フランス常識外れの決定「ナゴルノ・カラバフ共和国」承認
2020年11月26日付 Hurriyet 紙


フランス上院では、いわゆる「ナゴルノ・カラバフ共和国」を承認する決定が可決された。 象徴的価値をもつこの決定は、フランス上院で反対票1票に対して賛成票305票で可決され、上院議員30人が投票を棄権している。物議を醸した決定後すかさず、アゼルバイジャンから応答が返ってきた。アゼルバイジャンは、「ナゴルノ・カラバフ共和国」を承認したフランス上院の決定は「偏り」と「挑発」であると宣言した。

決定において、フランスはアルメニアの人々に人道的援助を提供し、ナゴルノ・カラバフで犯された「戦争犯罪」の国際的調査を要求すべきであると述べられた。
アルメニア人の宗教的・文化的遺産を保護すべきであると述べられた決定では、ナゴルノ・カラバフで土地を追われた人々は彼らの家に戻る手助けがなされるべきであると指摘された。この決定ではまた、フランス政府に「ナゴルノ・カラバフ共和国」の承認が求められた。
「ナゴルノ・カラバフ共和国」を承認する決定は可決されたものの、アゼルバイジャンとアルメニア間で署名された停戦合意では、ナゴルノ・カラバフの地位を示す要素は含まれていない。

■フランス、アルメニアへの支援により批判される

加えて、国際連合によれば、ナゴルノ・カラバフはアゼルバイジャンの領土と見なされている。フランスは、ヨーロッパ安全保障協力機構(OSCE)ミンスク・グループ共同議長国の一員でありながら、ナゴルノ-カラバフ紛争において中立性を失い、アルメニアを支援したことで批判されている。

■アゼルバイジャンからの厳しい応答:「偏り」と「挑発」

アゼルバイジャン外務省は、「ナゴルノ・カラバフ共和国」を承認するフランス上院の決定は「偏り」と「挑発」であると宣言した。外務省の声明では、フランス上院の「ナゴルノ・カラバフ共和国」を承認する決定に対する評価が下された。
声明は、問題の決定は親アルメニアの上院議員によって提案されたことを明らかにし、「フランス上院によるこのような偏った決定の承認は挑発と見なされる」と述べた。

また声明ではフランス上院で可決された決定に法的効力はないことが指摘され、「仲裁の役割を担う国がこのような決定を下すことにより、その国の中立性に疑いが生じる。この決定はまた、アゼルバイジャンの社会における公正な仲裁者としてのフランスの評価を損なうものとなる」と述べた。

在仏アルメニア人が選挙前にナゴルノ・カラバフ問題を利用したことを強調する声明の中では、フランス政府がアゼルバイジャンの領土の一体性を支持していることが想起された。そして「フランス上院は、偏った決定の承認ではなく、地域の平和、安定、発展に役立つ活動に従事することにより、フランスの利益と地域の持続可能な開発の助けとなる」と述べられた。

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( 翻訳者:原 明海 )
( 記事ID:50234 )