の玉座がある。そこでは人々が生贄とされている」と発言する陰謀論者のアティッラ・ヒルドマンを示唆した。


ドイツの首都首都ベルリンで、観光客が大きな関心を示す、多くの美術館が集まるミュージアムアイランド(Museuminsel)で、古代に属する古典作品が少なくとも70点損壊された。トルコからもたらされた古典作品があるベルガモン博物館の作品も被害にあった。

■油性の液体で損傷された

第二次世界大戦後[に発生した]ドイツで歴史的作品に対する最大の損傷事件と命名されたニュースを、一昨晩ツァイト紙とドイチュランドフンク・ラジオは報じた。これによると、ユネスコにより世界文化遺産として登録されている、中にトルコからもたらされたベルガモン祭壇も展示されているペルガモン博物館、新美術館、旧国立ギャラリーにおいて損傷が見られた。身元不明の実行犯、あるいは実行犯集団は、王墓、石像、19世紀の絵画に油性の液体をかけた。

■犯行は10月3日

犯行は、ドイツ統一30周年記念が祝われた10月3日に実行された。その日博物館には3千人以上の来館者があったという。博物館は、コロナウイルスのために閉館されていたが、ちょうど犯行が実行された日に再び開館され、来館者に開放されたばかりであった。ペルガモン祭壇は改装中であったため訪問不可能であった。

ペルガモン博物館における作品の中で最も重要である展示部は、1876年-1918年の間にドイツの考古学者がオスマン帝国の地における発掘で見つけた作品で構成されている。ペルガモン、ミレット、ディデム、プリエネ、マグネシア、バビル、アスールからもたらされた貴重な作品がこの博物館で展示されている。ペルガモン祭壇は、訪問客を感動させる最大の作品である。ゼウスの祭壇として知られるそれは、紀元前200年にペルガモン王国の王家によってギリシャの神ゼウスのために作られた。

■トルコ政府は返還を求めた

この作品群は、ドイツが建設し、完成することのなかったバグダードーヒジャズ鉄道計画の対価としてスルタン・アブデュルハミト二世によりドイツに与えられた。ペルガモンとミレットからもたらされた作品の法的な扱いは議論を生む所である。これによりトルコはこの作品を出土した土地へ戻すためにドイツに訴えかけた。第二次世界大戦後、ロシアは戦利品として、この作品群を自国に持っていった。作品群は1958年当時にペルガモン博物館が東ベルリンにあったため、東ドイツに返還され、再びペルガモン博物館に移された。

■アティッラの主張が話題に「そこで人々が生贄にされている」

ドイツ関係者から容疑者に関する発表がない中、ドイツメディアは陰謀論者として最近話題となったトルコ人のビーガンコック、アティッラ・ヒルドマン(39歳)のペルガモン博物館に関する主張を紙面にもたらした。ヒルドマンは、テレグラムチャンネルで、ペルガモン宮殿を「悪魔の玉座が置かれている場所」「全世界の悪魔とコロナウイルスの発祥地」と説明していた。ここで人々は生贄とされ、子供たちが虐待されているという見解を示した。

■ツイートを投稿

ヒルドマンは、博物館襲撃に言及した記事を自身のソーシャルメディア・アカウントで共有し、追記で「真実は、そこが悪魔の玉座がある場所であるということだ。メルケルは50メートル向かい側に座っている」と書いた。ヒルドマンは、以前にもドイツのメルケル首相に対し「イルミナティ(秘密結社)」、「悪魔主義者」と喩えた。両親がトルコ人であり、ドイツの一家族に養子とされたヒルドマンのビーガン食の本は売れていない。

■「コロナの嘘」

コロナウイルスの脅威が嘘であると指摘するQAnon潮流のように、彼もコロナウイルスが新世界構築のための陰謀であると主張している。ヒルドマンは、ドイツのイェンス・シュパーン保健相、アメリカの億万長者であるビル・ゲイツ、ドイツのロバート・コッホ研究所がこの陰謀の組織メンバーであると唱えている。ドイツ右翼であるヒルドマンは、コロナウイルス対策に反対する国会議事堂の前でのデモで拘束されている。

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( 翻訳者:森彩音 )
( 記事ID:50070 )